TOPページへ 交通事故相談サイト


前月へ 2018/07 次月へ



【2018/07/02】部位別後遺障害の見直し 末梢神経系 ムチウチ

部位別後遺障害の見直し 末梢神経系 ムチウチ

 

(1)ムチウチ?
ムチウチは、これまでも語り尽くしてきましたが、最終章として、以下をまとめます。

1)ムチウチは、風邪と同じ?
2)ムチウチの後遺障害、4つの認定要件?
3)ムチウチの治療期間など、損保との攻防?
4)損保が頼るケベック・レポート?
5)注目すべきコホート研究?
6)WAD  Q&A
(2)バレ・リュー症候群?
(3)別格 耳鳴り?
(4)ムチウチに伴うその他の症状?



1)ムチウチは、風邪と同じ?
交通事故で圧倒的件数を誇るのは、外傷性頚部症候群=頚椎捻挫=WADです。
整形外科の多くの医師は、WAD、Whiplash Associated Disorderと呼んでいます。

〃柯瑤砲覆鵑蕕の外力が加わったことが推測される受傷機転であって、
画像上、外傷性変化は認められないものの、
H鏗下圓頚部痛などの自覚症状を訴えれば、日常の臨床では、WADと診断されるのです。
受傷機転や自覚症状は、被害者の申告ですから、詰まるところ、「事故にあって首が痛い?」 と言えば、それだけでWADと診断されているのです。
エビデンスをベースに診断がなされている医学の中では、非常に珍しい傷病名であり、風邪と変わらない扱いがなされているのです。

※エビデンス
証拠、根拠、証明、検証結果のことで、医学においては、その治療法が選択されることの科学的根拠、臨床的な裏づけを言います。

WADの自覚症状は、頚部痛以外に頭痛、上肢のしびれ、めまい、耳鳴りなど多岐にわたります。
これらの症状の詳しいメカニズムは、現在に至っても解明されておらず、したがって、根治的な治療方法も発見されていません。
やむを得ず、被害者の訴えに対しては、対症療法が続けられています。

WADでは、受傷直後から、一貫した症状の訴えが続いていることを前提として、左右いずれかの肩、上肢の重さ感、だるさ感、手指の軽いしびれなどの末梢神経障害が後遺障害の対象とされています。

頚部痛、頚部の運動制限、不眠、頭痛、めまいなどは、最初から、後遺障害の対象ではありません。
そして、WADでは、外傷性の画像所見が得られないことが、最大の特徴です。
頚椎椎間板ヘルニア、骨棘形成が指摘されても、これらは外傷性ではなく、年齢に伴う変性所見です。

※骨棘(こっきょく)
椎体関節のクッションの役目を果たしている椎間板は、年齢と共に水分を失い、乾燥し痩せてきます。
となると、椎体の安定性は失われることになり、これは大変だということで、椎体の四隅に椎体骨の一部がせり出し、椎体自身で安定性を確保しようとするのです。
このせり出した骨のことを、骨棘と呼んでいます。
丸みを帯びた椎体の四隅に骨棘が形成されることで、末梢神経の通り道は、狭められるのです。

※椎間板ヘルニア
椎体関節のクッションの役目を果たしている椎間板は、年齢と共に水分を失い、乾燥し痩せてきます。

それにより、椎間板の中心部分の髄核が左右もしくは真後ろに流れ出てくることがあるのです。
突出した髄核が左右の末梢神経や真後ろの脊髄を圧迫していることを、椎間板ヘルニアと呼びます。
骨棘や椎間板ヘルニアは、30歳以上であれば、誰にでも認められる年齢変性です。

椎間板ヘルニアが、脊髄を圧迫しているときは、左右両上肢に症状が出現することになります。

後遺障害等級の認定では、MRIの画像所見が参考にされています。
さらに、MRIでチェックされているのは、C5/6、6/7左右の末梢神経の通り道です。
末梢神経は、神経が剥き出し状態ではなく、さやに包まれて走行しているのです。
18歳頃から緩やかに進行する年齢変性は、大部分がさやで吸収されており、具体的な症状となって現れないのですが、そこに、日常経験することのない交通事故の衝撃が加わると、どうなるでしょうか?
さやで受け止め切れず、末梢神経そのものが損傷することが予想・推測されるところから、このこと、つまり年齢変性が、後遺障害等級を認定する上で、重要視されているのです。

※神経鞘
末梢神経系の神経線維を包む透明な弾性薄膜で、シュワン細胞と呼ばれる細胞からなり、衝撃の吸収と栄養補給を担っています。

 

■【2018/07/03】部位別後遺障害の見直し ムチウチの後遺障害、4つの認定要件?click!

■【2018/07/04】部位別後遺障害の見直し ムチウチの治療期間など、損保との攻防?click!

■【2018/07/04】高次脳機能障害の症状について?click!

■【2018/07/05】高次脳機能障害の症状 注意障害について?click!

■【2018/07/06】頭部外傷後、注意障害のみを残す珍しい例?click!

■【2018/07/09】高次脳機能障害の症状 知的機能?click!

■【2018/07/10】高次脳機能障害の症状 記憶障害?click!

■【2018/07/11】記憶障害の続き?click!

■【2018/07/12】高次脳機能障害の症状 遂行機能障害?click!

■【2018/07/13】高次脳機能障害の症状 社会的行動障害?click!

■【2018/07/17】社会的行動障害の続き?click!

戻る このページの最初に戻る

TOPページへ 交通事故相談サイト