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コンテンツの見直し物損 車両評価損、格落ち損害

(4)車両評価損、格落ち損害

1)格落ち、評価損とは?
愛車が追突事故を受け、修理をしたのですが、元通りではなく、不具合がある?
元通りに見えるが、査定では事故車であるとして、事故前の時価額より下がっている?
これらの減価分を、評価損或いは格落ちと言います。

評価損を事故が原因とする損害として請求しても、損保は、社内規定により支払えませんと回答し、納得がいかないのなら裁判でも何でもしてくださいと居直ります。
では、評価損とは、そもそも、なんなのか? これらについて検証していきます。

東京地裁S61-4-25判決 S59(ワ)893号
評価損とは、損傷車両に対して充分な修理がなされた場合であっても、修理後の車両価格は、事故前の価格を下回ることをいうのであるが、
ゝ蚕兢紊慮続Δら、顕在的に、自動車の性能、外観等が、事故前より低下すること、
∋故による衝撃のために、車体、各種部品等に負担がかかり、修理後間もなくは不具合がなくとも、経年的に不具合の発生することが起こりやすくなること、
修理後も隠れた損傷があるかも知れないとの懸念が残ること、
せ故にあったということで縁起が悪いということで嫌われる傾向にあること、
これらの理由により、中古市場の価格が事故にあっていない車両よりも減価することをいうものであると解される。
上記が、評価損を明確に位置づけた判決文で、裁判所は以下の2つの要素で評価損を認めています。
―ねをしたものの、原状回復がなされていないこと、
中古車市場の価格が減価することによる、交換価値が低下していること、

神戸地裁H7-12-6判決H5(ワ)537号
事故歴のある車両は、そのこと自体で交換価値が下落するという我が国の実体がある。
この事実をとらえ、評価損を認めており、これが評価損を認めた判決の主流です。

損保は、車は修理され、元通りに戻りました。
つまり、原状回復しているから評価損は発生しないと主張するのですが、これは評価損の1つの要素についてのみ判断したもので、被害者は、交換価値の低下については、どうお考えですかと反論しなければなりません。

神戸地裁H2-1-26判決H1(ワ)387号
損保は、被害車を現に使用し、かつ、将来も使用するのであるから、評価損は顕在化しておらず、認められるべきでないと主張しています。
裁判所は、評価損とは、事故前の車両価格と修理後の車両価格の差額をいい、(イ)修理技術上の限界から、顕在的に自動車の性能、安全性、外観等が事故前より低下する事によって生じる減価、つまり客観的な評価損と、(ロ)顕在的には完全な修理がなされた場合であっても、隠れた損傷があるかもしれないとの疑念等のために、事故車は一般に嫌われる傾向がある事から生じる減価、つまり主観的な評価損とによって生じるものと解される。

のように評価損を位置づけた上で、評価損は、事故車が現に使用され、かつ、将来の転売の予定がなくても、現実に発生すべきものであると解すべきであるとして、評価損を認めています。

名古屋地裁H3-7-19判決H2(ワ)1126号
損保は、被害車両を転売しておらず、評価損は発生していない。
つまり、評価損が顕在化していないとの主張をしています。

これに対し裁判所は、被害者は、現在、被害車両を修理して営業に利用しているが、前記被害の大きさからすれば、当然その耐用年数や将来の転売価格の低下などの損害の発生が予想されるのであって、被害車を転売していないからといって、これらの損害の発生を無視できるものではないとして損保の主張を却下、評価損を認めています。

東京地裁H8-3-6判決H6(ワ)10949号
損保は、修理の結果、機能面で回復不能の損害が生じていない本件においては、査定価格が150万円下落していることは、交換価値の減少であるところ、かかる交換価値の減少は、車両を使用している限り現実化しないのであって、事故前に具体的な売却予定があった場合のみ肯定すべきであり、本件ではそのような事情が認められないので、評価損は認められるべきでないとの主張を展開しています。

この主張は、損保が評価損を認めない理由とした、評価損が顕在化していないことを、表現を変えて現実化していないとしていますが、意味は同じです。
裁判所は、査定価格の下落を、交換価値の減少であり、車両を使用している限り、その損害が現実化しないとして、損害額の算定に対し、全く考慮しないのは、被害者に著しい不利益を負わせることになって妥当ではないと判示し、一刀両断で評価損を認めています。

東京地裁判決H10-10-14
初年度登録から2年9カ月の経過、走行距離不明、トヨタセルシオの修理費用166万円について、査定協会は、51万5000円の減価と査定していたが、修理費用の20%に相当する33万2028円の評価損を認定しました。

東京地裁判決H21-12-24
初年度登録から4カ月経過、走行距離2856km、ベンツE430の修理費用713万6800円について、修理費用の30%に相当する214万1040円の評価損を認めています。

神戸地裁判決H22-5-11
初年度登録から1年11カ月経過、走行距離9938km、トヨタ エスティマの修理費用125万2600円について、修理費用の20%に相当する25万0520円の評価損を認めています。

横浜地方裁判所判決H24-10-29
納車から1週間未満の事故で、損害賠償として買換えが認められないとはいえ、このように新車として購入後間もない、比較的高額の車両の評価損は、通常よりも大きいと考えられ、少なくとも修理代金の50%とするのが相当である。
横浜地方裁判所判決H17-11-17もほぼ上記と同じです。

評価損を認めないとした判決もあります。
京都地裁 H14-8-29判決(公訴和解) H13(ワ)707号 
初年度登録から11年を経過したロールスロイスが被害車両です。
被害者は、事故歴のある車両は、そのこと自体で交換価値が下落するところ、評価損としては、本件交通事故による修理費用総額の30%が相当であると主張しています。

これに対して損保は、被害車両は、初年度登録から少なくとも10年を経過しているほか、事故との関連性が疑問であったショックアブソーバーも被害者の要求でやむなく修理しており、原状回復は十分であって、評価損は認められないと主張しています。
裁判所は、車両が修理後においても事故直前の価値を回復し得ないことがあるとしても、被害者が修理後も事故車両を継続して使用する場合には、減価が具体的な使用上の不具合を理由とする限り、評価損が認められるべきであり、事故歴による減価は認められないところ、本件では、修理後の不具合を認めるに足る証拠はなく、車両を売却する意向により車販売業者の評価では300万円程度格落ちする旨告げられたと供述するが、客観的裏付けを欠くので、すぐには措信できず、他に被害車両につき現実に減価したことを認めるに足りる証拠はないとして、評価損の請求を却下しています。

この裁判で決定的なことは、被害者が、交換価値の具体的下落をまったく立証していない点です。
業者が言っているとされる格落ちに対する裏付けがなされておらず、その他に減価したことを立証していないことで、請求を却下したのです。
ポンスケ弁護士の立証不足が原因であり、評価損そのものが否定されたのではありません。

東京地裁判決H15-3-12
評価損は、車両の交換価値の低下であり、車両の所有者に生じるものであるところ、原告は本件事故当時、被害車両の所有者ではないし、その後代金が完済されたと認めるに足りる証拠もないら・・・原告が評価損を請求することはできないと却下しています。

東京地裁判決H15-10-30
初年度登録から1年の経過、走行距離5053km、ホンダフィットの修理費用50万円について、事故後修理をしないまま335万円で売却していること、事故時の時価額は91万円であるなどの理由で、評価損が否定されています。

東京地裁判決H21-12-24
所有権留保付自動車が損傷したことによる評価損は、車両使用者ではなく、車両の交換価値を把握している所有権留保者が取得するとして、評価損の請求を却下しています。

交換価値の減価による評価損の請求は、事故歴のある車両は、そのこと自体で交換価値が下落するという我が国の実体を根拠として認められており、裁判所は、修理費の割合で金額を算出しています。
裁判所は、総合的に判断するとしていますが、その具体的な判断材料を判決文で明記しています。

神戸地裁判決 H12-1-27
車種、走行距離、使用年数、損傷の部位、程度、修理の程度、同型車の時価、査定協会の査定など 

裁判判例からは、登録後5年以内の乗用車であって、修理費用が20万円以上で、その車の現価額の10%以上であれば、評価損の請求が認められると読み取れます。

傾向としては、
―蘿度登録からの経過期間が短いほど、走行距離は少ないほど評価損は認められています。

⊆崋錣任蓮高級車は外観が重視され、事故暦の有無は市場の関心事であるので、高級車であれば、評価損は認められる傾向にあります。

B蚕の部位や程度では、損傷が車両の骨格部、溶接パネルまでおよんでいるかがポイントです。
中古車市場では、自動車公正競争規約11条、施行規則13条で、以下の7つの骨格部に修復暦があるときは、表示義務が課せられており、これが損傷の程度を示す1つの根拠となります。

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