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交通事故外傷と後遺障害


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17.骨盤骨折における後遺障害のキモ?

17.骨盤骨折における後遺障害のキモ?
 

1)骨盤骨折は、大きくは、寛骨臼骨折と骨盤輪骨折の2つに分類されます。
股関節は、寛骨臼と大腿骨頭の2つの関節面が接する構造であり、寛骨臼骨折とは、股関節の関節内骨折です。
そして、骨盤輪骨折は寛骨臼骨折を除いた骨盤骨折となります。
いずれも、XPで診断されていますが、骨盤の形状は非常に複雑なところから、
CTにより骨折の位置を詳しく調べることが、治療方針の決定に有用です。
さらに、血管損傷や膀胱損傷などの合併損傷を診断するには、造影CTを行う必要があります。

2)大量出血を伴うときは、緊急的に止血処置を実施しなければなりません。
骨折部を体外で仮固定する創外固定器具を用いて、安定化させることが止血の基本になります。
さらに、血管造影で、損傷動脈を発見し、
ゼリー状の物質や金属製のスポンゼコイルを動脈内に挿入する塞栓術が実施されています。

止血処置により、ショック状態から離脱すれば、骨折の治療を計画します。
下肢の牽引により、骨折部の転位を矯正できるときは、大腿骨遠位または脛骨近位にワイヤーを刺入し、
手術までの間、持続的に牽引します。

3)寛骨臼骨折では、関節内骨折であるところから、正しい整復位置に戻さなければなりません。
もし骨折の転位を残したまま、保存的に治療したときは、骨折部の癒合が得られても、
変形性関節症が経時的に進行するので、将来の人工関節置換術が予想されることになります。
しかし寛骨臼骨折のオペは難度が高く、大量出血等の危険も予想されるのです。
挫滅的な損傷では、オペが中止されることも、複数例、経験しています。
こんなときは、後遺障害等級の獲得で損害をカバーしなくてはなりません。

4)骨盤輪骨折では、骨盤後方が破壊され、骨折の不安定性が強いときは、オペの適応となります。
スクリュー、プレート、脊椎固定用のインプラントなどを使用して内固定が実施されています。
保存的な治療に比較すると、早期に車椅子や歩行練習が可能になる利点があります。

5)骨盤骨折の軽症例
…温翼骨の単独骨折で大量出血を伴わないもの、
恥骨・坐骨の単独骨折で、安定型のもの、

骨折部に疼痛を残しているときは、骨折部の3DCT撮影で、骨癒合状況を立証します。
変形癒合が確認できるときは、その度合いに応じて、14級9号、12級13号の神経症状が、後遺障害として認定されます。
骨盤骨の変形による12級5号は、外部から確認できないため、絶望的です。
骨折部に痛みがないときは、後遺障害の対象ではありません。

H骨骨折後、尾骨が屈曲変形をきたしているとき、被害者が女性であれば、
骨折部の3DCT画像を婦人科に持ち込み、正常産道が保たれているかについて、精査を受けなければなりません。
尾骨の変形により正常分娩が不可能で、帝王切開を余儀なくされるときは、11級10号が認定されます。
この判定は、整形外科ではなく、婦人科の専門医に診断をお願いしなければなりません。

被害者が男性で、尾骨に疼痛を訴えるときは、やはり、3DCTで立証、神経症状として、
14級9号もしくは12級13号を目指すことになります。

6)骨盤骨折の重症例 [沼Δ涼儿と坐骨の骨折で、
骨盤輪の連続性が損なわれているstraddle骨折や骨盤複垂直骨折であるMalgaigne骨折では、
骨盤の安定性が失われています。
創外固定器の使用で骨盤骨の安定化と整復固定が行われていますが、それでも、完全に元通りは、期待できません。

恥骨結合離開と仙腸関節の脱臼


イラストのような不安定損傷では、オペにより仙腸関節を整復固定すると共に、
恥骨結合離開についてはAOプレートによる内固定が実施されていますが、やはり、完全に元通りは、期待できません。

したがって、骨盤骨折の重症例では、どのレベルの変形を残しているかを立証することになり、3DCTが威力を発揮します。

骨盤骨の歪みにより、左右の下肢に脚長差が生じたときは、ONISのソフトを駆使して、脚長差を具体的に立証します。
1cm以上であれば13級8号、3cm以上であれば10級8号、5cm以上であれば8級5号が認定されるのですが、
骨盤骨の変形で12級5号と比較して、いずれか上位の等級が認定されており、このことも、承知しておかなければなりません。


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