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交通事故外傷と後遺障害


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20脊髄不全損傷=非骨傷性頚髄損傷

頚・腰部捻挫周辺の傷病名と後遺障害

 

20脊髄不全損傷=非骨傷性頚髄損傷

(1)病態、問題点
事故外傷で、XP、MRIの画像では、明確な骨折・脱臼所見がないのに、脊髄損傷と思われる症状が現れるケースが頻繁に発生しています。
脊髄不全損傷の不全とは、原因がハッキリしないことを意味しています。

この中には、MRIのT2強調画像で高輝度所見もなく、脊髄損傷の特徴的な神経学的所見、腱反射の亢進、異常反射の出現もなく、筋萎縮も認められない、心因性としか考えられない被害者も紛れ込んでいます。
お気の毒な状況ですが、心因性関与はプシコですから、排除する必要があります。

さて、画像所見は確認できないものの、腱反射の亢進、異常反射が出現しており、著明な筋萎縮、上・下肢に麻痺が認められる被害者がおられます。

麻痺の発現には、脊柱管狭窄症が素因となることが多く、頚椎に変性を有している中高年齢の被害者に好発しています。

脊柱管狭窄の因子は、遺伝的な狭窄症のケース、骨棘形成、椎間板膨隆や頚椎不安定性等の後天的な頚椎症性変化、後縦靭帯骨化症が考えられます。
多くは、先に説明した中心性頚髄損傷となり、上肢中心の症状となります。

しかし、画像所見が得られなければ、Nliro調査事務所は、非該当、14級9号、12級13号の選択で、脊髄損傷としての認定はありません

コラム 私の経験則?

私が担当する被害者は、最初の追突事故で、C4/5の前方固定術、C3〜7の脊柱管拡大形成術を受けました。
加害者はベンツを運転していたのですが、任意保険未加入のお粗末さでした。
知っていれば、自ら加入の任意保険に無保険車傷害保険金請求を行い、解決となりますが、これを知らない被害者は、支払い能力のない加害者に治療費等の請求を続けたのですが、支払いが履行されることはなく、パニック状態となりました。

これは、自賠責保険に対する被害者請求で、後遺障害等級を確定させ、その直後に、弁護士に依頼、無保険車傷害保険に対して保険金請求を行うことで、落ち着いたのですが、就労復帰後の通勤途上で、再び事故受傷する不運が重なったのです。

前方固定術を受ける以前は、主として右上肢の麻痺症状が深刻でしたが、再事故受傷後は、対側の左上・下肢に大きな麻痺が出現しました。
すでに頚部は固定術と脊柱管拡大形成術が実施されており、症状は明らかに脊髄損傷ですから、観血術の選択はありません。
保存的に治療を続けましたが、改善は得られず、休職期間を完了、就労復帰を断念する結果となりました。
さて、ここで発生した大問題は、画像所見が得られないことです。
さきの固定術、脊柱管拡大形成術では、金属のドリルを使用して骨切り術が行われています。
この際に、飛び散った金属の微細な小片がMRIの磁気に反応、MRIで鮮明な画像所見が得られないのです。
これを、アーチファクトと言います。

頚部神経学的所見、SSEP、MEPでは紛れもない頚髄損傷ですが、画像所見が得られないのです。
現在も治療継続中であり、被害者請求は実施していません。
しかし、Nliro調査事務所の判断は織り込み済みで、期待していません。
形式的な被害者請求を行い、その後は、訴訟解決を求める予定でいます。

(2)診断
脊髄損傷の高位と程度を診断するには、MRI検査が有用です。 損傷部位は、C3/4が最も多く、急性期であれば、T2強調画像で高輝度が確認出来ます。
慢性期では、T1強調画像でスポット状の低信号領域が出現し、その領域が広いほど脊髄損傷の程度は大きいと説明されています。

本来は、上記の説明の通りですが、固定術等が実施された被害者には、アーチファクトでMRI所見がとれないケースがあることを知っておく必要があります。 

(3)症状、治療と後遺障害
Nliro調査事務所の認定要件は、MRIのT2強調画像で高輝度が認められることです。
この画像所見が確認できるのは、受傷後の急性期に限定されます。
慢性期にはT1強調画像で軟化型損傷を発見する必要があります。

MRI画像の精度ですが、目安としてT=テスラ=解像度が表示されています。
1989年前後にMRIを導入した病院は、0.3〜0.5Tですが、1998年以降は1.5Tが主力で、現在では3Tも登場しています。
当然ながら、数字が高いほど鮮明な画像が得られます。

MRIの健康保険請求点数は1247点ですから、診療費は1万2470円となります。
どうせ支払いをするのであれば、1.5Tを選択したいものです。
被害者が治療先の機器の精度をチェックする、時代はそこまで進化しているのです。

しかし、アーチファクトが発生していれば、MRIでの立証は絶望的です。
SSEP、MEP、サーモグラフィー、針筋電図検査の補助的診断で立証を行い、Nliro調査事務所に過度な期待を抱くことなく、訴訟で決着をつけることになります。

SSEP、MEPの検査所見ですが、現状でNliro調査事務所は有意な所見とは考えていません。
あくまでも、補助的な立証とされ、中心的にはMRI画像一辺倒の判断となっています。

前方固定術や脊柱管拡大形成術が実施されたものは、脊柱に奇形・変形の範疇で捉えて、11級7号が、軟部組織に器質的損傷が確認され、脊柱の可動域が2分の1以下に制限されたものは、8級2号が認定されています。

固定術ではなく、保存療法にとどまるものは、14級9号、12級13号、稀に9級10号が認定されるにとどまっています。

脊髄損傷では、神経系統の機能の異常に該当し、後遺障害等級は、1、2、3、5、7、9、12、14級の8段階からの選択となります。

脊柱の奇形・変形では、日常生活で大きな支障が生じることは少なく、裁判では、逸失利益の積算で、喪失率の減額や喪失年数の短縮化が目立ちます。
これらの手術で、脊髄に対する圧迫が排除され、症状が一気に改善している被害者は、これでもやむを得ないと考えています。

圧迫を除去しても、脊髄に不可逆的な損傷を来している場合は、術後もスッキリとした改善が得られず、治療の方法もありません。
このケースでは、神経系統の機能の異常を立証して、8段階の選択を求めることになります。

自賠書式には、脊髄判定用の用紙が用意されており、後遺障害診断書と一緒に主治医に示して診断と作成をお願いしなければなりません。


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