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交通事故外傷と後遺障害


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3[びまん性軸索損傷]

頭部外傷 傷病名と後遺障害

 

3 びまん性軸索損傷

 ( 1 )病態

交通事故における、びまん性軸索損傷は、頭を道路の比較的平坦な所に強打した際、その衝撃波が頭蓋 と脳に伝わり、両者の加速・減速の差により、脳そのものに広範囲に損傷が生じると言われています。
小さな血腫が数多く点在するのですが、前頭葉や側頭葉の脳挫傷のレベル、挫傷性の出血や脳浮腫のレベルはいずれも低いものです。 にもかかわらず、重篤な意識障害が続きます。
開頭術で血腫の除去は不可能であり、脳浮腫の程度によっては、植物状態に至ります。

( 2 )診断

受傷直後から、高度の意識障害が認められますが、頭蓋内圧の亢進症状もおだやかで、 XP 、 CT 撮影では、広範囲の脳挫傷や頭蓋内血腫が認められません。

臨床では、意識障害のレベルで判断しており、受傷から 6 時間以上の意識障害が継続する重篤な症状では、びまん性軸索損傷と診断しています。

MRI などで脳梁、中脳、大脳基底核=脳の中心部等にびまん性軸索損傷が及ぶケースでは、意識の改善は期待できず、植物状態に至ります。

 ( 3 )治療と後遺障害

事故時による脳実質部の損傷、つまり、衝撃がそのまま脳に達し脳の一部を破壊した状況では、治療法がありません。
びまん性軸索損傷では、衝撃によって生じる 挫傷性の出血や脳浮腫等、二次的な病変に対し、対症療法が行われるに過ぎません。

 
T1 強調像

T2 強調像

コラム 私の経験則?

びまん性軸索損傷とは、傷病名というよりも傷病の実態を説明しており、脳表面の広範囲にわたる挫傷=細かくて広い範囲の点状出血を意味しているのです。

私がこの傷病名に遭遇したのは平成 6 年が最初で、被害者は、事故当時 21 歳の女性でした。
乗用車の助手席に同乗中、運転者が電柱に衝突、彼女はフロントガラスの最上部のフレームに激突、傷病名は、頭蓋骨弯隆部開放性陥没骨折、外傷性くも膜下出血、脳挫傷、左頬骨骨折、・前頭部挫創でした。

開頭術後も 30 日間は意識の喪失状態 が続き、その年の 12 月になってようやく、家族と意思の疎通が図れる程度に改善、 受傷から 50 日を経過 していました。

事故後の脳波検査で前頭葉にスパイク波=外傷性てんかん発作を示す異常所見が認められ、抗痙攣剤、デパケン R の内服と運動の禁止が指示されました。
加えて、左半身に麻痺があり、片松葉杖による歩行の状態でしたが、年末に退院、通院治療となりました。

“娠が遅く、理解しているのかどうかがつかめない?
⊆分の意思が表面に出てこない?
食後の後片付けで「食器を洗って!」と指示すれば、ちゃんと行うが、「食器を洗って元通り食器戸棚に仕舞っておいて!」と指示しても洗うだけで終わってしまう?
ざ畚蠅両ε抗垢ら、一人で歩いて自宅に戻ってくることができない?
ゴ蔽韻閉狒の計算ができない?
事故後、ホルモンのバランスが崩れたのか生理が停止したまま?
Р畤症に陥り体重が 38kg から 60kg と増加、現在も増え続けている?
自宅に戻ったものの、上記の予想外の症状が出現しました。

主治医に面談、確認をしたところ、「びまん性軸索損傷とは、脳神経細胞のうちの有髄神経線維の軸索が外からの衝撃で拡散冗長してしまった状態のことです。有髄神経線維は体性運動神経および知覚神経であるので、患者の脳の実質部に脳萎縮が全く認められなくても、左片麻痺や記銘力の低下、失算が出現してくるのを特徴としているのです!」と、初めて、びまん性軸索損傷所見の説明を受けました。

受傷から 20 ヵ月 目に症状固定とし後遺障害診断 を受けたのですが、被害者の母親が娘さんの日常について詳細をノートに記載していたのが大変役に立ちました。
これらの不可解な点を外傷に関連付けて証明する目的で、 スペクト検査、 脳内の血流を観察する CT 検査、 WAIS 検査= W echsler Adult Intelligence Scale という最も高度な知能検査を受けました。
スペクト検査では、前頭葉に血流の異常が認められ、 WAIS 検査では IQ が 53 、これは小学校 3 年生程度のレベルを示しています。余談ですが通常の社会生活を営むには IQ100 前後が必要とされています。
IQ35 〜 55 は痴愚、 20 〜 40 は白痴、 25 以下は最重度とされています。
天才のレベルは IQ130 以上で、おそらくビル・ゲイツさんあたりがそうなのでしょう。

結果、被害者は 5 級 2 号「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの、」の認定 を受けました。
搭乗者傷害保険の 590 万円を含め 8100 万円が示談解決金額となりました。
当時は、私も Nliro 調査事務所も、高次脳機能障害を正確に理解していません。
現在であれば、最低でも 3 級 3 号になったのではないかと考えています。
参考までに「特に軽易な労務」とは煙草屋の店番程度を言うそうで、古い時代のお話です。


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