| ※ |
すでに後遺障害のあった人が、交通事故によって同一部位
にさらに傷を負った結果、
後遺障害の程度がひどくなるケースが考えられます。これを「加重障害」として扱うのです。
|
わかり易い例がありますので、ご紹介します。22才の未婚の女性です。
友人の車に同乗中、友人の運転ミスにより国道脇の田圃に転落しました。
彼女はフロントガラスに顔面
部を突っ込み、額に長さ6cmに達する、かなり醜い線上痕を残しました。
受傷後6ヶ月の時点で後遺障害の認定を申請、Nliro調査事務所における面接も完了しました。 |
 |
程なく「非該当」の回答が自算会 調査事務所よりなされました。これには私も驚きました。
認定理由書には「被害者の前額部には長さ6cmの線上痕が認められ、
これは7級12号に該当するものと捉えられます。
しかし同時に左こめかみ部に事故以前からの長さ5cm幅3cmの範囲の
人目に明らかな不規則な形状の瘢痕が認められます。
すでに事故以前から外貌の醜状障害として、
今回事故による上記醜状障害と同等の既存障害が存していたものと捉えられ、
自賠法施行令第2条第2項に規定する加重障害の認定の対象に該当するものと
判断されるものです。」と記載してありました。 |
 |
わかり易く説明すると、事故以前から左こめかみ部に青痣があり、もともと「ゾンビ」であった。
事故により更に「ゾンビ」となってもお支払は出来ませんよ!と言う意味です。
このように加重の既存障害とは、先天的・後天的・交通事故を問いません。
女性の顔面部の醜状痕は7級が最上級です。
既存障害で7級が認められたため、支払はなされませんでしたが、
一般的には加重後の後遺障害から既存の後遺障害を差し引いて保険金が支払われます。
|
左下腿骨に変形障害を残し、12級8号の認定を受けていた被害者が
今回の事故で左下肢を膝関節以上で失った場合の保険金の計算は
4級5号に相当する1889万円から12級8号に相当する224万円を差し引き、1665万円が支払われます。
|
| ※ |
上肢の露出面とは上腕部(肩の付け根)から指先までを、
下肢の露出面
は大腿(足の付け根)から足の背部までを言います。
これらの部分に手のひら大の醜状痕が残った場合は上肢で14級4号、
下肢で14級5号が認定されます。
下図のように手のひらの3倍程度以上を超える瘢痕であれば、
特に著しい醜状と判断され、12級相当が認定されます。
外貌については男女間に等級格差が設けられていましたが、
上肢・下肢については男女の区別
はなされておりません。
尚手のひら大とは指の部分を除いた面積で、被害者の手のひらの大きさで計測します。
上肢又は下肢の露出面に複数の瘢痕や線状痕が存在する場合は、
それらの面積を合計して評価します。 |
「ゾンビ」と名指しされた22才の被害者はその後、形成外科に通院し、
左こめかみ部の青痣をアレキサンドライト・レーザーで消去しました。
H13-1に後遺障害について2度目の異議の申請を行った結果、H13-11になって7級が認定されました。
申請から3年6ヶ月を要しての勝利です。 そうです、私は大変しつこいのです。
|