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| ■変形性頚椎症 |
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さて、「変形性脊椎症」です。医師によっては「頚椎症」「頚部脊椎症」「脊椎骨軟骨症」「脊椎骨関節症」「OA(変形性関節症)」と病名もマチマチです。
脊椎は7個の頚椎、12個の胸椎、5個の腰椎の計24個の椎体で構成されています。それぞれの椎体の間にはショックアブソーバ&ボールベアリングの役目を果
たす椎間板が存在します。又脊椎の前部は前縦靭帯、後部は後縦靭帯が張り付いて脊椎を保護し、脊椎の動きをサポートしています。この後縦靭帯の真後ろを硬膜に保護された脊髄が通
っています。更に椎骨の両サイドの孔には椎骨動脈が流れているのです。ここまでは復習です。
人間、悲しいかな歳を重ねるにつれそれまでみずみずしかった皮膚や関節を初め、全ての組織が水分と柔軟性を失っていきます。毎日、素肌のお手入れに余念のない女性の方は実感としてご存知の筈です。
当然、脊椎についても年令による変化が生じてきます。このことを医学の世界では加齢変化、経年性変化、退行変性と難しく表現します。
順番に説明して行きます。 先ず椎間板の変性から始まります。 水分、ムコ多糖類の減少により弾力性が失なわれて来るのです。
座布団が薄くなってくると、その結果として関節軟骨の磨耗や消失が起こり軟骨下の骨硬化、骨棘の形成、骨嚢胞形成へと徐々に進行していくのです。
これを椎間関節の退行性変化と呼びます。
余談になりますが、近年「椎間板ヘルニア」にレーザー治療が登場しており、注目を浴びております。これは椎間板の髄核にレーザー光線を照射し水分を蒸発させることによって椎間板の全体を縮め、脊髄に対する圧迫を除去する方法で入院が1〜3日以内でOKと言う画期的な治療法です。但し健康保険の適用はありません。しかし私の腰椎椎間板ヘルニアには効果
がありません。何故か?蒸発させる水分に乏しいのが原因です。何やら、淋しくなってしまいますね。
同時に脊椎周辺の靭帯、筋肉、関節包、結合組織も硬化・肥厚を始めます。これを医学では軟部組織の線維性変化と表現します。何やら偉そうですね。
ここまで来ると脊椎間は非常に不安定な状態となり、椎骨動脈の血行障害が出て来るのです。更に動脈硬化により脊髄や神経根の血流障害が正に追い討ちをかける状態となります。
ここまで書き出すとお分かりだと思われますが、「変形性脊椎症」「頚椎症」とは歳を重ねたことによって脊椎に発症する疾病なのです。
医師の診断書に「外傷性頚椎症」「外傷性脊椎症」との記載が稀にありますがこれは外傷を契機にして脊椎症を発症したと理解する必要があります。つまり外傷によって脊椎症という病変が発症することは有り得ないのです。脊椎症の症状が発症したと考えなければなりません。そしてこれが実は大変厄介な代物なのです。
「変形性脊椎症」は、一般的には35才以上の年令から認められます。 症状と治療内容は「鞭打ち損傷」と同じと考えて差し支えがありません。脊髄障害が主体、神経根障害が主体、それらの両方を示す場合があります。
知覚・運動機能異常としては、疼痛、痺れ、筋力低下、筋萎縮、筋肉の痙攣を示し、頚部交感神経異常としては、頭痛、眩暈、耳鳴り、嘔気が現れます。
これらの神経障害に抹消血行障害が加わると、頭痛、項部〜肩にかけての疼痛・筋緊張感・筋硬結・圧痛が加わります。
治療はあまりに症状が強い場合は、入院の上グリソン牽引(介達持続牽引)を行うこともありますが、一般
的には急性期は「安静」が主体です。 |
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神経学的な検査、XP、MRIの撮影の結果、得られた所見に基づき消炎鎮痛剤、筋弛緩剤、ビタミン剤、循環改善剤、動脈硬化用剤等の内服が指示されます。急性期以降は温熱・運動・牽引の理学療法が開始され、頑固な痛みが継続する場合は上記に加えて各神経ブロック療法が実施されます。
被害者の年令が35才以上で長期化する「鞭打ち損傷」の大半が本症例であると私は考えています。
被害者の方は元々、年齢的な骨の変化による病状があった訳ですから、上記の治療を継続したとしても病状の消失が期待できるだけで、病状の根本的な治癒はあり得ないことを冷静に判断しておく必要があります。病状が緩解すれば良しとすべきで、今後再発の可能性もあり得ることを承知しておく必要もあるのです。
本例で手術を受けないケースは、14、12級の選択となります。
固定術や脊柱管拡大形成術を受けられた場合は、11、8、6級の選択となります。
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