TOPページへ 交通事故相談サイト


前月へ 2018/08 次月へ



■【2018/08/01】40歳男性会社員、妻と子どもの2人、年収800万円の高次脳機能障害3級3号では、click!

■【2018/08/02】定期金賠償のまとめclick!

■【2018/08/03】部位別後遺障害の見直し ムチウチの治療期間など、損保との攻防?click!

【2018/08/06】部位別後遺障害の見直し 損保が頼るケベック・レポート?

部位別後遺障害の見直し 損保が頼るケベック・レポート?

 
4)損保が頼りとするケベック・レポート?
ここからは、少しアカデミックな解説となります。
損保が治療打ち切りの根拠にしているケベック・レポートについて説明します。
これは、1995年、カナダのケベック州自動車保険機構の交通事故データ、ムチウチ3014例に基づいて、ケベック ムチウチ関連障害特別調査団が作成した報告書で、WADを分類し、時間経過を軸にした症状の重症度による診療ガイドラインです。

ケベック・レポート WADの臨床分類

グレード

臨床所見

0

頚部の愁訴なし、他覚的所見なし

頚部の疼痛、強直、または圧痛の愁訴はあるが、他覚的所見のないもの、

他覚的所見=可動域制限、圧痛点がある頚部愁訴、

神経学的所見=深部腱反射の低下、筋力低下、知覚障害などを伴う頚部愁訴

骨折または脱臼を伴う頚部愁訴、

※難聴、めまい、耳鳴、頭痛、記憶喪失、嚥下障害、顎関節痛はいずれのグレードでもみられる。
また6カ月以上症状を示している状態を慢性化と定義している。

日常、相談を受けるムチウチは、記兇圧倒的ですが、ケベック・レポートでは、気脇段未兵N鼎必要なく、兇任4日以上の安静は必要ないとされています。
そして、気任7日目、兇任3週目に再評価が必要とされ、その時点で軽快していなければ、整形外科治療以外に心理的療法の併用を推奨しています。

訴訟で提出される、損保の意見書には、ケベック・レポートを根拠とし、実際に要した休業期間や治療期間が不当に長いとの主張をしてくることが目立ちます。

Grade機↓兇両瀕磴任蓮3週間以上の治療の継続に必要性がないと結論している意見書も目にしてこれらは、ケベック・レポートを損保にとって都合のいいように歪曲したものです。 なぜなら、ケベック・レポートでは、あくまでも専門家による定期的な再評価の必要性が説明されているのであって、一定期間で治療を打ち切るとは説明していません。

.吋戰奪・レポートの問題点?
A ケベック・レポートは、カナダの損保からの依頼で作成された論文です。
損保がスポンサーの論文ですから、裁判で必要とされる客観的な証拠とはなりません。

B ケベック・レポートにおける治療の終了ポイントは、症状の治癒ではなく、仕事などの活動再開におかれているところも納得することができません。
症状を残していて支障があるのに、なんとか仕事ができるようになれば、治療が終了となるのです。
損保にとっては都合がいいのですが、被害者は納得できません。

C ケベック・レポートでは、めまい、耳鳴りなど多彩な症状についてはスルーされています。
分析されたのは、カナダのケベック州におけるデータであり、人種、社会、医療などの背景は、日本国内のものとは、相当、異なっています。
NPOジコイチが相談を受けているWADとは、決して同じではないのです。
以上の点から、損保が、WADでケベック・レポートを引用するのは不適切です。

被害者の心構え?
ともあれ、あなたのムチウチが、ケベック・レポートのGrade機↓、靴里い困譴乏催するのか?
あなた自身で、検証しておかなければなりません。

A Grade0では、
症状なしですから、治療の必要性もなく、人身事故にもなりません。

B Grade気任蓮
他覚的所見がない頚部愁訴とされていますが、MRI撮影で症状と整合性のある年齢変性所見が得られていれば、Grade兇乏幣紊欧箸覆蠅泙后
辛い症状が続くときは、MRIの撮影で検証しなければなりません。

C Grade兇任蓮
他覚的所見を伴う頚部愁訴とされていますが、頚部の可動域制限や圧痛点であれば、保険屋さんは有効な他覚的所見とは考えていません。
Grade気犯獣任気譟3カ月で打ち切られることも予想されるので、MRI撮影により、自覚症状との整合性を立証しておかなければなりません。
損保の信じる他覚的所見とは、MRIの画像所見のことです。

D Grade靴任蓮
神経学的所見を伴う頚部愁訴とされており、MRI画像で、C5/6もしくは6/7の左右のいずれかに、末梢神経を大きく圧迫する所見が確認できれば、12級13号が認定される可能性が予想されます。

頚部神経学的検査の代表的なものは、神経根を圧迫するスパーリングとジャクソンテスト、


スパーリングテスト     ジャクソンテスト
上腕二・三頭筋・腕橈骨筋をゴムハンマーで叩き、腱反射の低下、消失を見る深部腱反射テストです。

 深部腱反射テスト

通院治療先の初診で、これらの検査が実施されないこともあります。
そんなときは、新たな整形外科を探し出し、転院しなければなりません。

E Grade犬任蓮
骨折または脱臼を伴う頚部愁訴であり、こうなるとムチウチ損傷の領域ではありません。

そしてケベック報告では頚部愁訴以外のめまい、耳鳴りなど多彩な症状について言及していません。
そしてこの報告の中のデータは人種背景、社会背景、医療背景などが国内のものと異なっており、我々が普段、取り扱っているWADとは少し異なる可能性があるのです。

最後に一番の大きな問題は自動車保険会社からの依頼で書かれた論文であることです。
損保がスポンサーの論文ですから、裁判で必要とされる客観的な証拠とはなり得ないと考えます。


■【2018/08/07】部位別後遺障害の見直し 注目すべきコホート研究?click!

■【2018/08/08】部位別後遺障害の見直し WAD  Q&Aclick!

■【2018/08/09】問題提起 頚腰部捻挫の新しい判例click!

■【2018/08/10】部位別後遺障害の見直し バレ・リュー症候群?click!

■【2018/08/20】部位別後遺障害の見直し 別格 耳鳴り?click!

戻る このページの最初に戻る

TOPページへ 交通事故相談サイト