両手を上図のような状態で約1分保つと、手根管症候群の場合、正中神経領域に痺れや疼痛を生じます。
このテストをファレンテストと言います。
正中神経が手首のところにある手根管というトンネルの中で圧迫されて起こる神経障害で、
神経伝導速度や筋電図検査が実施され確定診断が行われます。
軽度のものは保存療法が中心となっています。
手首の安静を保つことが重要で、手首に夜間、装具を装用させ、固定します。
痛みが強い場合は手根管部にステロイド注射が行われます。
保存療法で改善がみられないケース、母指球の筋萎縮が進行する場合は手根管開放術の適用ですが、
この手術は局所麻酔下で実施されますので入院の必要はありません。
術後は3週間程度のギプス固定を実施し、手首の安静を保ちます。
最近では、関節鏡下にオペが実施されており、治療期間も短くなっています。
手根管症候群の症状に親指、人差し指、中指腹の知覚異常を説明していますが、
親指・人差し指の知覚は、生活の上で重要な働きが認められ、これをカバーするために、
小指の神経と皮膚を親指に移植、神経血管柄付き島状皮膚移植がなされることもあります。
手根管症候群における後遺障害のキモは、
「34正中神経麻痺・前骨間神経麻痺」で説明をしています。 |