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交通事故外傷と後遺障害


■第5節:神経系統の機能または精神の後遺障害click!

■1:神経系統の機能または精神の障害click!

■2:頭部外傷による障害click!

3:外傷性てんかん

第 5 節 神経系統の機能または精神の後遺障害

 

3 外傷性てんかん

●総論

脳挫傷・頭蓋骨陥没骨折後の後遺障害として代表的な症例に、外傷性てんかんがあります。

外傷で、脳の実質部に残した瘢痕は、手術による摘出以外、消去することはできません。 

この瘢痕部から発せられる異常な電気的信号に、周辺の正常な脳神経細胞が付和雷同して大騒ぎをしている状態を、外傷性てんかんと呼んでいます。

発作には大発作、焦点発作、精神運動発作がありますが、発作を繰り返すことにより、周辺の正常な脳神経細胞も傷つき、性格変化や知能低下の精神障害を来し、高度になると痴呆・人格崩壊に至ります。

深刻な障害ですが、治療は、発作を抑える抗痙攣剤の内服、つまり、薬物療法が基本です。 
内服で発作を抑えられないケースでは、発作焦点となっている脳の部分切除がなされますが、この場合でも、術後は、長期にわたる薬物療法が続けられます。

抗痙攣剤は代表的なデパケン R をはじめとしてフェニトイン・カルバマゼピンなどがあります。
内服を続けながら、脳波検査にて、てんかんを示すスパイク波・鋭波の消失を待つのです。
抗痙攣剤を内服中の女性は妊娠を避ける必要があります。

被害者側の注意点は、発作の回数に注目するのではなく、性格変化・人格低下の高次脳機能障害を、日常生活でつかみ取ることです。
性格変化や人格低下は、よほど注意していないと見落とします。

私の保険調査員時代、外傷性てんかんで 2 級 1 号を経験しています。
神経心理学的テストの結果は、知能のレベルで、小学 2 年生程度の知能・情緒でした。

治療先には、十数回、同行しており、季節・事件・子どもの話も、普通にやりとりしており、どこから見ても、一般人でしたから、検査結果には、非常に驚きました。
専門医は、何から何まで小学校 2 年生ではなく、どこかで大きく落ち込むと説明しています。

 外傷性てんかんの後遺障害

外傷性てんかんの後遺障害等級

1 級 1 号

てんかん発作のため、常時介護を要するもの、

2 級 1 号

十分な治療にかかわらず、意識障害を伴う発作を多発、平均して週に 1 回以上するもの、

3 級 3 号

十分な治療にかかわらず、発作に伴う精神の障害のため、終身労務に服することができないもの、

5 級 2 号

十分な治療にもかかわらず、発作の頻度または発作型の特徴などのため、一般平均人の 4 分の 1 程度の労働能力しか残されていないもの、

「てんかんの特殊性からみて、就労可能な職種が極度に制限されるもの、」

7 級 4 号

十分な治療にもかかわらず、 1 ヶ月に 1 回以上の意識障害を伴う発作があるか、または発作型の特徴のため、一般平均人の 2 分の 1 程度の労働能力しか残されていないもの、

「てんかんの特殊性からみて、就労可能な職種が著しく制限されるもの、」

9 級 10 号

抗痙攣剤を内服する限りにおいては、数ヵ月に 1 回程度若しくは完全に発作を抑制しうる場合、または発作の発現はないが、脳波上明らかにてんかん性棘波を認めるもの、

「通常の労働は可能であるが、その就労する職種が相当な程度に制限を受けるもの」

12 級 13

発作の発現はないが、脳波上に明らかにてんかん性の棘波を認めるもの、

( 1 )過剰な心配を必要としないもの

過剰な心配を必要としないもの、
被害者がお子様の場合で、脳挫傷の傷病名、しかし、頭蓋骨陥没骨折が認められておらず、事故後の意識障害も軽度なものは、まず安心してください。
治療は、抗痙攣剤の内服と 3 〜 6 ヵ月ごとの脳波検査によるチェックに限られます。
主治医は、
将来、外傷性てんかん発作を発症する可能性があること、
脳波の安定が得られるまでは、抗痙攣剤を内服し続けなければならないこと、
この内服が、何年続くかの見通しは不明であること、
内服していても、てんかん発作を起こす可能性のあること、
抗痙攣剤の内服を続けている期間は、妊娠を避けなければならないこと、
常に、大袈裟に説明されています。

’焦箸砲討鵑ん波を示すスパイク波が認められていない? 

脳波上、大きな異常が認められなくても、予防的に抗痙攣剤の内服が指示される場合が大半です。 
脳波上の異常が確認されていないのであれば、てんかん発作につながる可能性は、基本的にはありません。 
この場合は、予防的に 6 ヵ月程度の抗痙攣剤を内服し、 3 ヵ月ごとに脳波検査を受けます。 
脳波上、異常が認められなければ、内服を停止し、さらに 3 ヵ月ごとに 2 回の脳波検査を行って、治療終了です。 後遺障害等級が認定されることは、ありません。

脳波検査で、境界波と説明された場合?

脳波検査で、α波や徐波が認められる場合、この説明がなされます。
やはり、抗痙攣剤を内服して 3 ヵ月ごとの脳波検査を受けます。 
脳波検査で異常波の消失を確認した時点で、内服を停止し、更に 3 ヵ月ごとに 2 回の脳波検査を行って、変化がなければ、治療終了です。
このケースも、後遺障害等級が認定されることは、ありません。

( 2 ) 治療先を選択して万全の体制でフォローするもの

,討鵑ん発作は、発症していないが、脳波検査で、てんかん波のスパイク波が認められる?

このレベルから、後遺障害等級の対象となります。
抗痙攣剤を内服し、 3 ヵ月ごとに脳波検査を受けます。
内服をキチンと守って、過激な運動を控えていれば、まず、てんかん発作の心配はありません。
スパイク波の終息時点で、抗痙攣剤の投与量を少なくしながら、更に 3 ヵ月ごとに脳波検査を受けます。 
2 回の脳波検査でスパイク波が認められない場合は、内服を停止、さらに 3 ヵ月ごとの脳波検査でチェック、私の経験則では、治療を完了するのに、約 3 年、最大で 5 年を要しています。
必ず、脳波は正常に復帰しますので、このケースでも、過剰な心配は必要ありません。

受傷後 6 ヵ月を経過して、スパイク波が認められる状況では、後遺障害等級は 12 級 13 号が認定されます。 
多くの保護者は、脳波が安定するまで示談をしない選択をなされますが、私は、この時点で症状固定とし、後遺障害等級の獲得をするべきと主張しています。

将来の治療費については、示談書で、その負担を保険屋さんに求めることが可能です。
毎日の内服と 3 ヵ月ごとの脳波検査を繰り返すだけの治療であっても、学校で体育に参加できないこともあって、お子さんのストレスは増加、てんかん発作に悪影響を与えかねません。 
であれば、早期に示談解決とし、そこで手に入れた賠償金をストレスの発散に費消してはいかがか? 
これが前向きな解決と考えています。

内服を継続しているが、意識障害を伴うてんかん発作を発症している?

深刻なケースで、てんかん発作の頻度と、脳細胞の破壊の程度で、 1 〜 7 級の後遺障害等級が認定されます。 
てんかん発作の繰り返しは、周辺の正常細胞を破壊し続けるので、どうしても食い止めなければなりません。

この場合の治療先は、医大系の脳神経内科もしくは神経内科を選択しなければなりません。
代表的な抗痙攣剤は、デパケン R ですが、発作を抑える必要からカルバマゼピンやフェニトイン等の複数の抗痙攣剤の組み合わせが必要です。 
また、抗痙攣剤の長期的な内服は、肝機能に影響を与えますから、血中濃度を確認しながら、総合的な内科フォローが必要となるのです。 
これらの総合的な治療が展開出来るのは、やはり医大系の総合病院となります。

このようなケースであっても、私は受傷後 1 年を経過した時点で症状固定とし、後遺障害等級を確定させるべきと考えています。

てんかん発作を繰り返している状況では、被害者の行動に大きな制限が生じます。
家から外に出るにも、いつ発作が起きるかもしれないので、常に家族の介助が必要となります。
車の運転は禁止されており、もちろん、 1 人でバスや電車にも乗れません。
就労も決定的に不可能な状態です。 
示談締結を延ばして治療に専念しようと考えても、それを認めて休業損害を払い続ける保険屋さんは少数です。
家族や職業介護人の介護料は、示談締結を前提に提示されています。
いずれにしても、被害者や家族が、静かで落ち着いた療養環境の中で、てんかん発作と向き合いつつ、治療に専念する状況は作れません。

この状況では、てんかん発作に伴って、知能低下、性格変化、人格低下を来していますので、後遺障害の認定に当たっては、高次脳機能障害のプログラムで立証をしなければなりません。


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