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【2018/06/21】部位別後遺障害の見直し ブラウン・セカール症候群と前脊髄動脈症候群?

部位別後遺障害の見直し ブラウン・セカール症候群と前脊髄動脈症候群?

 

(5)ブラウン・セカール症候群=脊髄半側症候群


脊髄の横断面

温痛覚の知覚神経は脊髄に入り、そのまま同じレベルの脊髄を反対側まで到達し、そして脳まで上行し、ヒトは温痛覚を感じるのですが、深部感覚の知覚神経は脊髄に入ってすぐ上行し、脳まで到達し、深部感覚を感じています。
そして、運動神経は脳で命令が発せられた後、走行が延髄で反対側に移動し、そこから脊髄を下行して四肢に到達し、運動を引き起こします。
頭がウニになりそうな解説ですが、こんなことは覚える必要はありません。
では、脊髄の半側が障害されるとどうなるでしょうか?

脊髄の半側と言っても、脊髄全体の半分ではなく、あるレベルにおける脊髄の半分だけの障害です。
例えば、上位胸椎レベルの脊髄の右側だけが障害されると、右側の下肢の深部知覚と左側の下肢の温痛覚が上行できなくなり、左脳からの右下肢を動かすための命令は、下行できなくなります。
このとき、右の下肢の温痛覚は通常通り上行できますので、正常に感じます。

脊髄の右半分

脊髄の左半分

左側の温度覚、痛覚

右側の温度覚、痛覚

右側の深部覚、触圧覚

左側の深部覚、触圧覚

右側の運動

左側の運動

脊髄の片側だけが障害され、片側の下肢の運動麻痺と反対側の下肢の温度覚・痛覚、触覚の低下が組み合わされて起こるものをブラウン・セカール症候群と読んでいます。
いずれの場合も、損なわれた脊髄の部位に強い痛みを伴います。

医師国家試験の学習では、ブラウン・セガール症候群のことを、「ブラのあつくて痛いのには反対だ?」こんな語呂合わせで覚えるように指導しています。
ブラウン・セカールは、温痛覚のみ反対側で、同側では、触・圧・運動覚などの障害を受けるからです。
 

ブラウン・セガール症候群における後遺障害のキモ?

1)腰椎、L2以上の脊髄の半側のみの損傷で、1下肢の中程度の単麻痺が生じたために、杖または硬性装具なしには階段を昇ることができないとともに、脊髄の損傷部位以下の感覚障害が認められるものは、7級4号が認定されます。

2)腰椎、L2以上で脊髄の半側のみ損傷を受けたことにより、1下肢の軽度の単麻痺が生じたために日常生活は独歩であるが、不安定で転倒しやすく、速度も遅いとともに、脊髄の損傷部位以下の感覚障害が認められるものは、9級10号が認定されます。

障害を受けたレベルごとに、等級を精査していくことになります。

(6)前脊髄動脈症候群
脊髄の前側部分の酸素や栄養を供給する前脊髄動脈の血流が低下し、麻痺などの症状が起こる傷病のことで、血管が詰まって虚血を起こしている状況を総称して脊髄梗塞と呼ばれることもあります。
主な原因としては、動脈硬化、大動脈解離や大動脈の手術の合併症が挙げられており、外傷性も否定できないのですが、私は、1例も経験したことがありません。

運動や感覚の麻痺といった症状が急速に進行し、手足の運動麻痺、温痛覚の障害、膀胱直腸障害を訴えます。症状は両側に出現することもありますが、通常は左右差があり、梗塞を起こした脊髄の部位によって、症状の広がりは変わります。
上位頚髄で障害が起こると、呼吸をコントロールする横隔神経の働きが弱まり、呼吸障害も引き起こします。

前脊髄動脈症候群と確定診断されたときは、梗塞を起こしている血管部分を、顕微鏡で確認しながら、慎重に除去する手術が実施されています。
対症療法としては、副腎皮質ステロイド剤の投与、高浸透圧溶液の投与などがされ、脊髄の浮腫を取るために、抗浮腫剤も投与されることがあります。
排尿に関する問題の対策としては、尿道カテーテルを使用します。

外傷性のときは、後遺障害は、残した脊髄症状により、等級が判断されることになります。

 

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