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交通事故外傷と後遺障害


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頭部外傷 傷病名と後遺障害

 

6 慢性硬膜下血腫

 ( 1 )病態

慢性硬膜下血腫は、急性硬膜下血腫のように、ただ単に硬膜とくも膜との間の血管から出血し、血腫ができたものではありません。慢性硬膜下血腫の原因になる出血は、衝撃を受けた直後に、諸症状が出てくるような大量なものではないのです。慢性硬膜下血腫では、比較的軽微な衝撃で発症すると言われています。

受傷後 3 週間〜 6 ヵ月以上、中でも一番多いのは 2 〜 3 ヵ月を経過して、血腫が大きく成長、脳を圧迫する段階となって、初めて諸症状が出現します。

( 2 )症状

数ヵ月前、頭部に軽い外傷があり、その後、片麻痺、記銘力=記憶力の低下、意識障害等が表面化してきます。高齢者では、初めから痴呆症状が出現することもあります。

( 3 )診断

CT で、頭蓋骨の内面に接して、凸レンズ状、三日月状、脳の中心の傾き、 mid line shift 等、脳の萎縮の状態等を確認して診断します。

受傷後、 2 、 3 週間では血腫は白く写ります。
そのうち、白黒の判別ができなくなり、次第に、血腫内の血液の成分の減少に伴って、血腫は、黒っぽく見えるようになります。打撲によるアザの血液が吸収されていく様子をイメージしてください。
時間が経過、黒く変化した血腫内に新たな出血が発生すると、白黒が混在する画像となります。

CT で、正常の状態より白く見えるものを、高吸収域= high density 、黒く見えるものを、低吸収域= low density と呼んでいます。


CT所見

CT所見

CT所見

( 4 )治療と後遺障害

この手術は比較的簡単で、中には、局部麻酔でも行われています。
先ず、血腫の上の頭蓋骨部に 1cm 程度の穴を 1 、 2 ヵ所開けて血腫を取り除き、同時に、十分に洗浄します。
術後は、血腫を取り除いた空洞部に、チューブを 1 、 2 日ほど留置するのみで、ほとんどは、この治療で治癒しています。しかし、血腫の除去+洗浄で、なぜ治癒するのか?実は、よくわかっていません。
症状が認められれば、 9 級 10 号は確実です。

コラム 私の経験則?

この事故は平成 11 年 2 月に京都市伏見区で発生、被害者は 76 歳の男性です。 

幹線道路を自転車で横断中に乗用車の衝突を受けたもので、当初の傷病名は、頭部外傷、両膝打撲・挫傷、顔面打撲・擦過傷でした。 参考までにお爺ちゃんの過失は 25 %です。 

通院事案でしたが念のために、健康保険を治療先に提出、真面目に通院もしており、症状も軽快しつつありましたが、平成 11 年 5 月 24 日、通院の途上で転倒し花壇に額をぶつけるという事故が発生、救急車で病院に搬入されました。意識は清明でしっかりしており XP 上は、骨折等の異常な所見もありません。 
前額部の縫合処置を終え被害者は自宅に戻るつもりでしたが、高齢者なので念のために入院処置となりました。

入院 2 日目に撮影された頭部 CT 撮影で、右前側頭部に慢性硬膜下血腫が発見されたのです。
血腫の大きさは 1.5 × 7cm と大きく手術適用のレベルでありましたが被害者に頭痛・嘔吐・悪心等の脳圧亢進の症状が全く認められず、無症状であったところから、保存的に血腫の消失を待つ療法が選択されました。

当然、保険屋さんは色めき立ちました。例によって本件事故との相当因果関係云々です。
私は別に、ビクともしません。

CT で発見された血腫は画像上でも黒色系で容易に慢性と即断されるもの、花壇にぶつかって出血したのであればこのような色ではありませんし、確実に意識を喪失しています。 

保険屋さんには 2 ヵ所の病院で主治医と面談した結果をレポートにまとめ、 XP ・ CT を添付し Nliro 調査事務所に対して、事前認定を申請するように丁寧にお願いしました。
1 ヵ月を要しましたが、「本件事故に起因する!」 との結果が得られたことは言うまでもありません。
慢性硬膜下血腫は 60 才以上の男性に特に多く、本例のように外傷から 3 週間〜 3 ヵ月経過して発症するのが特徴、本例では、無症状でしたが、普通は頭痛・精神活動の遅鈍・記憶障害等が目立つようになります。

このお爺ちゃんについては平成 12 年 6 月に血腫が縮小してきましたので症状固定とすることにしました。
昔気質の人間ですから、弱味を見せようとしません。

私はお婆ちゃんと先に打ち合わせを行い、お爺ちゃんに「本当のことを言ってくれればひょっとして 616 万円くらい になるかもしれませんよ?」とお金で欲を刺激する作戦を展開しました。
「夜中にトイレに起きて電話帳に、けつまずくと痛くて腹が立ちますが、万札であればこんなところに置いていたのかと愛しくなるもんですよ?」と煽り続けたのです。
もちろんお婆ちゃんも必死のパッチで、共同作戦が功を奏しお爺ちゃんの口は軽くなりました。

右上下肢の不全麻痺による運動障害、激しい頭痛、耳鳴り、難聴を自覚症状として訴え 9 級 10 号「神経系統の機能または精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの、」の認定を受け、 25 %の過失相殺をして 800 万円で示談締結となりました。

示談後、お爺ちゃんは私に「本当は 7 級であってもおかしくはなかった?」と不服そうに言いました。
「欲は健在だ、長生きしますよ!」お婆ちゃん共々大笑いをしました。
横にいたお爺ちゃんも、歯のない口で笑っていたのです。
すべからく被害者はこうでなくてはいけません。お爺ちゃんが大好きになりました。


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