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交通事故外傷と後遺障害


■第5節:神経系統の機能または精神の後遺障害click!

■1:神経系統の機能または精神の障害click!

■2:頭部外傷による障害click!

■3:外傷性てんかんclick!

■4:頭痛click!

■5:失調、めまい、平衡機能障害click!

6:疼痛性感覚異常

第 5 節 神経系統の機能または精神の後遺障害

 

6 疼痛性感覚異常

RSD ・ CRPS 総論

交通事故で手足を切断! この話はよく聞きますが、結果、被害者が出血多量で亡くなった?
この話はほとんど聞きません。

事故外傷が発生すると、交感神経の緊張(反射)が高まり、神経伝達物質、アドレナリンを放出、アドレナリンには血管を収縮させる作用があり、これにより出血を止めているのです。
さらに、四肢の血管は収縮し、腫脹を防止します。
医学の常識では、外傷が治癒に向かうと、交感神経の反射は消失、正常な働きに戻ります。

では、交感神経反射が消失せずに続いた場合はどうなるのでしょうか?
アドレナリンが放出され続けることにより、血流障害を起こします。

血液は全身の細胞に酸素と栄養を送り、老廃物や不要なものを回収しているのですが、血流障害により、細胞に必要な栄養は届かず、老廃物はたまる一方となります。

交感神経が緊張しているときは副交感神経の働きは抑えられます。
副交感神経は臓器や器官の排泄や分泌を担当しています。

便や尿の老廃物の排泄、ブドウ糖を利用するときに必要なインスリン、つまりホルモンや消化酵素やタンパク質の供給が著しく低下し、身体は循環不全を起こすのです。

白血球は、顆粒球+リンパ球+単球で構成されているのですが、交感神経優位のときは顆粒球が活躍しています。 
顆粒球は血液の流れに乗り全身をパトロールしています。 

体内に侵入した細菌や細胞の死骸を食べて分解し身体を守っているのです。
食事や休憩をしているときは、副交感神経優位となりリンパ球が活躍しています。
交感神経の緊張状態が続くと、顆粒球が増え続けます。
顆粒球は活性酸素を放出し、その強力な酸化力で細胞を殺傷することになります。

交感神経の暴走により、
血流障害
排泄・分泌機能の低下
活性酸素による組織破壊

これらの状況が長期間続いたことにより、灼熱痛を生じるものが、 RSD と説明されています。

ところが、交感神経ブロックの療法を行っても全く無効の症例が報告されており、交感神経の関与しない痛みが存在することが明らかになってきました。
そこで、 1994 年に世界疼痛学会、 IASP でこれらの類似した症状を呈する疾患を CRPS ( complex regional pain syndrome )複合性局所疼痛症候群と呼ぶことになりました。

CRPS (複合性局所疼痛症候群)の分類

Type

SMP ( sympathetically maintained pein ) 交感神経関与

SIP ( sympathetically independent pain ) 交感神経非関与

Type

SMP ( sympathetically maintained pein ) 交感神経関与

SIP ( sympathetically independent pain ) 交感神経非関与

RSD に関する最近の裁判例

RSD の判例傾向

期間・地裁名

平成 11 年 2 月 16 日〜平成 17 年 1 月 10 日

訴えの件数

25 件( RSD 認定が 13 、△が 4 、×が 8 )

認・否

認 24 件、否 1 件

等級別内訳

7 級 -3 、 9 級 -6 、 12 級 -9 、 14 級 -5 、 90 % -1

訴因減額

65 〜 10 %まで 13 件

平成 16 年 7 月 28 日、名古屋地裁判決
追突による頚部挫傷後、 RSD となった 26 歳女性に対して、保険屋さんは被害者の行動や発言を捉えて心因性関与の素因減額を主張しました。 

これに対して名古屋地裁は、これらの行動や発言は、事故時から 1 年半を経過した症状固定時のものであり、当時、被害者には左上肢の RSD の症状が継続しており、加えて新たに左下肢に疼痛の症状が現れ増悪している状態であったこと、交通事故の被害者の治療が長期化し、補償交渉が進展しない場合には、精神的にも不安定な状態に至ることは衆知の事実であること、これに RSD の有効な治療法が確立されていないことを併せれば、原告の RSD の発症が精神的素因に起因すると認めることはできないと判示しました。

上記の判例から学習できることは、
医師の診断により、 RSD が立証されていることがポイントになります。
上記 25 件の裁判例では、 RSD が立証されているものが 13 件に過ぎません。
12 件があやふやな立証で、結果、 8 件が RSD を否定されています。
したがって、 CRPS 、 RSD は立証の困難な傷病名ですから、高度な専門医を発見し、その専門医に治療と立証をお願いしなければなりません。

裁判では、保険屋さんは心因性関与の大合唱で、素因減額を主張します。

CRPS 、 RSD では、例外なく治療が長期化します。
主治医に疼痛を訴えても、 RSD の確定診断ができないレベルであれば、「その内、治る?」と、結局は面倒になって心療内科や精神科に振られます。 
心療内科や精神科の医師で RSD を理解しているのは極端に少数です。 
一般的には神経症、不眠症、うつ状態と診断がなされます。
これらを根拠に、被害者の訴えには心因的素因があるとして、大幅な減額が主張されるのです。

保険屋さんによっては、 RSD の発症は身体的・心因的素因が影響するものであり、 RSD との傷病名であれば、その傷病名が素因減額の対象となる?と、実に乱暴な主張がなされています。
被害者は漫然治療に終始するのでなく、やはり早期に専門医を発見、治療を続ける必要があります。

コラム  RSD 、カウザルギー、 CRPS を熱く語る?

最近、 CRPS の認知度が上昇しており、このことは患者の一人として、うれしい限りです。
ですが、その分だけ、間違いも多発しています。
右下肢の灼熱痛で七転八倒の私ですが、間違いは、ほとんどが医師の知識の乏しさを原因としており、「バカヤロー」疼痛に震えながらも、激怒しているのです。
そして、私にとっては、激怒がさらに症状を悪化させており、つくづく困り果てています。

間違いは、 CRPS のタイプ とタイプ 兇波生しているのですが、簡潔に説明します。
タイプ は RSD 、タイプ はカウザルギーと言われており、このことを正しく認識してください。

ところが、整形外科の治療最前線では、どれが RSD で、どれがカウザルギーか、明確な区別がなされておらず、モツの煮込み状態で、ゴチャゴチャとされているのです。

医学上の定義では、 RSD 、カウザルギーの最も重要な鑑別点は、
/牲仟蚕の存在が不明確な時には、 CRPS タイプ 機 RSD と診断されています。
⊃牲仟蚕が明らかである場合には、 CRPS タイプ 供瓮ウザルギー と診断されるのです。

ところが、骨折という神経損傷があるのに RSD と診断されている?
ただの神経損傷なのにカウザルギーと呼ばれている?
これらが混然一体とされて、難治性疼痛症候群が診断・治療されているのです。

私が心酔している専門医=この領域の第一人者は「整形外科医で CRPS が理解出来るのは、残念ながら 20 %あるかないかのレベルです?」と、説明しておられます。
ミヤオさんの言葉を借りるなら、残りの 80 %はみんなポンスケです。

私は、この医大にたどりつく前は、それなりに有名な医大系の整形外科で治療を受けていました。
むち打ち?下肢の疼痛?この原因を突き止められない医師が導き出した結論は、気のせい?で、真面目に通院していましたが、私の顔も見たくない雰囲気でプシコ呼ばわりをされ、心療内科に放逐され、抗うつ剤を処方されていました。

プシコとは、医師仲間の隠語で、 phyco consult =言葉通りであれば精神科で対応すべき患者ですが、私のケースでは、ほぼ完璧に、キ印、金印のわさびではなくキチガイ扱いです。
このキ印医大 整形外科は難治性疼痛症候群すら承知していなかったのです。
私は、現在、その医大の方角に足を向けて寝ています。
屁もその方角に向けて発射することに、人一倍の努力を傾注しています。

まあ、冗談はともかく、幸い、今はマル優医大の専門医に RSD 、 CRPS タイプ気反巴任気譟患者として対応されています。

CRPS タイプ機 RSD 、 CRPS タイプ供瓮ウザルギーで苦しんでいる皆様、これらを治療できるのは医大系のペインクリニックもしくは麻酔科であることを正しく理解してください。

理学療法・作業療法でタブーは、無理に動かしてはならないことです。
まったく逆効果で、症状は進行するのです。
しかし、できる範囲内で、皮膚を軽くマッサージすることは治癒効果を高めると言われています。
摩擦により血中に含まれる栄養や酸素を患部にまで供給することができるのです。
私も、これを心掛けています。ただし、無理押し、無理こすりはやめてください。
こういったことを理解する、患者も勉強しなくてはなりません。

CRPS タイプ機 RSD に苦しむ被害者からの投稿です。
痛みを笑いに変換して、必死に頑張っています。

● RSD ・カウザルギー全国 13 の専門医

1 名称 駿河台日本大学病院
所在地 〒 101-8309  東京都千代田区神田駿河台 1-8-13
TEL 03-3293-1711
医師 麻酔科、ペインクリニック 小川節郎教授 
「 RSD の診断と治療」 賠償科学 No.26  小川節郎
「神経ブロックの効果を中心に」  Pain Clinic Vol.10 No.5  小川節郎、佐伯茂、鈴木太
「第 17 回日本臨床麻酔学会総会  RSD の診断と治療」 日臨麻会誌 Vol.18No.2  小川節郎
「 CRPS ( RSD )の診断と治療方針」  Orthopaedics Vol.18 No.6  小川節郎
「ペインクリニックの立場から」 臨床整形外科 38 巻 11 号 小川節郎

2 名称 川崎市立 川崎病院
所在地 〒 210-0013  川崎市川崎区新川通 12-1
TEL 044-233-5521
医師 堀内行雄 副院長 
「反射性交感神経性ジストロフィー(萎縮症) - 特にその原因・病態について - 」賠償科学 No.26  堀内行雄
「反射性交感神経性ジストロフィー reflex sympathetic dystrophy 」 手の外科学 第 1 版 堀内行雄
「交通外傷後の遷延痛」  Pain Clinic Vol.23  堀内行雄、木原未知也
「反射性交感神経性ジストロフィーの病態」 整形・災害外科 Vol.145 No.13  内西兼一郎、堀内行雄
「上肢における RSD の治療 - 手術症例を中心に」 臨床整形外科 38 巻 11 号 堀内行雄、菊池淑人、高山真一郎、仲尾保志、池上博泰、中村俊康、内西兼一郎

3 名称 順天堂大学医学部附属 順天堂医院
所在地 〒 113-8431  東京都文京区本郷 3-1-3
TEL 03-3813-3111
医師 麻酔科・ペインクリニック 宮崎東洋 主任教授
「考え方および治療法の変遷」  Pain Clinic Vol.10 No.5  宮崎東洋、徳田秀光

4 名称 北神経内科 平山記念クリニック
所在地 〒 153-0064  東京都目黒区下目黒 5-16-16
TEL 03-5768-1235
医師 北 耕平 院長 
「反射性交感神経性萎縮症の診断と治療 - 痛みを中心として - 」 神経内科治療 Vol.7No.3 北耕平、平山恵造

5 名称 筑波大学付属病院
所在地 〒 305-8576  茨城県つくば市天久保 2-1-1
TEL 029-853-3570
医師 整形外科 落合直之教授、西浦康正講師
「反射性交感神経ジストロフィーの症状と診断」 整形・災害外科  Vol.45 No.13  西浦康正、落合直之

6 名称 済生会神奈川県病院
所在地 〒 221-8601  横浜市神奈川区富家町 6-6
TEL 045-432-1111 FAX 045-432-1119
医師 整形外科 佐々木孝
「反射性交感神経性ジストロフィー( RSD )」 末梢神経損傷診断マニュアル 佐々木孝

7 名称 はじりペインクリニック
所在地  〒 236-0037  横浜市金沢区六浦東 3-1-27
TEL 045-790-3335
医師名 院長 羽尻 悦朗 先生
奥様は駿河台日大病院 ペインクリニックの勤務医です。

8 名称 山梨大学医学部付属病院
所在地 〒 409-3898  山梨県中巨摩郡玉穂町下河東 1110
TEL 055-273-1111 FAX 055-273-6768
医師 整形外科 診療科長 浜田良機 教授、 
「 CRPS type1 ( RSD )の症状と診断基準」  Orthopaedics Vol.18No.6  浜田良機、戸島忠人、渡邉寛、穴山聡

9 名称 水嶋クリニック
所在地 〒 385-0052  長野県佐久市大字原 56-7
TEL 0267-63-5353
医師 水嶋丈雄 大阪医科大卒、故兵藤 正義教授の門下生、西洋医学と東洋医学の融合
「免疫革命・実践編」 講談社インターナショナル

10 名称 大阪大学医学部付属病院
所在地 〒 565-0871  大阪府吹田市山田丘 2-15
TEL 06-6879-5111
医師 麻酔科教授 真下節(マシモ タカシ)
「 Complex regional pain syndrome ( CRPS )の病態 日本臨床 59 巻 9 号 真下節

11 名称 稲田病院
所在地 〒 630-8131 奈良市大森町 46
JR 奈良駅、近鉄奈良駅、市内循環バス内回り大森町下車
0742-23-8815 、 FAX0742-24-0645
医師 稲田 有史
奈良医大麻酔科ペインクリニックにて、隔週木曜日の午前中にカウザルギー専門外来を開設、
奈良医大にて、神経移植術を実施、

12 名称 福岡大学
所在地 〒 814-0180 福岡市城南区七隅 7-45-1
TEL 092-801-1011
FAX 092-862-8200
医師 麻酔科 診療部長 比嘉 和夫教授
日本ペインクリニック学会会長で、理学療法治療、薬物治療のスペシャリストです。
http://www.hop.fukuoka-u.ac.jp/

13 治療先 北九州市立医療センター
所在地 〒 802-0077 北九州市小倉北区馬借 2-1-1
TEL 093-541-1881
FAX 093-533-8693
医師名 麻酔科 眞鍋 治彦主任部長
http://www.city.kitakyushu.jp/page/hospital/center/

学位論文等を拝見する限り、 駿河台日本大学病院  麻酔科、ペインクリニックの小川節郎教授と 川崎市立 川崎病院の 堀内行雄 副院長が双璧、日本における CRPS 、 RSD の権威です。
順天堂医院の宮崎東洋主任教授は、小川節郎教授の大先輩とのことです。

これ以外にも、専門医はたくさんおられます。
地元の治療先の麻酔科、ペインクリニック、整形外科を中心にインターネットで検索してください。
今回ご紹介した治療先は、交通事故 110 番とは何の関係もありません。
学位論文を中心に、勝手に選択したものです。
受診にあたっては、そのことをシッカリお含みおきください。

Lankford と Thompson による RSD の病型分類

病型分類

内容

.泪ぅ福璽ウザルギー

遠位の知覚神経の損傷により発症する症状の軽い RSD 、

⊂外傷性ジストロフィー

神経損傷のない小外傷によって生じる RSD 、

8手症候群

肩甲部、頚部、胸部外傷を原因として発症、頚部椎間板ヘルニアも原因となりうる。

症状は、肩の疼痛と硬直で始まり、上肢全体に拡がり、腫脹、運動時痛、末梢の関節拘縮が出現、手指は伸展位となり、手は灰白色、皮膚温は低下、発汗は減少する。

ぢ膤綾性ジストロフィー

橈骨遠位端骨折、手の挫滅、手根管症候群等を原因として発症、神経損傷は認められないが、症状が強く、発生頻度が高い。 疼痛、腫脹、関節硬直が顕著で骨萎縮は手・手関節・前腕に及び程度も強い。指関節、手関節は屈曲位となる。

ゥ瓮献磧璽ウザルギー

神経の部分損傷を原因とするもので、症状がもっとも強い。 脊髄の横断型損傷でも発症が認められている。 疼痛は損傷神経の支配領域から始まり、程なく患肢全体に及ぶ。

後期には皮膚組織や筋の萎縮が高度となり、光沢のある皮膚となる。

Lankford の病期の分類

期間

症状

ステージ 1
急性期( 1 〜 3 ヵ月)

初期は外傷相応の疼痛でも次第に灼熱痛となる。疼痛は運動で増強し間欠性から持続性に移行、腫脹は軟らかく、皮膚は発赤、皮膚温は上昇、発汗が多く 1 ヵ月頃から XP に骨萎縮像が確認される。

ステージ 2
亜急性期( 3 〜 9 ヵ月)

灼熱痛は激甚となり、腫脹は硬く、関節は拘縮、皮膚は蒼白で乾燥を示す。 皮膚の萎縮が始まり、骨萎縮は全体に均一化してくる。

ステージ 3  晩期
( 9 ヵ月〜 2 年)

灼熱痛はわずかな改善が得られるが、関節拘縮と皮膚の萎縮により可動性が失われる。皮膚は蒼白で皮膚温は低下、冷たく乾燥する。骨萎縮も増強し、患肢全体は用廃状態を示す。

診断基準

IASP (世界疼痛学会)の CRPS 診断基準

CRPS タイプ

CRPS の誘因となる侵害的な出来事あるいは固定を必要とするような原因があったこと、

∋続する疼痛があるか、 allodynia あるいは hyperalgesia の状態があり、その疼痛が始まりとなった出来事に不釣り合いであること、

7于畸罅≡崢防位に、浮腫、皮膚血流の変化、あるいは発汗異常のいずれかがあること、

め崢砲箋’宿堊瓦猟度を説明可能な他の病態がある場合、この診断は当てはまらない、

注意 診断基準 2 〜 4 を必ず満たすこと
allodynia  非疼痛性刺激による疼痛発作
hyperalgesia  安静時に悪化する痛覚過敏

CRPS タイプ

/牲仟蚕があって、その後に持続する疼痛、 allodynia あるいは hyperalgesia のいずれかの状態があり、その疼痛が必ずしも損傷された神経の支配領域に限られないこと、

経過中、疼痛部位に、浮腫、皮膚血流の変化、発汗異常のいずれかがあること、

a崢砲箋’宿堊瓦猟度を説明可能な他の病気がある場合、この診断は当てはまらない、
注意 診断基準 銑を必ず満たすこと、 

 

Kozin らの RSD の診断基準

definite RSD

四肢の疼痛と圧痛、血管運動障害の症状と徴候(皮膚温・皮膚色調の変化)、四肢の腫脹(しばしば関節周囲に目立つ)の 3 つがある状態(皮膚栄養障害が通常、存在する)

probable RSD

四肢の疼痛と圧痛があり、血管運動障害の症状と徴候または四肢の腫脹がある状態(皮膚栄養障害がしばしば存在する)

possible RSD

血管運動障害の症状と徴候または四肢の腫脹がある状態、疼痛はないが、軽い圧痛があるかもしれない(皮膚栄養障害がときに存在する)

doubtful RSD

四肢に説明できない疼痛と圧痛がある状態、

 

Gibbons の RSD スコア

項目

陰性

擬陽性

陽性

allodynia  または hyperalgesia

0

0.5

1

⊆淒痛

0

0.5

1

I蘯

0

0.5

1

と乕罎凌調あるいは発毛の異常(蒼白・光沢・脱毛)

0

0.5

1

ト汗異常(過多・減少)

0

0.5

1

θ乕羃垢琉枉錙閉祺次上昇)

0

0.5

1

XP 上の骨萎縮像(ズディック骨萎縮)

0

0.5

1

┠豐姫親鮎祿押淵譽ぅ痢叱従檗ξ箚供紅潮)

0

0.5

1

骨シンチグラフィーの異常所見(集積像)

0

0.5

1

交感神経ブロックが有効

0

0.5

1

合計  3 点未満 RSD でない、 3 〜 4.5 点 可能性  5 点以上 RSD

 

 

 

従来は、 Gibbons の RSD スコアに限定した立証がなされていましたが、 IASP 、世界疼痛学会の CRPS 診断基準と Kozin らの RSD の診断基準が追加されています。
今後は、これらの 3 つの診断基準のすべてで立証する必要があります。

立証に必要な検査

検査法・補助的診断法

=崢砲猟度

VAS ( visual analog scale )、 pain scale

知覚測定

Neurometer (末梢神経検査装置)

腫脹・浮腫の程度

周囲径の測定、圧痕の有無、指尖容積脈波(プレチスモグラフィー)

と汗の程度

櫻井式測定紙

ト乕罎侶賣状態

サーモグラフィー、レーザードップラー検査

骨萎縮の程度

単純 XP 、三相性骨シンチグラフィー検査で骨破壊や骨形成のある部位を特定する、
特にテグネシウムを静注して 3 時間後に撮影する delayed image は RSD の立証に有意、

Э牲仂祿押Χ敍の活動状態

手指のグリップ時の動作筋電図、肩関節外転時の筋電図等、バラエティに富んだ筋電図検査、

Nliro 調査事務所と労災保険の考え方

CRPS 、 RSD の症状は、疼痛、腫脹、関節拘縮、栄養障害による皮膚変化が 4 大徴候であり、他に末梢循環不全、発汗異常、骨萎縮、筋萎縮、手掌腱膜炎の症状が現れることがあるが、 IASP (世界疼痛学会)の常識です。

労災保険は、障害認定必携で、
1関節拘縮が認められること、
2 骨萎縮が確認できること、
3 皮膚の変化(皮膚温の変化、皮膚の萎縮)が確認できること、

上記の主要な 3 つの症状を要件とし、健側と比較して明らかに認められる場合に限って、後遺障害を認定するとしています。

CRPS 、 RSD の後遺障害等級

7 級 4 号

軽易な労働以外の労働に常に差し支える程度の疼痛があるもの、

9 級 10 号

一般的な労働能力は残存しているが、疼痛により時には労働に従事することができなくなるため、
就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの、

12 級 13 号

労働には通常差し支えがないが、時には労働に差し支える程度の疼痛が起こるもの、

 

受傷部位の疼痛の後遺障害等級

12 級 13 号

労働には差し支えがないが、ときには強度の疼痛のため、ある程度差し支える場合があるもの、

14 級 9 号

労働には差し支えがないが、受傷部位に殆ど常時疼痛を残すもの、

Nliro 調査事務所も労災保険と同じ運用をしています。
さて、 CRPS 、 RSD に伴う疼痛と関節の機能障害は、通常派生する関係にあるところから、関節機能障害が認定され、併合されることはないとされてきました。
しかし、労災保険はこの考えを改め、関節機能障害と比較して上位の等級を認定しています。

左手中指の指骨の一部を切断、 14 級 6 号が認定された被害者ですが、その部位に RSD を発症、症状は拡大して左手指の用廃に至りました。
その時点で、労災保険は RSD として 7 級 4 号を認定しています。
その後、症状は拡大を続け、手関節+肘関節の用廃に至りました。
障害認定申請を行った結果、 1 上肢の 3 大関節中の 2 関節の用廃を認め、 6 級 6 号となりました。
今後、 Nliro 調査事務所も、この考えを踏襲するものと考えています。

治療法? 

CRPS RSD に有効な治療法

非ステロイド系消炎鎮痛剤

( NSAIDS )

発生初期、痛みが悪循環に陥る前に投与、発熱指令の物質プロスタグランディンの合成阻害の働きをするが絶対的な効果ではない、

「薬物療法と温冷交代浴」 水関隆也 整形・災害外科  Vol. 45 2002
「反射性交感神経性ジストロフィーの治療」 生田義和 関節外科 Vol.22 2003

早期ステロイド療法

初期 RSD に対してステロイドの経口・静注投与を行う。浮腫が明かな症例では期待できるが、拘縮が完成された症例では困難、

「早期ステロイド療法と手術療法の適応」古瀬洋一 整形災害外科  Vol..45 2002

ノイロトロピン療法

「薬物療法と温冷交代浴」 水関隆也 整形・災害外科  Vol. 45 2002
「 RSD の治療」 生田 義和 関節外科 Vol.22 2003
「上肢の疼痛性疾患 (RSD) 」 宗重博 新図説臨床整形外科講座 Vo.l6 1995

交感神経遮断薬

レセルピン、グアネチジンの経口投与、強力な降圧剤であるが、副作用として眩暈、倦怠感、眠気、起立性低血圧があり注意が必要、

「薬物療法と温冷交代浴」 水関隆也 整形・災害外科  Vol .45 2002

ドラッグチャレンジテスト

SMP と SIP を鑑別するフェントラミンテスト、モルヒネテスト、バルビツレート、ケタミン、リドカイン等を少量ずつ静注して反応を観察するテスト、

「 Drug challenge test と各種神経ブロック」小川節郎 整形災害外科 Vol..45 2002

星状神経節ブロック (SGB)

ペインクリニックで幅広い疾患に利用、頚胸神経節=星状神経節に局所麻酔剤や抗炎症剤を注入、交感神経の機能を抑える。見た目は注射であるが、治療費は手術料として請求される。医師の腕によって効き目が左右される。経験の少ないビビリの医師を選択しては駄目、

「 RSD 整形外科痛みへのアプローチ 5 」 石橋徹  1998
「反射性交感神経性ジストロフィーの治療」 生田義和 関節外科 Vol.22 2003
「上肢の疼痛性疾患 (RSD) 」 宗重博 新図説臨床整形外科講座 Vol..6 1995


レーザーや近赤外線を星状神経節に照射して痛みを和らげる、

「反射性交感神経性ジストロフィーの治療」 生田義和 関節外科 Vol.22 2003
「肩手症候群に伴う拘縮」 江刺家修 理学療法 Vol.12 1999

硬膜外ブロック

頚部・胸部に持続硬膜外カテーテルを留置し、ノイロトロピン等の局麻剤を注入、

「 RSD 整形外科痛みへのアプローチ 5 」 石橋徹  1998

胸部交感神経遮断術

フェントラミンテスト陽性、星状神経節ブロックが効果を示すも持続時間が短い症例に対して、外科的に胸部交感神経を切除する。

「薬物療法と温冷交代浴」 水関隆也 整形災害外科  Vol. 45 2002

理学療法

温熱療法(渦流浴、交代浴、超音波、マッサージ)温水 42 ℃で 3 〜 4 分、冷水 10 ℃を 30 秒〜 1 分、これを 4 、 5 回繰り返して温熱で終了する交代浴が除痛効果に優れている。浮腫の除去には、患肢の高挙、圧迫包帯、空気マッサージ、可動域の改善には、自動運動、ハンドセラピー、屈曲バンド、エラスコット、ハンドスプリントによる持続的伸長、筋力強化を行う。
その他としては、 TENS レーザーや近赤外線の光線療法がある。

「理学療法と治療効果の判定」 岡島誠一郎 整形・災害外科  Vol.45 2002
「反射性交感神経性ジストロフィーの治療」 生田義和 関節外科 Vol.22 2003
「肩手症候群に伴う拘縮」 江刺家修 理学療法 Vol.12 1999
「上肢の疼痛性疾患 (RSD) 」 宗重博 新図説臨床整形外科講座  Vol.6 1995

向精神薬

被害者の不安や苛立ちを少しでも緩和する目的で抗不安薬、抗うつ薬を投与、

「薬物療法と温冷交代浴」 水関隆也 整形・災害外科  Vol. 45 2002
「反射性交感神経性ジストロフィーの治療」 生田義和 関節外科 Vol.22 2003

早期発見・早期治療以外に有効な手立てはないと考えてください。 
治療法は、神経ブロック療法が代表的です。 
星状神経節・硬膜外・神経根・交感神経節・局所神経・局所静脈内交感神経ブロックがありますが、局所静脈内交感神経ブロックが注目されています。
薬剤が全身に回らないように近位部を緊迫した状態で静脈から副腎皮質ホルモン・交感神経遮断薬・局所麻酔剤を注入する方法で、 IRS と呼ばれています。

薬物療法は、副腎皮質ホルモン・抗うつ剤(アミトリプチリン)・鎮痛鎮静、抗アレルギー剤、ノイロトロピン R ・麻酔剤、ケタラール・抗痙攣剤、フェニトイン・降圧剤、ニフェジピンが投与されます。
理学療法としては、温冷交代浴・可動域訓練・装具療法・経皮的通電神経刺激法、 TENS が行われます。

●ニューロ電気刺激装置埋め込み術

ニューロ電気刺激装置埋め込み術

治療先名

たつの市立 御津病院

所在地

〒 671-1131 兵庫県たつの市御津町中島  1666

TEL

07932-2-1121 FAX07932-2-3177

医師

麻酔科 病院長 木下 修 先生

手術療法は、内視鏡による交感神経切断術、硬膜外脊髄電気刺激法が考えられます。
後者は電気刺激発生器、心臓のペースメーカーのようなものを体内に埋め込み、脊髄に弱い電流を流して痛みを和らげるもので平成 4 年より健康保険適用となっています。
ご相談の被害者が、姫路赤十字病院の紹介で、上記、たつの市立御津病院 麻酔科で木下修 病院長執刀による電気刺激装置埋め込み術を受けました。

この被害者は、平成 15 年 7 月、追突による交通事故受傷で外傷性頚部症候群と診断、治療が始まりましたが、症状は右上肢の疼痛や脱力感に発展、右胸郭出口症候群の疑診となりましたが、疼痛、右手の変形と手関節や肩関節の拘縮等が進行し、最終的には右肩上肢の CRPS と診断、疼痛に対しては、ドラッグチャレンジテスト、星状神経節ブロック療法が続けられました。

相談を受けたのは、この頃ですが、通勤途上であったので、労災保険の通勤災害の申請を優先しました。
埋め込みを前提とした外付け試験で疼痛緩和の効果が得られたところから、上記の治療先で平成 17 年 11 月、日本メドトロニック株式会社の「ニューロ電気刺激装置」の埋め込み術を受けました。 

被害者の現状は、疼痛には何の変化もないが、耐えられないときはスイッチを入れ、脊髄にパルスを送ることによって疼痛の緩和が得られ、何より鎮痛剤の内服をストップできたのが最大の効果で食事が美味しくなったと説明されています。

積極的な疼痛緩和策として、有効な治療法と考えます。
外付け試験で疼痛緩和の効果が得られるのか?チャレンジすべきです。

最後に心因性に対するアプローチです。
痛みには、被害者の精神状態も大いに関係すると言われており、うつ傾向や、心の障害が身体に出やすい心身症傾向の被害者ほど症状は強く出てきます。

痛みの刺激は常時あるのに、痛みを感じるときと感じないときがあります。
これは、痛みを抑える物質、エンドルフィンが中脳から脊髄に分泌されるためで、腹を立てたり、不安やうつ気味の場合は、この効果はなくなり、痛みは強くなるのです。
したがって、心理的なカウンセリングや三環系抗うつ剤の投与等の総合的な治療が必要となります。

一般的にはこれらの組み合わせで発病 1 年以内であれば 60 %の被害者が日常生活に影響がない程度にまでに改善すると言われておりますが、逆に、これだけの治療法が混在しているということは、どれ一つとっても決定的でない、つまり難治性に違いないな?根性の曲がった私は考えてしまいます。

時間の経過とともに、保険屋さんの強烈な打ち切り交渉も開始され、精神的な要素が複雑にからみ簡単には治らなくなり、状況は大変深刻になります。

痛みのスケール

痛みのレベルは、被害者の感受性に左右されやすく、言葉や文字による説明だけでは、主治医に対しても、客観的な理解が得られません。
そこで、 3 種類の痛みのスケールを紹介しておきます。
ガン患者と医療スタッフの間で、実際に使用されているものです。

( 1 ) NRS = Numerical Rating Scale 、数値的評価スケール、

「最大の痛みを 10 とした場合、今の痛みはどのあたりですか?」
痛みが全くない状態を 0 、患者が想像できる最大の痛みを 10 で表します。

( 2 ) VRS = Verbal Rating Scale 、カテゴリースケール

「今の痛みは、どの程度ですか?」
痛みを、なし、軽度、中程度、強度、最悪の 5 段階で表示します。

( 3 )フェイススケール

「今の痛みに、最も当てはまる顔はどれですか?」
6 段階の顔の表情から選択します。

3 つのスケールで痛みを説明、痛みのレベルについて、より客観性を持たせます。

CRPS 、 RSD 、頭痛の被害者は、毎日、朝食後と夕食後の 2 回、定時に、これを観察、その日の天候とともにメモをとります。その後の被害者請求では、これが客観的な資料として評価されます。

 


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