交通事故の損害賠償保障制度は、自賠責保険と任意保険の 2 階建て構造になっています。
1 階部分の自賠責保険は、第 1 条で被害者救済を第一の目的にしています。

やや白々しい第 1 条をご紹介しておきます。
「自動車の運行により不可避的に発生する自動車事故の被害者の保護を図ることを第一の目的とすると共に、社会生活上不可欠の輸送手段である自動車運送の健全な発達に資することを目的としている。」
そうあって欲しいものです。
さて、 1 階部分の自賠責保険は、 H14-4-1 から民営化されていますが、調査と認定の実務は、全国 62 ヶ所の Nliro 調査事務所が担当しています。
こんなこと、事故受傷しなければ知ることもありません。
人身事故を不法行為として加害者に損害賠償を求めるには、民法第 709 条、 715 条に基づいて、加害者の過失を立証しなければなりませんが、普通、出来ることではありません。
自動車損害賠償保障法では、被害者は自動車の運行によって損害が発生したことを立証するだけとされ、一方、加害者には、
自賠 3 法の立証責任 |
@自己及び運転者が自動車の運行に関し、注意を怠らなかったこと、 |
A被害者又は運転者以外の第三者に故意又は過失があったこと、 |
B自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかったこと、 |
自賠法第 3 条では、加害者が責任を免れるためには、上記の 3 条件の全てを立証しなければならないと定められており、損害の発生について、無過失責任主義の考えを導入しています。
更に運行共用者の概念を採用し、加害者側の範囲が拡大されています。
自賠責保険の請求には、本請求と仮渡金請求に区分され、本請求は、加害者の請求する自賠法 15 条請求と被害者が直接請求する自賠法 16 条請求に区分されます。
仮渡金の請求は自賠法 17 条に規定されています。
ここでは、被害者請求は、自賠法第 16 条に基づいた請求であることを記憶して下さい。
こんなこと、憶える必要はありません。

自賠責保険は支払限度額の設定された対人保険ですが、この 1 階部分の構造は堅固です。
構造は立派なのですが、管理人の Nliro 調査事務所には、ソコソコ問題を残します。
自賠責保険は無過失責任の考え方と説明していますが、被害者の過失割合によっては減額がなされます。 如何なるケースでも被害者には支払われる? 間違いです。
被害者の過失割合 |
傷害部分 |
死亡・後遺障害部分 |
70 %未満 |
減額はなされません |
70 %以上 |
20 % |
20 % |
80 %以上 |
30 % |
90 %以上 |
50 % |
100 % |
無責で支払いがなされません |
※傷害部分の 20 %減額とは、傷害部分の枠 120 万円が 96 万円になるということです。
※後遺障害部分の減額は認定額に先の割合で減額がなされることを説明しています。 |