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【2018/02/16】脊髄損傷110番 弁護士の立証 被害者の原状回復

脊髄損傷110番 弁護士の立証 被害者の原状回復

 
5.弁護士の立証

ここまでに、高次脳機能障害、遷延性意識障害など、重篤で深刻な後遺障害を説明してきましたが、ここで取り上げる脊髄損傷も悲惨な後遺障害です。
とりわけ、上位頚髄損傷で四肢体幹麻痺では、脳は、シッカリと機能しているのに、横断型脊髄損傷により、被害者は身体の自由が利かず、全介護を受けなければなにもできません。
かろうじて、首を動かすことはできますが、呼吸麻痺では、人工呼吸器に頼ることになります。
被害者にとっては、生きながらも、地獄の日々が続くのです。

第6頚椎、C6の脱臼骨折に伴う横断型脊髄損傷では、手と手指の機能を残していることもあります。
第11腰椎、T11の脱臼骨折に伴う横断型脊髄損傷では、下肢に対麻痺を残し、歩行はできませんが、上肢の機能は正常で、事故後、就労に復帰している被害者も存在しています。
しかし、ここで忘れてはならないのが、排尿・排便障害です。
パラリンピックでは、車椅子バスケット、チェアスキーによるアルペン競技など、障害を克服して頑張っている映像が流れますが、大半の選手は、見えないところで排尿・排便障害に苦しんでいるのです。

弁護士としては、これらの被害者に向き合い、ご家族と話し合って、どんな方法で原状回復を成し遂げ、被害者救済を行うべきか、真剣に検証しなければなりません。
被害者は、原状回復の請求で、なにも我慢する必要はありません。
そして、これらを合理的に立証して、高額賠償につなげることこそが弁護士の仕事なのです。

それでは、実際の裁判例から、あるべき原状回復と弁護士の立証活動を検証していきます。

設問1 被害者の原状回復とは?

運転者の操作ミスにより自動車が民家の塀に激突する自損事故が発生しました。
この自動車に同乗中の18歳女子高校生は、第5頚椎の脱臼骨折、頚髄損傷で四肢体幹麻痺となり、首から下の四肢体幹麻痺で1級1号が認定されています。

損保の反論
ー宅介護の必要性を認めない?
介護日額はせいぜい8000円〜1万円で十分?
2雜遒砲かる雑費は、逸失利益でまかなうか、生活費控除をすべき?
げ雜酥品の買い替え期間が短すぎる?

弁護士の立証
弁護士は、複数回の被害者および家族との面談で、頚髄損傷により四肢体幹麻痺となった18歳の女子高校生の無念さに対して、どのように向き合って原状回復を実現すべきかを検証しています。

ー宅介護にかける家族の強い信念⇒母親の陳述書
△修里燭瓩僚斬隹造⇒介護室、バリアフリー、水回りを中心とした改造の事実証明と施行費用、
I要な介護機器⇒主治医の自宅介護の許可と必要な介護機器の意見書、
ぞ来の介護料については、現在、被害者を介護する母親がいずれ就労する予定があり、職業介護人の導入の必要性、休日である土日には、母親にも介護から離れて休息するための、レスパイト=安息、休暇の必要性があること、将来の介護雑費などについて、1つ1つ、緻密な立証を行い、理不尽とも思われる損保の主張に対して反論しました。

⇒結果、裁判所は損保の主張を退け、2億5700万円、自賠責を含んで総額2億9700万円という高額な和解案を提示しています。
将来の介護料は、1億2600万円、近親者の慰謝料は600万円、和解調整金は2500万円が認定されています。

NPOジコイチのコメント
自宅介護を前提に、介護環境は医師の意見書の通りに完璧に整備されており、損保が主張する自宅介護の否定は簡単に、排除することができました。
問題は、事故受傷から2年を経過していましたが、訴訟時点では、自宅介護の実績はありません。
母親もこの時点では専業主婦であって、就労しておらず、将来の就労を見込んでの職業介護人の導入では、損保も大きく抵抗しています。

これについては、母親の結婚前、結婚後、子どもを出産するまでの職歴とキャリアなどを具体的に立証し、子どもが大学に進学した後は、キャリアを生かした職場に就労復帰する予定であったことを丁寧に立証しており、裁判所は、職業介護人の導入、家族介護のレスパイト、和解調整金として2500万円を認めています。

 

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