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交通事故外傷と後遺障害


■第5節:神経系統の機能または精神の後遺障害click!

■1:神経系統の機能または精神の障害click!

■2:頭部外傷による障害click!

■3:外傷性てんかんclick!

■4:頭痛click!

■5:失調、めまい、平衡機能障害click!

■6:疼痛性感覚異常click!

■7:脊髄損傷click!

8:外傷性頚・腰部症候群

第 5 節 神経系統の機能または精神の後遺障害

 

8 外傷性頚・腰部症候群

外傷性頚・腰部症候群( traumatic cervical syndrome ) TCS の総論

「むち打ちでは、後遺障害がとれない?」 保険屋さん、お医者さんの決まり文句です。
果たしてそうなのか?

外傷性頚・腰部症候群= TCS は、現在でも、交通事故後遺障害の最大勢力です。
よそは知りませんが、交通事故 110 番では、ほとんどの被害者が等級をゲットしています。
ここでは、 TCS について、科学的、合理的なアプローチを試みます。

TCS の 5 分類

〃曄腰部周辺の筋肉や靭帯の軟部組織の炎症に止まるもの、


傷病名は、頚部捻挫、頚椎挫傷、外傷性頚部症候群等と記載されます。
頚部に、過伸展や過屈曲が発生したとしても、その程度が軽ければ、頚部を囲んでいる筋肉や靭帯の軟部組織の部分断裂や出血の傷害で止まるのが大半です。

これが、頚部捻挫全体の 70 %近くを構成しているのですが、受傷後 3 ヵ月以内に後遺障害を残すことなく治癒、 従って、軟部組織の炎症にとどまるものは、後遺障害の対象になりません。

∪埒颪ら枝分かれをした末梢神経である、神経根に障害を残すもの、

傷病名は、頚部捻挫、外傷性頚部症候群、頚椎神経根症、頚椎椎間板ヘルニア等になり、後遺障害の対象となりますが、根本的には、被害者の年齢変性を原因としています。

脊髄本体に障害を残すもの、

傷病名は、中心性脊髄損傷、脊髄不全損傷、頚椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、後縦靭帯骨化症等になり、後遺障害の対象となります。
中心性脊髄損傷は、脊髄損傷であり、 TCS の範疇に含まれません。

つ嚢動脈やそれと並行して走行している交感神経に障害を残すもの、

バレ・リュー症候群、脳底椎骨動脈血行不全症。
バレ・リュー症候群は、頚部交感神経の暴走を原因としており、治療先は、ペインクリニックもしくは麻酔科、早期に治療を開始すれば、多くは、受傷から 3 、 4 ヵ月で改善が得られます。
脳底椎骨動脈血行不全症は、極めて少数例で、この 35 年間で 1 例を経験したのみです。

イ修梁勝

胸郭出口症候群= TOS 、低髄液圧症候群=脳脊髄液減少症= CSFH 等になります。
TOS には、牽引型と圧迫型の 2 種類があり、いずれも、過去には 12 級 13 号が認定されていました。
ところが、平成 17 、 18 年、血管造影撮影で圧迫を立証したほぼ 200 名の被害者について、恣意的な認定がなされ、全員が TOS としては非該当とされています。
一方、裁判では、直近の判例でも、 12 級 13 号が認定されており、今後は、訴訟で損害賠償を実現いていくことを予定しています。

CSFH は、先頃、 日本神経外傷学会に参加する脳神経外科医が中心となり、 認定基準が発表されており、それは、 CSFH で説明を加えています。

例えば、事故後、頚部痛、眩暈、吐き気、左右の上肢の痺れと疼痛が出現したとします。
常識的には、眩暈や吐き気は頚部交感神経の異常を原因とするバレ・リュー症候群ですから、受傷から 2 週間を経過してもこの症状が継続しているときは、ペインクリニックもしくは麻酔科を受診する必要があります。 

バレ・リュー症候群で、星状神経節ブロックや硬膜外ブロックを受けても、鎮痛効果が持続しない場合は、その医師が経験に乏しく、治療にビビッて神経根に届いていないことが大半です。 
被害者は、実験台・練習台ではありませんから、急いで医師を代えなければなりません。

他方、両上肢の痺れは、中心性頚髄損傷の可能性があります。

神経学的所見から、その可能性が高いときは、直ちに MRI 撮影が必要です。
この場合の MRI は磁場強度=解像度が 1.5 テスラ以上の機種である必要があります。
疑わしいと思われる部位は 1 亳のスライスで撮影する必要があります。 
この傷病が確定した場合、入院下でステロイド療法を受ける必要が出て来ます。

先の MRI 撮影で、中心性脊髄損傷が否定され、末梢神経である神経根の圧迫が確認された場合は、整形外科で牽引やホットパックを中心とした治療となります。 
しかし、痺れや疼痛は両上肢に出現していました。 
神経根の圧迫が証明された側は神経根症状で間違いはありませんが、反対の側は、胸郭出口症候群= TOS の可能性に注目しなければなりません。
複合症状とは、このような状態のことで、外傷性頚部症候群は、ほとんどのケースで複合症状を示すことをハッキリと認識してください。

それでも、外傷性頚部症候群で生涯を棒に振った被害者は 1 人としていません。
症状に合わせた適切な治療を早期に開始すれば、アッケラカンと社会復帰が可能です。

コラム 外傷性頚・腰部症候群= TCS の治療?

医学における初期治療の原則は RICE で説明されます。

R  ( REST 、安静)、 I  ( ICE 、冷却)、 C  ( COMPRESSION 、圧迫)、 E  ( ELEVATION 、挙上)の 4 つですが、頚部捻挫については REST が該当します。

TCS の初期治療では、 REST (安静)が、最良かつ唯一の治療法です。
頭部外傷の被害者で開頭術を受けた、長期間にわたり意識喪失のあった被害者に TCS は発生していません。

頭部に大きな外傷=頭部を支える頚部にも、相当の衝撃があったと考えるのが常識ですが、症状の訴えはありません。 安静の効果と思われるのです。

受傷後 3 週間から 1 ヵ月が外傷の急性期とされていますので、被害者の症状に合わせ、この範囲の安静が必要なことは言うまでもありません。 
余談ですが、過度の安静は機能の低下や回復の遅延を招きます。 
これも臨床レベルでは、常識とされています。
「万事、程々に? 過ぎたるは及ばざるがごとし!」と理解しましょう。

さて、治療内容ですが、外傷の急性期に理学療法が開始されることは、絶対にありません。

カラー、簡易頚椎固定用具の装用、パップ剤による湿布処置、経口投与として消炎鎮痛剤、健胃剤、ビタミン剤の 3 点セットが一般的です。
これら以外にも、症状によっては、精神神経用剤、筋弛緩剤、意識障害治療剤、脳代謝改善剤、抹消血行改善剤、抗生剤、副腎皮質ホルモン、脳圧降下剤が投与されています。
投与の期間は最大で 4 ヵ月間です。

「最小限の対症療法で人間の持つ自然治癒力を最大限に引き上げる!」 
ヒポクラテスの時代から、医療の原則中の原則なのです。

お待ちかね、理学療法?

さて、受傷後 3 〜 4 週目に入ると、理学療法が開始されます。
理学療法には、物理療法、牽引療法、運動療法の 3 つがありますが、頚椎捻挫に対しては物理、牽引が主体で、
物理療法は温水、赤外線、ホットパック、超短波、極超短波、パラフィン等がありますが、いずれも温熱療法が主体となっており、鎮痛、局所血行の改善、筋弛緩の効果があります。 

牽引療法は頚部の電動間欠牽引により神経への除圧、局所安静、頚部周辺組織のストレッチングを実施します。

事故受傷後の 3 週間から 1 ヵ月は外傷の急性期です。 
この段階では「安静」が何よりの治療ですから、通院も 1 週間に 1 〜 2 回で十分なのです。

理学療法が開始されますと、通院回数を増やす必要があります。 
15 分程度の温熱療法や電動間欠牽引を週 1 回程度受けていても何の効果もありません。 
この段階になれば薬の内服もできれば辞めてしまった方が、好ましいと考えられています。

理学療法は自宅においても可能です。
手で頭を押さえる、壁に頭を当てて、それを押すようにして頚部の筋肉に力を入れる、風呂上りに頚部を可動域いっぱいにゆっくり全方向に曲げる、これらを繰り返してください。
効果はてきめんに現れてきます。

治療のまとめ?

TCS の治療

受傷経過

治療の内容

受傷後 3 週間

受傷後 3 週間〜 1 ヵ月は、急性期と呼ばれており、さまざまな症状が出現します。
この時期の治療は、安静と内服=経口投与が中心です。
点滴・静脈注射の必要性はありません。
この間の通院は、週に 1 、 2 回です。

受傷後 4 週間

3 、 4 週間で理学療法が開始されます。
週に 1 、 2 回の通院では効果が得られません。
真面目に通院を続け、理学療法を受けます。
先の内服は、常識的には、受傷後 4 月でストップします。

受傷後 6 ヵ月間

常識的には、症状固定段階です。
治療先で後遺障害診断を受け、被害者請求で申請します。

TCS の後遺障害等級

外傷性頚部症候群の後遺障害等級

14 級 9 号

局部に神経症状を残すもの、
目立った他覚的所見が認められないが、神経系統の障害が医学的に推定されるもの、
外傷性の画像所見は得られないが、自覚症状を説明する神経学的所見が認められるもの、

12 級 13 号

局部に頑固な神経症状を残すもの
他覚的検査により神経系統の障害が証明されるもの
自覚症状に一致する外傷性の画像所見と神経学的所見の両方が認められるもの、

TCS に限らず、すべての後遺障害は、下記の 4 つをポイントとしています。

,匹里茲Δ兵覚症状を訴えているか、
⊆覚症状を説明する画像所見が得られているか、
2菫以外のその他の検査で、自覚症状が説明できるか?
た震面椶膨民,靴討い襪、

平成 15 年 1 月から数多くの後遺障害診断書の分析を繰り返してきましたが、非該当の大半は、
ー覚症状の記載がいい加減、
⊃牲亞愿所見の検査が真面目に実施されていない、 
治療実日数が少ない、
これらを原因としています。

結論を申し上げれば、どっちに転んでも、自覚症状と神経学的所見が決め手となるのです。
ここで、主治医に対して怒りや失望を露わにしても、ナンセンスです。
医師は治療が目的、後遺障害は治療が完了した後に問題となる事柄に過ぎないのです。 
反省すべきは、神経学の専門医を選択できなかった被害者自身の判断の甘さです。

頚部神経学的所見

( 1 )スパーリングテスト

脊髄から枝分かれをした頚髄神経は左右に 8 本あります。

この末梢神経は上肢に走行し、上肢を支配しています。 

このイメージが植物の根に似ているところから、神経根と呼んでいるのです。

スパーリングテストは、神経根障害を調べる神経学的テストです。 
頭を傾けて下方に押しつけると神経根の出口が狭められます。 

神経根に障害がある場合は、その神経根の支配領域に放散痛・痺れ感が生じ、被害者はいつもの症状の再現や増強を訴えます。

放散痛や痺れ感を訴えた場合は+、そうでない場合は−と表示します。  

同じ目的のテストに、ジャクソンテスト・ショルダーデプレッションテストがあります。

( 2 )握力検査

握力は性別・年齢・職業で大きな個人差が認められます。
私は左利きですが右の握力よりも弱いとなれば、これは明らかに異常です。

でも、意地悪な Nliro 調査事務所は、被害者の意思で簡単に演技ができるとして、これは参考程度にしか評価していません。

 

( 3 ) 徒手筋力検査

神経が障害を受けると、その神経が支配している筋の筋力が低下します。これも、必ず両側を検査します。
〇鯵儷擇老杰饋牲 C5 ・ 6 が支配しています。
⊂縅啼麁筋も頚髄神経 C5 ・ 6 が支配しています。
手関節伸展は長橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋・尺側手根伸筋の 3 つの筋が働いているのですが頚髄神経 C6 ・ 7 ・ 8 が支配しています。
ぞ縅啝案筋は頚髄神経 C6 ・ 7 ・ 8 が支配しています。
ゾ指外転筋は頚髄神経 C8 と胸髄神経 Th1 が支配しているのです。

検査結果は下記の  「徒手筋力判定表」に基づき表します。 
正常が 5 となります。

徒手筋力判定表

表示方

筋力

状態

5 nomal

100%

強い抵抗を加えてなお打ち克って動く

4 good

75

いくらか抵抗を加えてもなお打ち克って動く

3 fail

50

抵抗を加えなければ重力に打ち克って動く

2 poor

25

重力を除けば動く

1 trace

10

筋の収縮は認められるが関節は動かない

0 zero

0

筋の収縮も全く見られない

( 4 )筋萎縮検査

麻痺が長く続くと、筋は萎縮してきます。
難しい検査ではありません。 
両上肢の肘関節の上下 10 僂里箸海蹐両縅喇瑤帆囲喇瑤亮径をメジャーで計測します。
この検査は、有力な神経学的所見として注目されています。

( 5 )知覚検査

正確には試験管・筆(馬の毛)・洋裁用ルーレット・重量痛覚計・注射針・安全ピンを使用し、表在知覚・深部知覚・複合知覚を調べ、皮膚分節図に知覚異常の領域を表示するのですが、医療の現場では筆を使用して表在知覚のみを検査するのが一般的です。
Nliro 調査事務所も重視していない様子ですから、被害者はコダワリを持つ必要はありません。

( 6 )腱反射

反射の意義

中枢性麻痺 大脳〜脊髄の障害

亢進

末梢性麻痺 反射での障害

低下

表示の仕方
{郷福棔棔棔´軽度亢進++ 正常+ つ祺次沺´ゾ端此

 

腱反射とは腱をゴムハンマーで叩き、筋に伸展刺激を与えたときに起こる筋収縮のことです。

右図のように上腕二頭筋・腕橈骨筋・上腕三頭筋について調べ、+−を表示します。

脊髄に異常が認められる場合、反射は亢進、軽度亢進を示します。

末梢神経である神経根に異常が認められる場合は、反射は低下、消失を示すのです。

この検査所見は、有力な神経学的所見として、注目されています。

( 7 )病的反射

これらは、脊髄の損傷を確認する神経学的検査で、 TCS では、異常所見が見られません。
参考程度で理解してください。

トレムナー反射では、中指を伸展させておいて、指先の腹を弾くと母指が内転します。
ホフマン反射では、中指を挟んで指先を掌側に弾くと母指が内転します。

ホフマン反射           トレムナー反射

ワルテンベルグ徴候では、示指、中指、環指、小指を屈曲させ、検者と引っ張り合いをさせると母指が内転屈曲します。 

これらはいずれも中枢性神経障害で出現する病的反射であり、脊髄障害、錐体路障害が疑われます。

ここまでの 7 項目で、頚部の神経学的検査は終了しました。
これらに XP ・ MRI の画像所見と頚椎の可動域の計測値を記入してもらえば、後遺障害診断書は完成です。


ワルテンベルグ徴候

( 8 )頚部の可動域検査

頚椎の可動域ですが、圧迫骨折や固定術を受けていない場合、この制限だけで後遺障害等級が認定されることはありません。 
参考程度の評価ですから、深読みは禁物です。
先の 6 項目の神経学的所見を一覧表にまとめました。
この検査表を後遺障害診断書に貼り付けて主治医に依頼してください。
主治医がこの検査表の作成を拒否することが稀にあります。
この場合、被害者はこの医師が神経学的な専門医ではないと理解してください。
当方の経験則では、医大系の総合病院で拒否された例は、 1 回もありません。 

したがって、被害者は、この程度の医師に委ねたのでは、「取れる等級も獲得できない!」と見切り千両で、転院を急ぐのです。 人生イロイロ、医師もイロイロなのです。

腰部神経学的所見

( 1 )ラセーグテスト

坐骨神経伸展テストのことです。坐骨神経は、腰髄神経の L4 ・ 5 及び仙髄神経の S1 ・ 2 ・ 3 の神経根で構成されているのですが、障害があれば陽性となります。

この神経学的所見は、注目されています。

( 2 )SLRテスト

下肢伸展挙上テストのことです。 ラセーグテストに同じく坐骨神経の障害を検査します。

正常であれば 70 °以上を示しますが、坐骨神経に障害がある場合は、大腿・下腿の後面に痛みが生じ 50 °を超えて上がりません。 私の経験では腰椎椎間板ヘルニアの被害者で、 25 °がやっとなのがありました。 何度から+という表示をします。

この神経学的所見は、注目されています。

( 3 )FNSテスト

大腿神経伸展テストのことです。 腰髄神経 L2 ・ 3 ・ 4 の神経根障害を見る検査です。

高位腰椎椎間板の病変で疼痛が生じます。

この神経学的所見は、注目されています。

( 4 )徒手筋力検査

腸腰筋・大腿四頭筋・膝部のハムストリングス・下腿三頭筋・長母趾伸筋・前脛骨筋の両側を検査します。

( 5 )筋萎縮検査

膝関節を起点に、上下 10 僂領沼Δ梁臑楴径と下腿周径を測定します。
この神経学的所見は、注目されています。

( 6 )知覚検査

正確には試験管・筆(馬の毛)・洋裁用ルーレット・重量痛覚計・注射針・安全ピンを使用し、表在知覚・深部知覚・複合知覚を調べ、
皮膚分節図に知覚異常の領域を表示するのですが、医療の現場では筆を使用して表在知覚のみを検査するのが一般的です。 

Nliro 調査事務所も重視していない様子ですから、被害者はコダワリを持つ必要はありません。

( 7 )腱反射

膝蓋腱反射とアキレス腱反射を調べます。
膝蓋腱反射は年配の方であれば、脚気の検査?あれと同じです。 

大腿四頭筋腱反射とも呼ぶのですが、腰髄神経 L2 ・ 3 ・ 4 の損傷が判断可能です。

アキレス腱反射は、下腿三頭筋腱反射のことですが、仙髄神経 S1 ・ 2 の損傷を判断します。

この神経学的所見は、注目されています。

( 8 )病的反射

これらは、脊髄の損傷を確認する神経学的検査で、 TCS では、異常所見が見られません。

参考程度で理解してください。


バビンスキー反射

バビンスキー反射は図のごとく、足趾がゆっくりと背屈するのが陽性で、脊髄中枢の障害が考えられます。 

腱反射の著明な亢進と同じ意味です。

膝クローヌスは、医師が被害者の膝蓋骨をつかみ、これを急激に下に押し下げると膝蓋骨が上下に連続的に動きます。 

足クローヌスは上記の状態で足関節を急激に背屈させると、足関節が連続的に屈伸します。 

脊髄中枢の障害が考えられ、腱反射の著明な亢進と同じ意味です。


膝クローヌス 足クローヌス

腹壁表在反射とは、先の尖ったもので腹壁をこすると、通常は腹筋が反射的に収縮して、おヘそがそちら側に移動するのですが、中枢神経障害ではこれが消失します。

挙睾反射とは先の尖ったもので大腿内側をこすると、通常は睾丸が挙上するのですが、中枢神経障害ではこれが消失します。ここでは、頚・腰部捻挫の神経学的所見を説明しており、先に説明している、異常反射は、いずれも脊髄本体の損傷ですから、本来の説明からは外れます。 


腹壁表在反射

一般的な原則として脊髄不全損傷では中枢性神経障害の形を取り、筋の緊張が高まる痙性麻痺となります。 

具体的には深部腱反射の亢進、膝クローヌスや足クローヌスの出現、そして広範囲の知覚異常や筋力低下や筋萎縮が認められ、さらに、皮膚表在反射の消失、ホフマン、トレムナー、ワルテンベルク徴候等の上肢の病的反射やバビンスキー反射に代表される下肢の病的反射の出現と続いてくるのです。 

重症になると直腸・膀胱障害が出現し、自力での排尿排便が困難となります。 
外傷性頚腰部症候群であれば、異常反射の出現はありません。

( 9 )胸腰部の可動域検査

圧迫骨折、固定術では、等級認定で重視されていますが、 TCS では、参考程度の評価です。

胸・腰椎の可動域検査は、注意が必要です。
股関節部を曲げれば、どこまでも曲がるからです。

日本整形外科学会は L5 の位置を基準に測定すると決めておりますが、これをご存知ない医師が多いのには閉口しています。ただし、胸腰部の可動域が後遺障害の対象となるのは、固定術を受けた場合に限るのです。

腰痛の被害者は自然と前かがみの姿勢ですが、頑固な腰痛や坐骨神経痛がある場合は、真っ直ぐには立てずに脊柱が曲がって傾いてしまう状態を示すことがあります。

これを疼痛性側弯と呼ぶのですが、後遺障害等級認定上、有意な所見ですから、しっかり書いてもらう必要があります。

圧痛の検査の代表的なものは、バレーサインです。 

これは臀部で坐骨神経を圧迫して圧痛又は放散痛の有無を確認する検査です。

これらの 11 項目で腰部の神経学的検査は終了しました。
これらに XP 、 MRI の画像所見と胸腰部の可動域の計測値の記載を受ければ、後遺障害診断書は完成です。

先の 8 項目の神経学的所見を一覧表にまとめ、 HP の書式の説明で収録しています。
この検査表を後遺障害診断書に貼り付けて主治医に依頼して下さい。

保険屋さんの考え方

( 1 )生理的前弯の消失と MRI 上の頚椎椎間板ヘルニアについて

東京海上傘下の東京海上メディカルサービス株式会社は、現役の医師を役員として、交通事故外傷と後遺障害について積極的な意見を展開しています。
その中の、外傷性頚部症候群= TCS について説明します。

これは Nliro 調査事務所の顧問医で慶友整形外科病院副院長の平林洌医学博士がオロソペディクス( Orthopaedics )で発表した論文を根拠にしています。

受傷後 2 週間以内の TCS 患者 506 名と、過去に頚椎疾患の既往歴や外傷歴のない無症候性健常者 497 名を比較することによって、代表的な XP 画像所見である、生理的前弯の消失と MRI 上の椎間板ヘルニアが説明されているのです。

生理的前弯の消失とは、 XP 上、頚椎はやや前に傾いている形状を示すのですが、これが突っ立った状況のことで、交通事故受傷で頚部が過伸展・過屈曲の衝撃を受けると、頚部周辺の軟部組織の筋肉や靱帯に損傷を受ける可能性があります。これらの損傷によって、筋肉等の緊張状態が生まれ、生理的前弯が消失するものと考えられていますが、無症候性健常者でもこの生理的前弯の消失が多数認められ、特に 20 代の女性では、全体の 70.7 %が非前弯型であったと発表されています。

次に MRI 上の椎間板ヘルニアです。 
これについては、両方のグループに輝度の低下、椎間板の前・後方突出の所見が加齢と共に高頻度であったと説明されています。輝度の低下に限って説明すれば、 20 代では TCS で 12.1 %、健常者で 14 %、 40 代では、 50.7 %、 37.1 %、 60 代に至っては 87.8 %、 87.3 %の分布であり、 2 つのグループに有意な頻度差は認められず、椎間板の前・後方突出でも、脊髄圧迫所見でも、両方のグループに有意差が認められなかったとの報告です。

TCS の代表的な自覚症状は、頚部痛、頭痛、肩こり、上肢の痺れ、上肢痛、嘔気、眩暈です。
これを明らかにする他覚的所見としては、頚部可動域制限、スパーリングサイン、反射の亢進や消失、バビンスキー等の異常反射、知覚障害、筋力低下となりますが、これについても症状の有無による頻度差を認めなかったとの報告です。

以上の事実から、先の生理的前弯の消失や椎間板の突出所見が、ただちに外傷性の異常所見とは説明出来ないと結んでいます。 

そして最後に難治性の TCS 患者の多くは医学的な所見以外に複雑な背景を有しているとして、このような患者の中には医師に XP や MRI 上の異常所見を指摘されると、さらに被害者意識を募らせるケースが高いので、画像所見の説明に当たっては、まず、年齢的な変化であることを十分に説明し不安感を増長させることのないように?実に、念の入った説明で感激しています? 
なお、この研究は日本損害保険協会の委託で実施されたものです。

「猿を使った実験では、交通事故受傷で椎間板ヘルニアは発生しない?」と、当初は、ずいぶん乱暴な意見展開でありました。

「猿が車を運転して、私を追い抜いた経験がない?」これで、十分に反論ができたのですが、さすがに保険屋さん側も緻密な立証を行っています。

裁判実務では、これらの反対意見も展開されますが、あくまでも治療を担当した医師の所見や意見が尊重されており、被害者は受傷当時の症状とその後の経過を詳細にメモしておく必要があります。

主治医が頼りなければ、早めに医大系の脊椎外来に出向き、専門医の診察を受けることを検討してください。
自覚的な所見を画像所見と神経学的所見で説明ができれば、特別、意見書なんて、気にすることもありません。

( 2 )頚部損傷の長期化について

頚椎捻挫で一般的な治療期間を決めることができるか?
これは個別事案であり、すべてが同じ人、同じ怪我ではなく、治療期間の 3 ヶ月は、単なる目安に過ぎないと白状しています。

膝や足関節の捻挫で、明らかな軟部組織の損傷を受けた時には、受傷から 2 〜 3 日は痛みが強くて、ほとんど動かすことができません。その後は、動かすたびに痛い状況が 2 〜 3 週間続きます。
上下肢の創傷、切り傷であっても、縫合部の傷が癒合し、抜糸となるのが 10 日〜 2 週間ですが、関節部や手のひら、足の裏等の力のかかる部分、皮膚の硬い部分では 2 〜 3 週間後に抜糸が実施されています。 

以上から、軟部組織の損傷による一次的な治療は、これらの病理学的な症状経過から 3 週間で完成すると説明されています。確かに、転位(ズレ)の大きくない骨折では、上肢では 3 週間、下肢では 4 週間のギプス固定が基本となっていますから、入院期間や安静期間、就労不能期間は、 3 週間が妥当であるとの目安となるわけです。

さらに、一次的に治癒した瘢痕組織が、周囲の組織と順化し、正常化するのに 3 ヵ月程度を要するところから、治療期間としては 3 ヵ月を目安にしているのです。 

ところが、腱や靱帯については、正常な強度に戻るまでに最低でも 6 ヵ月〜 1 年を要することが医学界の常識とされています。であれば、たとえ、頚椎捻挫であったとしても、損傷を受けた神経の機能回復は受傷後 3 ヵ月で著しく、その後も 6 ヵ月程度は改善していくと考えられるのですが、受傷後 1 年を経過すれば、神経機能自体の回復はもうほとんど認められないと判断することができます。

これを立証する保険屋さんのデータです。
頚椎捻挫の 70 %が受傷後 3 ヵ月、 13 週以内で示談、
90 %以内が 6 ヵ月以内で示談、
9 ヵ月を超えるものは僅かに 3 %、


目安と優しく説明されていますが、実際は強制されています。
医学的な常識と豊富なデータを背景にして、自信満々で打ち切り攻勢をかけるのです。
被害者も、上記のデータを頭に叩き込んでおく必要があります。

さらに、長期化の大きな原因として、なんとも失礼な「ひび割れ茶碗理論」が展開されています。
これは、事故のみに責任があると判断してもいいのか?の問題提起をしているのです。

_れたのは、すべて事故のせいか?
壊れやすかったのか?
C韻覆觚賃諒儔修農睫世できるか?
た搬療や精神心理的な素因が関与していないか?
ゴ慷燭靴討い襪箸垢譴弌△修粒箙腓浪拭鵑?
長期化した被害者の全員が、ひび割れ茶碗?
分かりやすいたとえで、驚いていますが、東京海上日動にかかると、被害者は猿や茶碗となります。

( 3 )保険屋さんのチェックポイント

さて、東京海上メディカルサービスは、頚椎損傷について、以下の 3 分類で高度な理論を展開しています。
ー覚症状
他覚的所見と神経学的異常の有無
A反ヂ蚕としての病型

ー覚症状
自覚症状は、いつから出たのか? 
事故当日からか? 翌日か?  2 、 3 日後か? それ以降か?
初診は事故当日か? 翌日か?  2 、 3 日後か? それ以降か? 救急車を利用しているか?
これらが、細かくチェックされています。

頚椎損傷の代表的な自覚症状は、
頚部から肩にかけて、何となく重い、重苦しい、鈍痛がある?
頚すじが痛い、動かすと痛い、痛くて動かない?頭痛がある、後頭部痛、側頭部痛?
上肢の痛み、痺れ?脱力感、力が入らない、握力の低下?
吐き気がある?目眩、耳鳴り?視力が下がった、ピントが合わない?
ボーッとする、集中力が下がる?
これらの詳細もチェックされています。

⊃牲亞愿所見
その上で、これらの自覚症状に一致する他覚的所見と神経学的な所見の検討に入ります。
まず、初診時に、
発赤、腫脹、打撲の痕、擦過傷、挫傷、皮下出血、挫創等が認められているか?
頚椎の可動域に制限が認められているか?
圧痛の有無、それは棘突起か、筋肉か?

神経学的所見については、
それがいつから認められるのか? 
事故直後からか?  2 〜 3 日後?  2 週間以内?  1 ヶ月以上?
ジャクソンやスパーリングテストで放散痛が認められるか?
知覚障害の有無、範囲、その程度?
筋力低下の有無、範囲、その程度? 筋電図検査や徒手筋力検査で 0 〜 5 、どの段階か?
上下肢の左右の腱反射の異常の有無?
以上から、脊髄障害、神経根障害と診断が可能か?
神経学的に説明ができるのか?
とむすんでいるのです。

コラム 医学の常識?

TCS の医療現場では、通院の度の静脈注射、点滴をよく見かけます。 
治療単価を上げたいとの病院側の思惑と、静脈注射・点滴が正に治療である? 
患者の思い違いの相乗効果であると私は想像しています。

静脈注射の使用は、
経口による摂取が不能のケース、
急激な解熱を必要とする場合、
F睇では効果が不十分と考えられる場合、

点滴は、
経口による摂取が不能のケース、
大出血やショック症状で体液量の補充と維持を必要とする場合、
9垣減泙魎泙狷端譴別剤を連続投与し、高血中濃度の維持を必要とする場合、
さ淙兒の投与に備えて投与経路の確保の必要性がある場合、

これらのケースに限られているのです。
果たして、 TCS ってこんな症状だったのでしょうか?

点滴のボトルを吊り下げながら、喫煙室でタバコを吸っている被害者?
何か、勘違いをされています。

いずれにしても、 TCS では、経口投与が大前提で、投与の期間も最大 4 ヵ月間、何十年にわたって、消炎鎮痛剤を飲み続けなければならない疾患は、慢性関節リウマチ、膠原病くらいしかありません。

お薬の話を続けます。
医師によっては消炎鎮痛剤を 2 種類投与する場合があります。
これは副作用が 2 倍になることを意味しています。
双方の薬に相乗作用、相加作用が認められることはありません。

ビタミン剤です。 

神経痛や神経麻痺に効能がある B12 、循環改善効果のビタミン E 、何にでも効くビタミン C の投与が一般的です。

ビタミンとは、生物の生存上、絶対に必要な有機化合物で人間の体内では合成されないものですが、むち打ちになるとビタミンが欠乏するのか?そうではありません。 

臨床医の感覚は、「外傷を受けて身体に種々の異常が発生しているのであれば、これらのビタミンがたくさん存在している方がいいに決まっている! 

多すぎても排泄されるし、特に副作用もないので出しておこうか? 儲かるし?」なのです。

●被害者の対処法

ここまで読破された方は理解されたと思いますが、保険屋さんは、頚椎の生理的前弯の消失や MRI 上のヘルニア所見について、有力な外傷性所見ではないと考えています。
末端の査定担当者のレベルまで、この理解が浸透しているのではありませんが、損害保険協会としての考えは、ここまでの根拠を持っています。 
したがって、被害者はここまでを正確に理解した上で反論や反転攻勢を考えなければなりません。

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多くの被害者は、自宅に近い? 勤務先に近い?等で治療先を選択しているのですが、今後は神経学的な専門医をどうしても選択しなければならないことになります。
なぜなら、保険屋さんは、後に被害者のカルテや看護記録を回収して、先の問題点を分析し、その結果を、意見書にまとめて、訴訟で争ってくるからです。

患者も診ないで何が分かるの?侮ってはいけません。 先の治療先が専門医でなければ、この理詰めの意見書に反論することは出来ません。
ともかく、治療先を盲目的に信用して漫然と治療を続けるのは、最悪の結果を迎える可能性が高いことを、承知しておかなければなりません。

∩蠹因果関係についての理解

椎間板の変性は 20 代から始まります。
MRI 上のヘルニアは、 40 歳以下で 25 %、 40 歳以上で 60 %と発表されています。
40 、 50 ともなれば、椎間板だけでなく、頚椎の全体に年令から生じる退行変性があって当然で、保険屋さんから指摘されても驚くことではありません。

不注意で衝突した加害者よりも、被害者が年を取っていたのが悪い?そんなバカげたことは、裁判では認められていません。しかし、すべてが事故のセイ?この主張も、困難です。

椎間板が突出するほどの外力を、受けていること、
MRI 上、ヘルニアを示す部位が 1 ないし 2 ヵ所であること、
その他の部位に、椎間板の変性、膨隆、突出が認められないこと、
受傷後、比較的早期にヘルニアの部位に合致した神経学的な症候を示していること、

上記 4 条件の立証が可能な場合は、外傷性椎間板ヘルニアが立証されたことになります。

さて、相当因果関係に対する裁判所の見解は、「被害者の素因による寄与は、被害者が選択したものではなく、加害者の強制によって発生したものであり、その責任を被害者に負担させるのは、公平ではない、」として、法解釈の現場では、被害者の素因は原則として考慮すべきではないとの考えです。 

保険屋さんは、事故によるものではなく、年齢による退行変性であるとして、鬼の首を取ったかのごとく鼻を膨らませて、治療の必要性まで拒否する現状ですが、裁判所は、それでは問題解決にならないと指摘しているのです。

平成 8 年 10 月 29 日、最高裁小 3 判決は、「平均的体格に比較して首が長く、多少の頚椎の不安定性が認められる身体的特徴を有していた被害者が、交通事故によって頚椎捻挫等の障害を負った事案で、 被害者が平均的な体格ないし通常の体質と異なる身体的特徴を有していたとしても、それが疾患に当たらない場合は、損害賠償額を定めるに当たり斟酌をすることはできない! 」との見解を示しています。

大阪地方裁判所 素因減額の判決動向

判決日

要旨

H9-2-10

24 歳の女性について、心因的要因を考慮して 15 %を減額、

H9-4-25

40 歳の男性について、ヘルニア、脊柱管狭窄症を理由に、 30 %を減額、

H9-11-27

37 歳の男性について、頚部椎間板ヘルニアを理由に 30 %を減額

H9-12-19

55 歳の男性について、 L5/6 の変形に対して減額を否定 

H10-10-13

55 歳の女性について、加齢による C4/5/6 の変形、狭小化に対し、減額を否定、

H10-11-27

60 歳の男性について、加齢による腰部椎間板ヘルニアに対し、減額を否定、

平成 8 年 10 月に示された最高裁判決以降は、加齢性、経年性による体質的変化に対しては、原則として減額しない傾向を示しています。
つまり、平均的、年齢相応の変性所見は、疾患でないとして素因減額の対象から排除されているのです。
さらに、 4 条件の達成が不可能で疾患に該当する変性であっても、事故受傷をきっかけとして症状が発症したのであれば、一定の割合で損害賠償が認められています。
保険屋さんは一切を認めないと主張し、被害者も慌てますが、決してそうではないのです。
安心して、正々堂々と請求すればいいのです。
もう一点、 MRI の画像は膨張して見えるのを特徴としています。 
したがって、画像所見を気にするのではなく、画像所見に一致した症状があるか、ないかが、問題となることを承知しておく必要があります。

コラム 医師法 20 条違反?

交通事故の訴訟では、逸失利益の喪失率と喪失期間が争点となります。
これを減額させる必要から、保険屋さんのお先棒を担ぐポンスケ弁護士は、保険屋さんのバックアップを得て、裁判所に顧問医の意見書なるものを証拠として提出します。

内容は、以下の通りの言いたい放題で、すべてが被害者にとって、不利に作成されています。

自賠責保険では、○等級が認定されているが、そのような後遺障害は、存在していない?
自賠責保険で認定された等級よりも、実際の等級は低いと思われる?
自賠責保険の認定等級は正しいが、労働能力喪失はほとんど発生していない?
治療の長期化は、被害者の心因性、加齢による変性を原因としており、すべてが事故ではない?

被害者を直接、診察することなく、他院で撮影された画像と他の医師が作成した診断書、診療報酬明細書、カルテ、後遺障害診断書をチェックして作成された代物で、 50 万円程度の費用が支払われているとのことですが、メスを持つ手も震える爺さん医師の、格好のアルバイトになっています。

アルバイトとは言え、保険屋さんの主張に沿ってコソコソ意見書を作成する、東京海上日動メディカルサービス株式会社、保険屋さんの顧問医、いずれも医師としての倫理が問われるところです。

さて、医師法 20 条では、 「医師は自ら診察をしないで診断書を交付してはならない、」  と規定しています。

医師法 20 条全文、「医師は自ら診察しないで治療をし、もしくは診断書もしくは処方箋を交付し、自ら出産に立ち会わないで出生証明書もしくは死産証書を交付し、または自ら検案しないで検案書を交付してはならない。ただし、診療中の患者が受診後 24 時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書については、この限りでない、」

広辞苑によれば、診察とは、医師が病状を判断するために患者に質問したり調べたりすることであり、診断とは、医師が患者を診察して病状を判断すること、診断書は、医師や歯科医師が作成する診断結果を記載した証明書とされています。

意見書?広辞苑に説明はありませんが、裁判所に提出される意見書には、診断結果が記載されていますから、患者を診察しないで作成した診断書が、すなわち意見書となっており、明白な医師法違反を構成しています。

ヾ擬圓鮨濃,靴燭海箸發覆ぐ綮佞琉娶書が証拠になるのか?
△修發修癲△海琉娶書は医師法 20 条違反を構成しており、証拠価値は認められない?
この医師は、保険屋さんから、意見書の作成で幾らの報酬を得ているのか?
ぐ娶書の骨子となる判断の根拠について?
ゲ菫分析の詳細な説明について?

顧問医が見れば、鳥肌が立って寒気が生じる文章を並べ立てて、 3 時間程度の証人尋問を申請するのです。 
保険屋さんは意見書をお願いするに当たって、顧問医には、裁判での証言はあり得ないと約束をしています。 
つまり、意見書なるものは一方通行の空手形に過ぎず、証人尋問の実現はありません。
被害者から依頼を受けた弁護士は、当然に、これを主張しなければなりません。

しかし、これですべてが終わるのではありません。
当然ながら、意見書の中味についても、主治医の診断書・意見書等で、正面から反論することになります。
意見書の提出は儀式のごとく決まっており、訴状提出の時点で予想ができることです。
であれば、訴状を提出する時点で、先回りをして主治医の意見書を添付しておくことも簡単です。

本編の外傷性頚部症候群= TCS では、必ず、素因減額が持ち出されるのです。
C4/5 の椎間板ヘルニアが年齢変性によるもので、すべてが事故によるものではないとして 50 %減額?実にナンセンスな主張が展開されているのです。
これに対しては、脊椎の変性は、 18 歳頃より始まるとの医学文献、
年齢相応の変性にとどまり、疾患ではないとする主治医の診断書、
平成 8 年 10 月 29 日、最高裁小 3 判決、 「被害者が平均的な体格ないし通常の体質と異なる身体的特徴を有していたとしても、それが疾患に当たらない場合は、損害賠償額を定めるに当たり斟酌をすることは出来ない、」 
これらを示すことになります。

平成 20 年 11 月、東京地裁民事 27 部の裁判官は、外傷性頚部症候群で 12 級 13 号が認定された 34 歳男性の審理で、保険屋さんの弁護士が提案した意見書の証拠申請を一喝で拒否しました。
「どのみち、素因減額の意見書であろうが、原告の年齢を考慮すれば、減額対象となる年齢変性が認められることは、ほぼ完璧に、あり得ないこと、さらに、意見書の提出では、いつの場合でも、その期限が守られたことはなく、遅れ気味であること、いたずらに、和解解決を遅らせる意見書を証拠採用することはできないとの訴訟指揮です。
保険屋さん?言わずと知れた損保ヤバン、アホ丸出しで、コテンパンにやっつけられたのです。
恥知らずな顧問医などは、駆逐しなければなりません。

さて、現実は、意見書の提出で、多くの被害者側の弁護士は慌てまくり、対抗すべき診断書の作成に大汗をかきます。これまでに医師との交流がなく、医学にも疎い弁護士が、この期におよんで診断書の作成をお願いしても、裁判、診断書の提出と聞くだけで、アレルギー反応を起こし、ほとんどの医師は相手になんかしてくれません。 
現に診療を行った主治医に意見書のチェックをお願いすればいいのですが、医学に通じておらず、問題点をピックアップすることすらできません。

裁判所では、「専門医の意見書を取り付け、対抗します!」と、格好をつけたのですが、期日が迫っても意見書が提出されることはありません。最後は、青菜に塩で、意見書の提出を断念する結果となり、裁判官の心証は保険屋さん側に大きく傾くのです。

京都の N 弁護士も、これと同じ状況で、完膚無きまでに叩き潰され、大コケしました。
被害者を交えた反省会で、「意見書が出されれば、もう、どうしようもない!」 
引き受けた時の勢いは何処に行ったの? 
7000 万円の訴額が 430 万円では、勝った負けた?こんな議論になりません。
しかも、和解ですから、控訴も出来ません。
訴訟に打って出て、後半は、依頼人の説得に終始した?何ともお粗末極まりないバカタレです。
反省会、懺悔をしているのではありません。
依頼した弁護士がポンスケなら、被害者がリードしなければなりません。
こんなとき、被害者が主治医と対立している?敵性証人では、バンザイ、諦めることになります。
医師と対立しては絶対ダメ、覚えておいてください。

コラム 「むち打ちは、後遺障害が認定されないのか?」

私が保険調査員として駆けずり回っていた、昭和 59 年当時は後遺障害等級認定に占めるむち打ちの 14 、 12 級は 58.8 %、ほぼ 6 割の被害者が等級を獲得していました。
「半年通えば 14 級、 1 年通えば、よく頑張った、ご苦労さんで 12 級!」言われていたのです。

昭和 59 年 12 月に自賠責保険審議会は、「医療費支払いの適正化および後遺障害認定の適正化」の答申を行いました。そこでは、後遺障害の中で 14 級が占める割合、ナンバー 1 の和歌山県 71 %、最下位の岩手県は 29 %! センセーショナルな数字が披瀝されたのです。
ときを合わせるかのように、日本賠償医学界は、昭和大学の渡辺富雄教授が中心となって、むち打ち症撲滅運動 なるキャンペーンを展開、軒並み数値の高い関西は、全ての県で狙い撃ち、もう、どうにも止まらない?山本リンダも真っ青な状況となりました。

昭和 60 年から一気に減少に転じ、平成元年 27 %、 7 年後の平成 2 年には 24.6 %に落ち込んだのです。
日本人の首が自然に強くなったのか?整形外科の治療が画期的に進歩したのか?
いえいえ、そうではありません。爺さん会が認定しなくなったからなのです。

先の、むち打ち症撲滅運動の主たる根拠は、「西ドイツではむち打ち症は殆ど発生していない?」 
何とも短絡なものです。
この頃に、「むち打ちでは、後遺障害が出ない?」現在も生きる定説となったのです。
しかし、振り切った振り子の針は、必ず元に戻ります。

平成 9 年 31.7 %、平成 10 年 34.7 %と徐々に増加、平成 12 年 11 月、東京三弁護士会 交通事故処理委員会・むち打ち症特別研究部会が判例タイムズ、「むち打ち症に関する医学・工学鑑定の諸問題」 研究結果を発表、被害者救済の必要性を訴え、ほぼ同時に、マスコミの爺さん会の認定を批判するキャンペーンが展開されました。 

運輸省も重い腰を上げ、被害者救済の行政指導がなされるにおよび、平成 11 年には 41.6 %、平成 12 年は 46.9 %、 5 割近くに戻したのです。定説は、実は、死んでいるのです。

後遺障害認定は、表向き、労災保険の障害認定基準に準拠して行われています。
しかし、爺さん会の恣意的な判断で、 6 割近くを認定していたものが、 24.6 %まで落ち込んだのです。
揺り戻しがあり 5 割にまで復帰はしていますが、どうして、こんなことが許されるのでしょうか?

Nliro 調査事務所が認定の詳細情報を開示していないこと!
痛くて辛い思いをしている被害者に基礎的な知識がないこと!

最大の原因は、ここにあります。

いや、医師が問題だ!そんな意見もあります。嘘ではありませんが、医師は臨床で治療を担当しているのです。

後遺障害は医師の作成する後遺障害診断書に基づいて認定しています! 

損保協会や Nliro 調査事務所は平然とノタマイますが、後遺障害の立証に関する情報が開示されていないのですから、どう書いていいのか?何の検査をすればいいのか?肝心の医師が知る訳がないのです。

交通事故 110 番は、△鮑蚤腓量簑蠅箸靴討い泙后
,盡逃せない大問題ですが、私がいくら叫んでも声が届くことはありません。


■9:低髄液圧症候群=脳脊髄液減少症=CSFHclick!

■10:PTSDclick!

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