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交通事故外傷と後遺障害


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頭部外傷 傷病名と後遺障害

 

8 脂肪塞栓

( 1 )病態
骨折の合併症の中で、最も重篤なもので、 脂肪滴が静脈を通じて大量に全身循環へ流入、脳、肺、心臓等に脂肪による塞栓が生じると、重篤な呼吸・神経麻痺が起こります。

多発外傷>骨盤骨折>大腿骨骨折>脛骨骨折の順で発症の可能性が高く、上腕骨骨折・頭蓋骨骨折・胸骨骨折・肋骨骨折では、ほとんど報告がありません。

骨折と脂肪塞栓の因果関係ですが、現在では、外傷後の骨折の結果、体内の脂肪代謝が変化し脂肪塞栓を引き起こしているのではないか?と考えられており、原因は特定されていません。

( 2 )症状
通常、受傷後 12 〜 24 時間後に発症、多くは発熱・頻脈が初症状で、過半数の症例に前胸部や結膜に点状出血=赤いポツポツが見られます。 
肺に塞栓が生じた場合は当然、呼吸困難となり、それにより低酸素脳症に発展した場合は、意識障害、精神症状等の後遺障害を残します。

余談ですが、歌手のフランク永井さんは交通事故ではありませんが、この低酸素脳症で歌手復帰ができないまま、お亡くなりになりました。

( 3 )診断

呼吸症状のために急速なヘモグロビンの低下を招き、動脈血ガス分析=動脈中の二酸化炭素や酸素量を調べる検査では、 70 Hg 以下の低酸素血症を示します。

肺に塞栓が認められるケースでは、肺の単純 X 線で、量肺野に特有の snow storm =吹雪様の陰影が見られ、脳内に塞栓が生じた場合には、 MRI で、急性期には点状出血に一致して T2 強調で白質に散在する高信号域の小病巣がみられます。

( 4 )治療と後遺障害
治療の重点は全身管理であり、特に酸素吸入による酸素投与となります。


snow storm 様陰影

コラム 私の経験則?

この傷病名は 20 年間で 2 例を経験しております。

私は、勝っても負けても阪神が大好きで巨人の存在を認めていない虎キチですが、この私と志を同じくする焼き鳥屋の親父がこの傷病名で亡くなりました。 

中央市場から仕入れの帰り、原付単車で走行中、交差点で乗用車と出合い頭に衝突し右大腿部を骨折しました。 開放性の粉砕骨折ですから重症ではあったのですが、見舞った私に、阪神の優勝を語る元気がありました。 
そうです、当時はバース・掛布・岡田・真弓が活躍、稀に見る大進撃中だったのです。
事故受傷から 4 日後、大腿骨の手術も前日に終えホッとしていた筈ですが、様態は急変し国立病院に搬送されるも回復せず、その日の内に人生の幕を閉じてしまいました。

奥様に同席して主治医の説明を受けたのですが、このときの傷病名が肺脂肪塞栓でした。
「骨折により骨髄から飛び出した脂肪が静脈を通じて入り肺動脈で塞栓したことにより、呼吸困難・意識消失を来した。 当院搬送後は、即座に気管切開を行い、強心剤の点滴・心臓マッサージを実施、救命に努めたが効果が得られなかった。」これが医師所見でした。
この後、担当した保険屋さんは事故と関係のない心筋梗塞による死亡を疑い医療調査を開始したのですが、有意な証拠を集めるに至らず保険金は支払われました。

もう一例は自宅近くで発生した交通事故でした。 
京料理で有名な老舗の料亭に板前見習中の 20 歳の男の子が被害者です。 勤務を終え、会社の寮に原付単車を運転して戻る途中にひき逃げ事故に遭ったのです。 
現場近くの救急病院に搬送、傷病名は右下腿骨の骨折でした。
実家の九州から被害者の母親が見舞いに駆けつけた時は、話ができる状態でしたが、やはり術後 3 日目に胸苦しさを訴え意識を消失しました。
直後、気管切開を行い救命治療が実施されたのですが、意識を回復するのに 40 日を要しました。

この被害者は呼吸停止による脳内の酸素不足により、致命的な脳損傷を併発し、その後の治療にもかかわらず、終身労務に服する事ができないとして 3 級 3 号の後遺障害等級が認定されました。 
このように、脂肪塞栓は当初の傷病名からは予期できない急変で、生死に関わる事態を迎えるのです。 

症例は欧米に多く、必ずしも骨折を伴わないとされています。
滅多に起こることではありませんが、臨床所見では頻脈・発熱・意識障害・皮下点状出血斑=受傷後 2 〜 3 日して頚部・前胸部・腋の下に現れる、貧血等が現れるとされています。


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