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交通事故外傷と後遺障害


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19脊髄空洞症

頚・腰部捻挫周辺の傷病名と後遺障害

 

19脊髄空洞症

(1)病態
脊髄空洞症は、脊髄の実質内に空洞を形成する状態を言います。 原因は今のところ不明ですが、脊髄の外傷後に続発することもありますが、大多数はキアリ奇形と呼ばれる先天性・遺伝性疾患です。

脊髄の中心には中心管が存在しますが、その中心管が拡大したのではありません。
末梢の刺激が脳に伝わるとき脊髄に存在する伝達路を通り脳に伝わります。
逆に脳からの命令が末梢に伝わるときも、脊髄の伝達路を通り末梢に伝わります。
したがって、脊髄空洞症を発症すると、神経の伝達路が侵されるので、さまざまな症状を呈します。

(2)診断
MRIにて脊髄に空洞が認められます。 CT脊髄造影でも、空洞が造影される。

(1)病態
腕神経叢麻痺は、単車・自転車で走行中の事故受傷で、肩から転落した際に側頚部から出ている神経根が引き抜かれるか?
引きちぎられて? 発症するものです。

脊椎椎体の左右からは神経が枝分かれして伸びているのですが、これは植物の根のように見えるところから神経根と呼んでいます。 

頚椎の5・6・7・8の神経根、胸椎の1番目の神経根は脊髄から分岐して上肢に向かっています。 これらの神経根が事故受傷により引きちぎられるのですから、握力の低下に止まらず、上肢の神経麻痺という症状が出現します。

(3)症状、治療と後遺障害

空洞内は髄液で満たされており、頚髄レベルで発症例が多いとのことです。
症状としては片側もしくは両側上肢の筋力低下、筋緊張の低下、筋萎縮が起こります。

障害を受けた上肢の深部腱反射は減弱あるいは消失します。 

下肢の脱力が起こることもありますが、この場合は痙性麻痺で深部腱反射は亢進します。

さらに知覚系では片側もしくは両側性の宙吊り型の温痛覚障害、触っている感覚は残しているが温感と痛感のみが麻痺している状態が見られ、これが脊髄空洞症の最も特徴的な所見と言われています。

脊髄に小切開を加え空洞を開放する外科的治療も行われておりますが、危険を伴う手術であり、対症療法が主な治療となっています。

コラム 私の経験則?

被害者は、友人の車の後部座席に同乗しており、信号機のある交差点を青色で通過中に信号無視の相手車に右横部へ衝突され、横転した際の受傷です。
救急車で搬入された当初の病院は、CT・MRI撮影を行ったにもかかわらず、脊髄の空洞を見落とし頭蓋底骨折、右頬骨骨折、頚椎捻挫と診断しました。 

被害者からは、
〆限4・5指に痛感・温感がない、
∈絃綮茲令磴譴箸世襪鬼供
7柯瑤令崢砲髪親粟限等の訴えが、受傷後2ヵ月間、改善することなく一貫して続きました。

退院後、念のために、ということで撮影した頚部のMRIで空洞を発見したのですが、主治医は顔色をなくし、緊急入院下で絶対安静を指示しました。
受傷時に撮影されたMRIにも、第4・5頚椎の後方の脊髄に同じ大きさの空洞が認められ、見落としは明白です。

私は被害者と相談、近くの市民病院の脳神経外科に転院することにしました。
5ヵ月にわたる経過観察と理学療法を受けましたが空洞の大きさは変わりがありません。
5月の初めに症状固定とし、Nliro調査事務所に対して後遺障害認定申請を行いました。
結果は、9級10号が認定されました。

(4)治療先

治療先 東京慈恵会医科大学病院 本院
医師名 脳神経外科  阿部俊昭 主任教授
所在地 〒105-8471 東京都港区西新橋3-19-18
TEL  03-3433-1111

脊髄空洞症の手術数が多い病院・医師は、慈恵会医科大脳神経外科の阿部俊昭教授です。 
元慶応大学整形外科教授 平林洌医師が監修している、「脊椎脊髄ジャーナル」をまとめた書籍、「脊椎脊髄の手術」の中で、脊髄空洞症の部分を担当されています。 

脊髄空洞症は進行性ですから、小さな空洞でも定期的なMRI撮影は必須です。
これを怠る医師では、対応できません。

阿部医師は、慈恵会HPで、以下の説明をしておられます。
「発症年齢は30歳代が最も多く、まず片手の痛みや温度に対する感覚が鈍くなり、やがて両手の力が入らなくなります。症状の進行はゆっくりですが、治療せずに放置した場合、約半数の人は20年以内に下肢にも麻痺がおよび、車椅子が必要になると言われています。」

手術はシャント術、チューブを使用して空洞部分の水分、髄液を抜きます。
当方からも、7名の被害者が、こちらで手術を受けています。

追加 脊髄空洞症
脊髄の中心部に脳脊髄液(のうせきずいえき)がたまった空洞ができることにより、脊髄を内側から圧迫して、さまざまな神経症状を発症する病気です。
発症に男女差はなく、あらゆる年齢層にみられます。

頚髄に発生することが多いため、上肢や手の痛みまたは感覚障害で始まることが多く、空洞が拡大すると手や腕の麻痺や筋萎縮、歩行障害、さらには排尿や排便の障害が出てきます。
上肢にみられる感覚障害には特徴があり、温痛覚=温度や痛みの感覚は障害されますが、触覚と振動覚・位置覚などの深部感覚は保たれます。このことを解離性感覚障害といいます。
そのため、腕を強くつままれた時に触れられたという感覚はあるのに、痛みを感じない、あるいは火傷をしても熱さを感じないということが起こります。
空洞が延髄に及ぶ延髄空洞症では、顔面の感覚障害や嚥下障害が起こります。
このため食事の際に飲み込みが悪くなったり、飲み込んだ水分が誤って気管に入る誤嚥が発生します。

感覚障害などの症状に対しては、薬剤による対症療法を行います。
キアリ奇形に伴う脊髄空洞症の場合は、大後頭孔減圧術と呼ばれる外科的手術を行います。
この手術は頭から首に移行する部分で脊髄周辺の空間を広げて、髄液の流れをよくするというものです。
多くの例で、空洞が縮小して、症状も軽快します。
しかし、症状がある程度以上進行してしまったあとで手術をしても有効でない場合が多いので、早期に診断して治療することが大切です。

空洞のできる詳しいメカニズムは、不明な部分が多いのですが、脊髄空洞症を原因により、以下の5つに分類されています。

.アリ奇形に伴う脊髄空洞症、

アーノルド・キアリ奇形=小脳の下端が脊椎(せきつい)のほうに垂れ下がったようにめり込んでくる奇形、

後頭部の奥にある小脳が生まれつき脊髄の方へ下に落ち込んでいる小脳扁桃下垂がキアリ奇形の特徴で、これはMRIで確認ができます。

キアリ奇形による脊髄空洞症であれば、残念ですが、交通事故受傷との因果関係は完全否定され、後遺障害の獲得は、スッパリとあきらめなければなりません。

症状としては、片手の痛みや温度に対する感覚が鈍くなり、やがて両手の力が入らなくなります。

症状の進行はゆっくりですが、治療せずに放置した場合、約半数の人は20年以内に下肢にも麻痺が進行し、車椅子が必要になると言われており、直ちに手術適用となります。

治療先 東京慈恵会医科大学病院 本院
医師名 脳神経外科  阿部俊昭 主任教授
所在地 〒105-8471 東京都港区西新橋3-19-18
TEL  03-3433-1111
日本における脊髄空洞症の手術の第一人者は、阿部俊昭主任教授です。
交通事故110番からは、この5年間で7名の被害者が慈恵医科大で手術を受けて改善を得ています。

頭蓋から脊柱管に移行する部分を大後頭孔と呼びますが、この空間を拡げることによって、髄液の流れを良くする大後頭孔拡大術が選択されています。
これは、本来頭蓋内に収まっているはずの小脳の一部が大後頭孔を経て脊柱管内に下垂しているキアリ奇形により、脳脊髄液の交通が妨げられ空洞が形成されている場合に有効な手術です。
多くの場合、術後1ヵ月ほどで空洞を縮小させることができ、症状も改善します。
脊髄空洞内に直接細いチューブを挿入し、空洞内にたまった水を他の場所に流すようにする手術は空洞短絡術
と言います。空洞の水をカテーテルで、くも膜下腔に流す方法が一般に行われています。
空洞から、腹腔部、胸腔部に流す処置を取る場合もあります。
この手術は、比較的簡単で有効です。
しかし、人工のチューブを用いるため,チューブがつまったり抜け落ちたりする危険性があります。
また、そもそも原因となっている疾患(キアリ奇形など)の治療が行われないという欠点があります。

癒着性くも膜炎に伴う脊髄空洞症、
癒着性くも膜炎=脊髄の周囲に炎症が起こり、髄膜に癒着を起こしたもの、
脊髄腫瘍に伴う脊髄空洞症、
脊髄出血後の脊髄空洞症、

コ綾後脊髄空洞症、
損傷部の髄膜癒着に起因する脊髄の係留効果と髄液の環流障害が関与していると言われています。
キアリ奇形がMRI画像で否定されるケースでは、後遺障害獲得の可能性が出てくるのです。
症状の現れ方は、空洞の大きさや長さによって異なります。
私の経験則では1例、9級10号が認定されています。

名称  独立行政法人 労働者健康福祉機構 総合せき損センター
所在地 福岡県飯塚市伊岐須550-4
TEL   0948-24-7500
病院長 芝 啓一郎
さて、芝院長は、平成19年「整形外科と災害外科56」で頚椎症性脊髄症による脊髄空洞症を発表しています。
両前腕痛、四肢の痺れ、歩行障害を訴える85歳の男性について、脊髄圧迫による髄液環流障害に起因する脊髄空洞症と診断、空洞自体の処置は行わずにC3〜7の頚椎椎弓形成術を行っています。
http://www.jstage.jst.go.jp/article/nishiseisai/56/4/623/_pdf/-char/ja/

MRI所見では、C4/5では後方より、
C5/6では前方からの圧迫が高度であることが確認でき、
そしてC3/4/5の後方の脊髄に空洞症が認められます。

空洞自体の処置は行わずにC3〜7の頚椎椎弓形成術を行った結果、空洞は消失しています。
この画像では、小脳扁桃下垂=キアリ奇形は認められません。

脊髄の圧迫による髄液環流障害をきたしたケースで、圧迫の原因は頚椎症性脊髄症=変形性頚椎症です。
除圧手術のみで空洞は消失、両前腕痛は軽快、痙性歩行も改善しています。
本件は交通事故ではありませんが、事故であるとするなら、11級7号、8級2号の選択となります。

5年間に8例の経験、しかも7例はキアリ奇形ですからドボンで、後遺障害がとれません。
それでも、私は、虎視眈々と医学論文をチェックし続けています。
これでないと、爺さん会にシテヤラレルのです。

現在も、これからも交通事故110番がトップ!地道な努力では誰にも負けません。

■20脊髄不全損傷=非骨傷性頚髄損傷click!

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