交通事故110番  
まず初めに! コンテンツ 掲示板 相談メール 会員サイト サイトマップ
TOPページへ
交通事故外傷と後遺障害 高次脳機能障害 頚・腰部捻挫 判例の解説 健康保険&労災保険 保険の約款 支払基準 別表 物損 扮セン他
top > コンテンツ > 頚・腰部捻挫の徹底研究 > バレ・リュー症候群
頚・腰部捻挫の徹底研究


 バレ・リュー症候群

さて、難解な領域に突入して行きます。

交通事故受傷し、受傷直後は、首が痛い程度で特別には何ともなかったのですが、3〜4日して倦怠感、疲労感、熱感、不眠、脱力感、眩暈、耳鳴り、難聴、眼精疲労、流涙、視力調節障害、痺れ、肩凝り、背痛、腰痛、頭痛、頭重感、動悸、息切れ、四肢冷感、食欲不振、胃重感、悪心、腹痛、下痢、便秘などが一気に襲って来ました。まるで「アリナミン」を瓶ごと飲まなくてはならないような症状です。

被害者はもうフラフラになって病院に出掛けます。整形外科or脳神経外科で受診し、血液・尿・XP・神経学的検査を受けますが、はっきりとした異常が見つかりません。担当医によっては「どこも悪いところはありませんから、気のせいでしょう!」なんて言ってのけるのです。

大多数の被害者は、腹の中で「この藪が!」と毒づきます。この後、転院を繰り返すのを「ドクターショッピング」と呼びます。中には形を変えて接骨院、鍼灸、中国医学、カイロプラティック、気功、果 ては足裏マッサージの方向に走られる被害者の方も沢山おられます。これを何と呼ぶか未だ浮かんできません。

これらの不定の身体的愁訴が存在し、これらに見合う器質的病変が各種検査によって裏付けられないものを総称して、医療の世界では「自律神経失調症」と呼んでいるのです。この内、交通 事故受傷で頚部の自律神経機能に障害が出ているものを「バレ・リュー症候群」と名付けています。
神経について勉強していきます。神経は体性神経と自律神経に大別 されます。非常に分かりやすく説明します。新地のクラブで隣に座った妙齢の美人ホステスさんの手を握るのは体性神経のなせる技です。

従って体性神経は動物神経とも呼ぶのです。手を触れられた妙齢の美人ホステスさんの腕に「トリハダ」が立てば、これは彼女の自律神経のなせる技なのです。

つまり自分の意識でコントロールが可能なものは体性神経、自分の意識とは関係なく働き、コントロールの不可能なものが自律神経なのです。

自律神経は植物神経とも呼ばれるのですが、自律神経だけが働いて、呼吸、循環、消化、内分泌の機能が残存している状態を「植物人間」と呼ぶのもここから来ています。

涙を流す、汗をかく、トリハダをたてる、腸を動かす等々が自律神経の働きによるものであることは、前回に説明を致しました。
この自律神経には交感神経と副交感神経があり、お互いに相反する作用を繰り返しているのです。交感神経は「敵と争う体制」を形成し、副交感神経は「休養と栄養補給体制」を形成しているのです。心拍は交感神経では速く、副交感神経では遅く、血圧も交感神経では上昇、副交感神経では降下、消化管運動は交感神経では蠕動抑制、副交感神経では蠕動促進の働きを示すのです。

この交感神経と副交感神経が自動的にかつ程よくバランスを保って働いてくれていますので、人体の正常な機能が維持されているのです。又自律神経は身体と精神の間を取り持つ作用があるとも言われているのです。

「バレ・リュー症候群」は大正15年にバレ博士が「頚部の疾患、外傷でありながら頭部や顔面 に頑固な自覚症状を訴える症例があり、これらの症例は頚部の交感神経機能と密接な関わりを持つ」と発表したことに始まります。

交感神経は頚椎の前側面の左右両側を走っており、頚椎間から伸びている神経根とは交通 枝を持ち、互いに連絡を取り合っているのです。従って交通事故受傷により頚部の神経根に障害が起これば、交感神経がその影響を受けたとしても別 に不思議なことではありません。更に頚部の外傷により、交感神経の周囲に出血や浮腫が発生して直接交感神経を圧迫していることも十分考えられるのです。

頚部の交感神経は、頭部・顔面・上肢に流れる動脈の壁に分布して冠状動脈の拡張・収縮の役割を担当しているのです。これが圧迫等により刺激を受けてバランスを壊すと血行障害を発生させ人体が正常に機能しないことになるのです。

治療は、頚部交感神経の過緊張状態を緩和させる目的で、星状神経節ブロックの注射が行われるのが普通 です。

通常の治療は、整形外科や脳神経外科が担当します。ここには自律神経の専門医はおりませんので、症状が長期化しつつあるケースでは自律神経科や心療内科、精神科において専門医の診断を受ける必要が出てきます。

更に「バレ・リュー症候群」の殆どのケースで頚椎の4・5・6に退行性の変性が認められるとの報告も寄せられています。
こうなると「変形性頚椎症」の範疇で捉えられる疾患ですから、神経根圧迫の原因となっている骨棘や椎間板を摘出後、前方固定術を実施することになるのです。

本症例で手術を受けない場合は、14級10号、12級12号の選択となります。
固定術が実施されたケースでは、11、8、6級の選択となります。


前のページに戻る このページの最初に戻る

TOPページへ 交通事故相談サイト