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【2018/06/14】部位別後遺障害の見直し 脊髄損傷とは?

部位別後遺障害の見直し 脊髄損傷とは?

 

2脊髄損傷
(1)脊髄損傷とは?


ヒトの身体活動のほとんどの部分は、脳によりコントロールされています。
しかし、脳そのものは、首の最上部までしか到達していません。
顔は、脳幹と直接につながっていますが、それ以下では脊髄が脳に代わって、脳からの指令を手や足などの末梢に伝達し、反対に末梢からの信号を脳へ伝達する重要な役割を果たしています。

脊髄は、脳の底部から背中の下方まで伸びている、直径1cm、小指程度の太さの非常に細長いロープ状の器官であり、脊髄そのものは、軟らかく、損傷されやすいもので、専門医よりは、おからを連想させる脆いもので、脊椎によって囲まれた脊柱管というトンネルで保護されています。

脊髄が横断的に切断されると、その障害された部位より下方向には、脳からの指令が伝達されなくなり、下からの信号も脳に伝達できなくなります。
そのため、運動麻痺、感覚・自律神経、排尿・排便障害などの深刻な障害が生じます。

椎体骨が骨折して不安定なときは、緊急的に固定術が実施されていますが、脊髄自体を手術でつなぎ合わせることはできません。
脊髄は脳と同様に中枢神経細胞で構成されており、損傷すると生まれ変わることはありません。
今後の再生医療の成果が期待される分野です。

日本脊髄障害医学会の調査によれば、脊髄損傷の発生件数は毎年、5000人前後で、交通事故で2400件、労災事故で1500件と報告されています。
交通事故と労災事故で全体の73%を構成しています。

2)脊髄損傷の分類?

脊髄損傷は、大きくは、完全損傷と不完全損傷の2つに分類されるのですが、麻痺症状の部位により、下記の四肢麻痺、対麻痺、片麻痺、単麻痺の4つに分類されます。


四肢麻痺    片麻痺     対麻痺     単麻痺

1)四肢麻痺(ししまひ)
頚髄の横断型損傷により、両上・下肢および骨盤臓器に麻痺や機能障害を残すもので、四肢麻痺はバイク事故やプールの飛び込みなど、頚髄が損傷されたときに発症する麻痺です。

2)片麻痺(かたまひ)
脊髄損傷で、片側の上・下肢に麻痺や機能障害を残すもので、右半身麻痺などと呼ばれています。
片麻痺は、上位運動ニューロンが障害されると発症する麻痺で、右脳に脳梗塞や脳出血などの脳血管障害が起こると左半身に麻痺が見られます。

3)対麻痺(ついまひ)
胸髄、腰髄、仙髄、馬尾の損傷により、両下肢および骨盤臓器に麻痺や機能障害を残すもので、自転車やバイク事故などで胸髄よりも下の脊髄が損傷を受けることで両側性に障害されたときに起こる麻痺です。

4)単麻痺(たんまひ)
脊髄損傷により、1つの上・下肢に麻痺や機能障害を残すもの
単麻痺は、普通は、末梢神経障害で起こりやすい麻痺で、交通事故で右上腕神経叢の引き抜き損傷では、右上肢みの麻痺が起こります。

3)損傷レベルと麻痺の現れ方?

損傷レベルC1〜3

四肢・体幹のすべてが麻痺、自発呼吸が困難で人口呼吸が必要、

ADL

全介護、呼気、唇や顎の動きを利用したハンズフリースイッチの操作が可能。

運動機能

首を動かすことができるが、呼吸に障害があり、上肢・下肢・体幹が麻痺、

移乗・移動方法

専用の電動車椅子を操作して移動する、

自助具・福祉用具

人工呼吸器、専用の電動車椅子を利用、
環境制御装置・特殊寝台の設置が必要である、

損傷レベル C4

四肢は麻痺するも、横隔膜の機能が残存するので、自発呼吸はできる、

ADL

全介護、頭に取り付けた棒や口でくわえた棒を使用して本の頁をめくるなどの動作は可能、

運動機能

自力での呼吸が可能、肩甲骨を上に上げることができる、

移乗・移動方法

専用の電動車椅子を操作して移動、

自助具・福祉用具

専用の電動車椅子、ベッドポインターを利用、
環境制御装置・特殊寝台の設置が必要である、

損傷レベル C5

三角筋と肘屈筋が利き、肩の運動と肘屈曲ができる、

ADL

ほとんどの動作で要介護、ただし手を動かすことができ、上肢装具付きの自助具を使えば食事、筆記などが可能、

運動機能

肩、肘、前腕の一部を動かすことが可能、

移乗・移動方法

平らな場所ではハンドリム※を工夫した車いすの操作が可能、

自助具・福祉用具

電動車椅子を利用、上肢装具付きの自助具(食事、筆記用のものなど)・環境制御装置・特殊寝台・リフトの設置が必要、

 

損傷レベル C6

手関節背屈筋と前腕の回内筋が利く、寝返り、起き上がりなどができる、

ADL

中等度〜一部介助、自助具を用いて食事、筆記などが可能、上半身の着替えが可能、

運動機能

肩に力が入るが不完全な状態、肘を曲げられるが伸ばすことはできない、手首を上げることは少しだけ可能、腕立て伏せの力も少しだけ入る、起き上がることや寝返りを打つことができる、

移乗・移動方法

平坦なところでは、ハンドリムを工夫した車椅子の操作ができる、腕立て伏せの力でベッドと車椅子の移乗が可能なこともある、専用の自動車を運転することが可能なこともある、

自助具・福祉用具

ハンドリムを工夫した車椅子を利用、自助具(食事、筆記・着替・入浴用など)バスボード※・特殊寝台・リフトの設置が必要となる、

損傷レベル C7

肘伸展と手関節の屈曲ができる、

ADL

一部介助あるいは、ほぼ自立、自助具なしでの食事、着替えができ、起き上がること、寝返りが可能である、

運動機能

手関節の動きはほぼ完全にでき、腕立て伏せもできる、

移乗・移動方法

標準タイプの車椅子で移動ができ、腕立て伏せの力でベッドと車椅子の移乗ができる、トイレの便器と車椅子の移乗、専用の自動車の運転ができる、

自助具・福祉用具

標準タイプの車椅子、バスボード・入浴用自助具が必要となる、

損傷レベル C8〜T1

指の屈筋(C8)、手の固有筋(T1)が働く、

ADL

車椅子によるADLができる、

運動機能

上肢を動かす動作ができる、

移乗・移動方法

小さな段差であれば車椅子で乗り越えること、専用の自動車の運転ができる、

自助具・福祉用具

車椅子・入浴用自助具が必要となる、。

損傷レベル T2〜6

体幹の回旋ができない、

ADL

簡単な家事動作が可能。

運動機能

体幹のバランスが少しだけ安定する。

移乗・移動方法

車椅子移動、

自助具・福祉用具

車椅子が必要である、

 

損傷レベル T7〜L2

体幹の回線はできるが、前屈位からの起き上がりは難しい、

ADL

住環境が整えば、家事、仕事、スポーツもできる、

運動機能

体幹のバランスがほとんど安定する、

移乗・移動方法

車椅子移動、練習程度の歩行であれば、装具と松葉杖の利用によりできる、

自助具・福祉用具

車椅子が必要である、

損傷レベル L3〜4

腸腰筋が利く、L2では長下肢装具と松葉杖、L4では短下肢装具と杖で歩行ができる、

ADL

すべて自立している、

運動機能

体幹が安定し、下肢の一部を動かすことができる、

移乗・移動方法

短下肢装具と松葉杖の利用で歩行ができる、

自助具・福祉用具

短下肢装具、松葉杖が必要となる、

損傷レベル L5〜S3

股関節の外転ができる、膝関節の屈曲も可能性がある、

ADL

すべて自立している、

運動機能

足関節の動きは不十分であるが、下肢を動かすことができる、

移乗・移動方法

自立した歩行が可能。


上記は、脊髄の損傷部位と障害の大雑把な分類を示したもので、必ず、上記の通りではありません。
※ハンドリムとは、駆動輪の外側に固定された小型の輪のことです。
※バスボードとは、入浴補助具です。
 

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