TOPページへ 交通事故相談サイト


前月へ 2017/11 次月へ



■【2017/11/01】高次脳110番 障害者自立支援法?click!

■【2017/11/02】高次脳110番 症状は、いずれ改善する?click!

■【2017/11/06】高次脳110番 介護にレスパイト?click!

■【2017/11/07】高次脳110番 将来の介護料のまとめ?click!

■【2017/11/08】高次脳110番 家族介護・職業介護・レスパイトclick!

■【2017/11/09】高次脳110番 女性の働く権利?click!

■【2017/11/10】高次脳110番 子どもの高次脳についてclick!

【2017/11/13】備考 幼児・生徒・学生の逸失利益の算定方法について

備考 幼児・生徒・学生の逸失利益の算定方法について

 
幼児・生徒・学生の逸失利益の算定方法について

1)3地裁民事交通部の共同提言
1999年11月、東京・大阪・名古屋の三地裁民事交通部の共同提言による指針を発表しています。
ヾ霑端入は、原則として、賃金センサスの全産業計・企業規模計・
学歴計・男女別全年齢平均賃金とし、ライプニッツ方式で中間利息を控除する方式で算定すること、
被害者が大学進学を確実視されるときは、大卒の平均賃金の適用ができること、

2)男女間格差の問題
男女間格差の問題について、三地裁共同提言では、是正の必要性およびその可否について多くの検討すべき要素があり、直ちに解決することは困難として先送りしています。

3)年少女子の死亡逸失利益の算定
H13-3-8、東京地裁判決
河辺義典裁判長は、女子小学生の交通事故死の逸失利益について、従来の女性労働者の平均賃金を適用して算定する方法では、性の違いで差別する側面があり、男女平等の理念に照らして適当でないとして、男女を含めた全労働者の平均賃金で算出することで額を引き上げる判決を示しました。

H12-7に奈良地裁葛城支部でも同様の判決があるのですが、全国の見直しには至っておらず、今回の河辺義典判事は交通事故訴訟を専門にあつかう東京地裁民事第27部に所属しており、今回の審理は3人の裁判官の合議で結論を導き出しています。

この判例の影響を受けてと予想されるのですが、男女間格差の解消のため、年少女子の死亡逸失利益の算定においては、基礎収入を男女計の全労働者平均賃金とし、生活費控除率を45%とすることで調整する方式が定着しています。
死亡逸失利益の算定に用いる生活費控除率は、男女差別を意識して、独身・主婦・幼児を含む女性は30%、独身・幼児を含む男性は50%と基準化されているのですが、年少女子で基礎収入に全労働者平均賃金を使うときは、男子を上回ることのないように、45%に調整されています。

しかしながら、後遺障害逸失利益については、男女間格差の問題が残されたままです。

4)新しい判例
H14-5-31、大阪地裁判決
右第4・5足趾喪失、右第1・3足趾の機能障害、右足荷重困難、歩行時の疼痛などで併合8級の認定を受けた小学校2年生の女児に対して、大阪地方裁判所は、逸失利益算定の基礎収入として、平成11年賃金センサス・学歴計全年齢の全労働者平均賃金を使用し、496万7100円、労働能力喪失率45%、喪失期間を49年間と算定し、2374万4029円を認めました。

裁判所は、賃金センサスは、現在就労する労働者の収入に関する限り、現実の労働市場における男女間の賃金格差等の実態を反映したものということができるけれども、就労開始までに相当な期間のある年少者の場合に、これをそのまま当てはめることは、将来の社会状況や労働環境等の変化を無視することになり、交通事故被害者の内、特に年少女子に対し、公平さを欠く結果となりかねない。

なぜなら、今日では、雇用機会均等法の施行や労働基準法における女性保護規定の撤廃、あるいは男女共同参画社会基本法の施行など、女性の労働環境を取り巻く法制度がある程度整備され、それに伴って女性の職域、就労形態等が大きく変化しつつあるということができ、現実社会において、男性と同等かそれ以上の能力を発揮し、男性並みの賃金を取得している女性は決して珍しい存在ではなくなってきているからである。

本件について検討すると、原告の症状固定時の賃金センサスにおいて、男子労働者の平均賃金と女子労働者のそれとでは、年収にして217万0400円の開きがあるところ、原告が本件事故当時においては6歳、症状固定時には未だ7歳で、小学校2年生に在籍中であり、就労を開始するものと一応見込まれる18歳の年齢に達するまでには約11年間を要し、前記のような社会状況等の変化を踏まえれば、同女が将来男性並みに働き、男性並みの収入を得られる蓋然性は相当程度認められるというべきで あるから、女子平均賃金をもって基礎収入とするのは損害の公平な分担という見地からして相当であるとはいいがたく、むしろ、年少者の職域や就労形態の多様な可能性を考慮すれば、全労働者の平均賃金をもって逸失利益算定の基礎収入とするのが相当というべきであると判示しています。

 

■【2017/11/14】高次脳110番 事故と自殺の因果関係?click!

■【2017/11/15】高次脳110番 自賠責保険非該当を裁判で5級2号に?click!

■【2017/11/16】高次脳110番 減収なしで逸失利益を否定?click!

■【2017/11/17】高次脳110番 修行期間中の年収と逸失利益?click!

■【2017/11/20】高次脳110番 職場復帰と労働能力喪失率?click!

■【2017/11/21】高次脳110番 個人事業主の年収?click!

■【2017/11/22】高次脳110番 被害者に病識がない?click!

■【2017/11/24】高次脳110番 独り暮らしでも、家事従事者?click!

戻る このページの最初に戻る

TOPページへ 交通事故相談サイト