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交通事故外傷と後遺障害


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等級認定のポイント

外傷性てんかんの後遺障害は、
@過剰な心配を必要としないもの、
A治療先を選択して万全の体制でフォローするもの、

大きく 2 つに分かれます。

被害者がお子様の場合で、脳挫傷の傷病名であっても、頭蓋骨陥没骨折が認められておらず、
事故後の意識障害も軽度なものは、過剰に心配される必要はありません。
治療は、抗痙攣剤の内服と 3 〜 6 ヶ月ごとの脳波検査によるチェックに限られます。
主治医は、
※将来、外傷性てんかん発作を発症する可能性があること、
※脳波の安定が得られるまでは、抗痙攣剤を内服し続けなければならないこと、
※この内服が、何年、続くかの見通しは不明であること、
※内服していても、てんかん発作を起こす可能性のあること、
※抗痙攣剤の内服を続けている期間は、妊娠を避けなければならないこと、
大げさに説明するのが常です。

脳波にてんかん波を示すスパイク波が認められていない? 
実は、脳波上、大きな異常が認められなくても、
予防的に抗痙攣剤の内服が指示される場合が大半なのです。
脳波上の異常が確認されていないのであれば、
てんかん発作につながる可能性は、基本的にはありません。 
この場合は、予防的に 6 ヶ月程度の抗痙攣剤を内服し、 3 ヶ月ごとに脳波検査を受けます。
脳波上、異常が認められなければ、内服を停止し、
更に 3 ヶ月ごとに 2 回の脳波検査を行って、
治療終了となります。 後遺障害等級が認定されることは、ありません。

脳波検査で、境界波と説明された場合?
脳波検査で、α波や徐波が認められる場合、この説明がなされます。
やはり、抗痙攣剤を内服して 3 ヶ月ごとの脳波検査を受けます。
脳波検査で異常波の消失を確認した時点で、内服を停止し、
更に 3 ヶ月ごとに 2 回の脳波検査を行って、
変化がなければ、治療終了となります。 この場合も、後遺障害等級が認定されることはありません。

てんかん発作は、発症していないが、脳波検査で、てんかん波のスパイク波が認められる?
このレベルからが、後遺障害等級の対象となります。
抗痙攣剤を内服し、 3 ヶ月ごとに脳波検査を受けます。
内服をキチンと守って、過激な運動を控えていれば、先ず、てんかん発作の心配はありません。
スパイク波の終息時点で、抗痙攣剤の投与量を少なくしながら、更に 3 ヶ月ごとに脳波検査を受けます。
2 回の脳波検査でスパイク波が認められない場合は、内服を停止し、
更に 3 ヶ月ごとの脳波検査でチェックしていきます。
私の経験則では、治療を完了するのに約 3 年を要しています。
必ず、脳波は正常に復帰しますので、この場合でも過剰な心配は必要ありません。

受傷後 6 ヶ月を経過して、
スパイク波が認められる状況では、後遺障害等級は 9 級 10 号が認定されます。
多くのご父兄は、脳波が安定するまで示談をしない選択をなされますが、
私は、この時点で症状固定とし、後遺障害等級の獲得を推進しています。
将来の治療費については、示談書で、その負担を保険屋さんに求めることが可能です。
毎日の内服と 3 ヶ月ごとの脳波検査を繰り返すだけの治療であっても、
学校で体育に参加出来ないこともあって、お子さんのストレスは増加します。
ストレスの増加は、てんかん発作に悪影響を与えかねません。
であれば、早期に示談解決とし、そこで手に入れた賠償金をストレスの発散に費消しては如何か?
これが前向きな解決と考えています。

内服を継続しているが、意識障害を伴うてんかん発作を発症している?
このケースは深刻で、てんかん発作の頻度と、
脳細胞の破壊の程度で、 1 〜 7 級の後遺障害等級が認定されます。
てんかん発作の繰り返しは、周辺の正常細胞を破壊していきますので、
これは、どうしても食い止めなければなりません。

この場合の治療先は、医大系の脳神経内科もしくは神経内科を選択しなければなりません。
代表的な抗痙攣剤は、デパケン R ですが、発作を押さえる必要から
カルバマゼピンやフェニトイン等の複数の抗痙攣剤の組み合わせが必要です。
更に、抗痙攣剤の長期的な内服は、肝機能に影響を与えますから、血中濃度を確認しながら、
総合的な内科フォローが必要となるのです。 
これらの総合的な治療が展開出来るのは、やはり医大系の総合病院となります。

このようなケースであっても、私は受傷後 6 ヶ月を経過した時点で症状固定とし、
後遺障害等級を確定させるべきと考えています。てんかん発作を繰り返している状況では、
被害者の行動に大きな制限が生じます。
家から外に出るにも、いつ発作が起きるかも知れないので、常に家族の介助が必要となります。
車の運転は禁止されますし、もちろん、一人でバスや電車にも乗れません。
就労も決定的に不可能な状態です。
示談締結を伸ばして治療に専念する場合、保険屋さんから補償されるのは、
事故前の実績に基づく休業損害が基本となります。
家族や職業介護人の介護料は、絶対に認めない訳ではありませんが、
限定した範囲で実行されるに過ぎません。
いずれにしても、被害者や家族が、静かで落ち着いた療養環境の中で、
てんかん発作と向き合いつつ、治療に専念する状況は作れません。
この状況では、てんかん発作に伴って、知能低下、性格変化、人格低下を来していますので、
後遺障害の認定に当たっては、高次脳機能障害のプログラムで立証をしなければなりません。



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