|
残業を終えた経理部の宇野さんがマイカーに乗って約8km先の自宅に単車で向かったのは
午後8時30分頃です。途中で同じ道をマイカーで通勤する同僚の吉田さんが
エンコした車の修理をしているのに出くわしました。宇野さんは機械に詳しかったので単車を停め、
吉田さんを手伝っていたところ、後方から走行してきた自家用車の追突を受け負傷しました。
通勤災害は認められるでしょうか?
稀なケースとお考えかも知れませんが、北海道や雪国ではよく発生するのです。
S49-9-26基収第2881号では「雪道をマイカーで出勤中、
後部車輪を雪に埋ずめて動けなくなっている車両に出くわし、道幅が狭く、追い越せなかったため、
車を降りて手伝っているうちに負傷した事例で、
合理的な経路・方法による出勤の途中であったことが明らかであり、
動けなくなっている車が道をふさいで、他に迂回する道もなかったところから、
通勤をするためには救助する必要があったとして通勤災害を認めました。
さて、ここからが問題です。
お上は手伝う必要性を問題にしているのであって、善意は全く考慮していないのです。
先の場合も、道をふさいでいた!迂回する道がなかった!
だから通勤をするのには救助せざるを得なかったと理由をつけているのです。
宇野さんが吉田さんを手伝ったのは純粋に善意からの行動です。
道幅が狭く追い越せない状況ではありません。従って通勤災害は認められません。
お上は、善意の行動を合理的と考えていないのです。
|