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保険の約款


 ■政府の保障事業とは?

加害車両の自賠責保険が切れていた?
ひき逃げで加害者が不明?

許せないことですが、あり得ないことではありません!
自動車保険の損害賠償は 2 階建ての構造と説明してきましたが、この 1 階部分がありません。
この場合の被害者の取るべき手立ては、政府の補償事業に対する請求となります。
どこにも、誰にも請求出来ない被害者を救済する? この観点で整備された法律ですから、厳しい運用が実施されています。

政府の補償事業=自賠責保険?
大多数が、この理解ですが、実は、かなり違います。

支払限度額は、自賠の限度額と同じ、傷害 120 、後遺障害 4000 、死亡 3000 万円ですが、
@ 自賠にある仮渡金や内払金の制度がありません。 治療完了後の一括請求のみ可能!
A 共同不法行為等でいずれかの自賠責保険から支払が受けられる場合には適用されない!
B 労災保険や健康保険の給付と加害者からの支払は、法定限度額からその金額を差し引く!

C 民法第 722 条第 2 項による過失相殺を実施!

「 民法第 722 条第 2 項による過失相殺を行う?」 余り知られていません。
自賠では、被害者の過失が 70 %未満の場合は被害者救済の観点から過失相殺が行われません。任意保険でも通常、過失割合は当事者の事故状況の説明を聞き、それらの状況を判例タイムズにあてはめて両当事者に説明し、合意の上で決めています。

政府の保障事業は、刑事記録に基づいて問答無用で決定します。
被害者の死亡事故の場合、相手加害者の供述だけで簡単に決められるのです。
1 年も待って、信じられない過失相殺が行われていた! は現実に発生しています。
しかも、異議の申立は通知された日から 60 日以内となっています。

更に因果関係の認否が困難な場合、
@ 例えば事故による後遺障害を苦にして自殺した場合や
A 被害者が既往症を有していたために死因が明らかでない場合は、
死亡による損害や後遺障害による損害についてはこれ又、問答無用で 50 %の減額が行われます。この場合でも過失相殺後の損害額に対して 50 %の減額が行われるのです。
被害者にとっては、正にダブルパンチです。


D 好意同乗による減額も実施!
現実の裁判では認められていない減額を行ないます。

被害者本人に過失が認められない場合、
運転者との人的関係、同乗の目的や態様等から損害の全部を運転者に弁済させるのは妥当でないと認められる場合は、慰謝料部分について 20 〜 40 %の減額がなされます。

被害者に過失が認められる場合、

飲酒・酩酊・無免許等正常な運転が期待出来ない要因を一つ知った上で同乗した場合は、 20 %、二つ以上知った上で同乗した場合は 30 %、運転者に乗車を強く求めたとか、酒等を積極的に飲ませた場合は 40 %の過失相殺が行なわれます。
先の 20 〜 40 %はあくまでも目安で、近年飲酒運転の罰則が厳しくなっており、状況によっては上記以上の過失相殺も実施されます。

E 原則として、親族間事故は填補しない!
自賠責保険は親族間事故を支払の対象としています。

政府の保障事業は、被害者に填補した金額をそのまま賠償責任者に求償します。
上記の場合は、同一家族共同体に支払われた填補金が、そっくりそのまま求償請求されることになりますので、意味を持ちません。
但し、請求者が賠償責任者の相続権を放棄したり、限定承認をした場合で請求権のみが残存する場合には填補がなされます。

F 病院からの治療費の請求、労災等社会保険からの求償は認めない!
それ以前に、治療費については、自由診療を認めません。
政府の補償事業の場合は、健康保険或いは労災保険の適用が前提となります


G待ったなしの時効の適用!


事故発生日の翌日を起算点に 2 年で時効が完成します。
自賠責保険では時効完成後 3 ヶ月以内に請求された場合、時効援用としないで救済処置を取っていますが、政府の保障事業ではこの取り扱いはなされません。
例え治療中であっても、事故受傷から 2 年以内に絶対に請求しなければなりません。


自賠責保険の適用が可能か? 保障事業の適用となるのか?
その判断が微妙で最終的に政府の保障事業で対応することが決まった段階で時効が成立しているものに限っては、被害者保護の観点から自賠責保険に請求した日を保証事業に請求した日と見なして対応がなされます。
当事者間において民事訴訟が展開されていても、保障事業に対する請求権の時効は中断されません。 この点も要注意です。

H裁判による確定判決・和解・調停?
裁判による確定判決(調停、裁判上の和解を含む)は、法的には当事者を拘束するもので、第三者の政府の保障事業を拘束するものではありません。
しかしながら、判決による金額は概ね妥当な金額であり、これを争っても判決の金額が採用されることに間違いはありません。 従って判決額は尊重されて損害の填補がなされています。

 これをどう利用するか?
1 年も待たされて 60 %の過失相殺がなされた決定通知書が送付されます。
60 日以内に異議の申立を行い、その直後に加害者を相手に損害賠償請求訴訟を立ち上げるのです。 そこで認定された過失割合や損害賠償額を示して政府の保障事業に対して再請求を行なうことになります。


 ■Q&A



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