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●逸失利益

1後遺障害による逸失利益

 

 

(9)傷病名・部位別でみる逸失利益の検討

 

ヽ綾性頚部症候群
東京地裁判決H7-2-14 
頚椎前弯消失という物理的症状を伴う頭部から上腕に掛けての神経障害で14級10号の認定を受けた男子会社員に対して、症状固定後37年間について5%の労働能力喪失を認めています。

頚椎の生理的前弯の消失は、頚部捻挫の外傷で比較的多く発生する例です。
受傷直後は認められたが、その後の治療経過で改善した例も多数経験しております。
症状としては神経根の圧迫症状ですから、保険屋さんであれば認めても1〜2年となり、これでは自賠責保険の75万円に限りなく吸収されてしまうケースですが、本件では37年間について5%を認めていますから驚きです。 
現在、生理的前弯の消失、頚腰部のヘルニア所見は、有力な他覚的所見ではありません。
http://www.jiko110.com/contents/keiyou/first/index.php?pid=3021&id=1240544673#1240544673
詳細は、上記で確認してください。

▲丱譟Ε螢紂湿標群
東京地裁判決H8-8-27 
自立神経症状であるバレ・リュー症候群を認定して10年間、5%の労働能力喪失を認めています。

頚椎捻挫の症状が交感神経の暴走を原因とするバレ・リュー症候群に限定される場合、MRIや神経学的所見では著名な異常所見は認められません。
治療は、神経内科やペインクリニックで星状神経ブロックを受けるのですが、症状の改善に長時間を要し、一方で保険屋さんの厳しい打ち切り交渉がなされ、被害者は大変苦しめられています。
このケースでも裁判所は10年間5%を認めています。 
東京地裁は民事27部が交通事故を専門に審理しており、ここで、この判例が示されたところに大きな意味が存在するのですが、私は、受傷後の早い段階で診断力のあるペインクリニックで治療を開始すれば、改善が得られると考えています。

コラム バレ・リュー症候群?
バレ・リュー症候群とは、1925年、日本では大正14年にフランスの神経内科医のバレ博士が、「頚部の外傷後に現れる症状は、頚部の自律神経と密接な関わりがある!」この発表をしたことから始まります。 
その後、お弟子さんのリュー博士が更に研究を進めたところから、バレ・リュー症候群との傷病名になりました。 神経は体性神経と自律神経に大別されます。
新地のクラブで隣に座った妙齢の美人ホステスさんの手を握るのは体性神経のなせる技です。 
したがって、体性神経は動物神経とも呼ぶのです。 
手を触れられた妙齢の美人ホステスさんの腕にトリハダが立てば、これは彼女の自律神経のなせる技なのです。

 

 

つまり自分の意識でコントロールが可能なものは体性神経、自分の意識とは関係なく働き、コントロールの不可能なものが自律神経なのです。
自律神経は植物神経とも呼ばれるのですが、自律神経だけが働いて、呼吸、循環、消化、内分泌の機能が残存している状態を植物人間と呼ぶのも、ここから来ています。
涙を流す、汗をかく、トリハダをたてる、腸を動かす等々が自律神経の働きによるものであると説明してきました。 この自律神経には交感神経と副交感神経があり、お互いに相反する作用を繰り返しているのです。 
交感神経は敵と争う体制を形成し、副交感神経は休養と栄養補給体制を形成しているのです。 
心拍は交感神経では速く、副交感神経では遅く、血圧も交感神経では上昇、副交感神経では降下、消化管運動は交感神経では蠕動抑制、副交感神経では蠕動促進の働きを示すのです。
この交感神経と副交感神経が自動的にかつ程よくバランスを保って働いてくれていますので、人体の正常な機能が維持されているのです。
また、自律神経は身体と精神の間を取り持つ作用があるとも言われているのです。

バレ・リュー症候群は、頚椎捻挫の周辺疾患で、交感神経と副交感神経のバランスが壊れた状況のことです。
椎骨動脈には交感神経が平行して走行しており、血流をコントロールしています。

広島地裁判決H9-3-25 
MRI上、頚椎捻挫に起因する器質的異常が明確に認められない場合について、症状固定後10年間9%の労働能力喪失を認定しました。

このケースであれば、Nliro調査事務所は他覚的所見がないとして、通常は非該当、認めても14級9号止まりとなります。 被害者自身が加入する搭乗者障害保険も支払を拒むことがあります。
ご自身で加入する傷害保険や生命保険はほぼ全滅の状態です。
本件では10年間について9%を認めています。
詳細は判例を取り寄せて研究しなければなりませんが、「諦めてはいけない!」 見本です。

H16-9-3仙台地裁判決
右臀部から下肢にかけての冷感・疼痛等、坐骨神経症状により12級が認定された38歳女性看護師について、事故後の5年間に400回を超える神経ブロック治療を受けていること等から、28年間、20%の労働能力喪失を認定しています。

H18-6-16大阪地裁判決
右手指の神経症状、右肩関節痛で併合12級が認定された男性61歳の画家について、画家としての能力を喪失していることを認定、年齢、経歴、後遺障害の程度を考えると、被害者が就くことのできる職業もかなり限られるとして、9年間について50%の労働能力喪失を認めています。

PTSD
横浜地裁判決H10-6-8 
事故当時18歳の女子高生の後遺障害等級6級に加えて外傷後ストレス障害・PTSDに罹患したことが7級の神経障害に該当するとして併合4級とし、92%の労働能力喪失を認めています。

大阪地裁判決H11-2-25 
30歳主婦の心的外傷後ストレス障害(PTSD)につき7級4号に該当するとして10年間について56%の労働能力喪失を認め、心因反応を引き起こし易い素因等の競合が認められるとして20%を控除しています。

大阪高裁判決H13-3-27 
上記大阪地裁判決の控訴審 30歳主婦の心的外傷後ストレス症候群(PTSD)について、7年間35%の労働能力喪失を認め、性格、心因反応を引き起こし易い素因等の競合により20%を控除しています。

福岡高裁判決H16-2-26
微熱、イライラ感、めまい、吐き気抑うつ感等の症状で14級10号が認定された29歳主婦について、一審の認定したPTSDをひていし、器質的障害も認められないとしたが、十分な家事労働を行えず、複数回の自殺未遂もあること等から9級10号として、10年間、35%の労働能力喪失を認めています。

名古屋地裁判決H16-10-22
頚部痛、左肩・前腕のしびれ、不眠、全身倦怠感、意欲低下、フラッシュバックに対する恐怖等で併合14級が認定された実兄が経営するマンション管理会社に勤務する32歳の主婦について、PTSDの発症は否定したが、18年間5%の労働能力喪失を認めています。

東京地裁判決H17-10-25
頚部疼痛、PTSDの症状を示す外傷性神経症で併合14級が認定された21歳女性ツアーガイドについて、症状は14級10号を超えるものではないが、被害者の症状を勘案して賃金センサス女性短大卒年齢別平均を基礎に、10年間10%の労働能力喪失を認めています。

東京地裁判決H17-11-30
事故により中程度のPTSDとされ、12級が認定された女性、主婦兼看護助手について、PTSD以外の、頚腰椎捻挫後の頚部痛、両上肢痛と痺れ、頭痛、腰痛、両下肢痛を含み10年間、14%の労働能力喪失を認めています。

東京高裁判決H18-2-28
不安、抑うつ気分、痙性斜頚を訴える51歳女性会社役員について、後遺障害等級を9級と認定、他の身体的障害11級と併合して8級としたが、身体的障害には、器質的損傷が認められないこと、精神的な障害は、PTSDとまで認定できないこと、判決により精神障害の回復が期待されることを考慮、10年間について45%の労働能力喪失を認定しています。

名古屋地裁判決H19-11-21
専門学校生でアルバイトの28歳男性について、PTSDの発症は否定したが、うつ状態は9級10号に該当するとして、賃金センサス学歴計男性全年齢平均を基礎に、10年間は35%、その後29年間は14%の労働能力喪失を認定しています。

横浜地裁判決H20-2-15
34歳女性会社員の抑うつ状態等は、非器質性精神障害として9級10号に該当するとして10年間35%の労働能力喪失を認定しています。
判決では、後遺障害認定は、後遺障害の内容と程度を診断名を参考にしながら適正な等級を認定するものであり、要件内容が明らかでないPTSDへのあてはめは、あまり意味をなさないと判示しています。

心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、メールで質問の多い傷病名の一つです。
被害者自らが、「私はPTSDで苦しんでいます?」そんな説明のなされるPTSDは後遺障害等級の対象にはならないと考えており、そのように回答しています。
現在も、この考えに変更はありません。

裁判であっても、H10年の判決以降、高額の判決が出ていません。
これは治療を担当する精神科医のレベルで、具体的な治療指針や後遺障害としての立証に大きなバラツキがあることを原因としています。
余談ですが、PTSDについて、もう少し掘り下げます。
Post Traumatic Stress Disorder 心的外傷後ストレス障害と訳されています。
元々は、アメリカでベトナム戦争帰還兵の中に戦争体験の状況から発症した精神障害が報告されてPTSDの基本となる概念が出来たのです。
自然災害や戦争、誘拐、監禁、性的虐待等で被害を受ける、身近な人の死を目の当たりにすると人間は心に耐え難い強烈なショックを受けます。 これをトラウマ(心的外傷)と呼ぶのですが、これによるストレスが心身に引き起こす障害をPTSDと説明しているのです。 近年、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件などでこの傷病名が知られるようになりました。 直近では、新潟の少女監禁事件に関連して報道がなされております。 
国内ではH10-6に初めて、横浜地裁がPTSDで後遺障害等級7級を認めました。

 

PTSD裁判の動向?

期間・地裁

H2-10-17福岡地裁久留米〜H16-11-10さいたま地裁

訴えの件数

66

認・否

認17件、否44件、認定回避3件、

 

損保協会・医研センターの特別医療セミナーがH17-1-14福岡で開催され、H14-7-17東京地裁判決でDSM-犬發靴はISD-10の診断基準を厳格に適用して判断すべきとの方向性が示されていますが、治療現場では、これらが十分に理解されておらず混乱状況が発生していると報告されています。
判決では、PTSDの傷病名は無視、非器質性精神障害として捉えています。
PTSDでないと後遺障害は認定されない?そんなこだわりは捨ててください。

後遺障害では、ともかく、専門医の選択に大汗をかきます。
それに成功しても、膨大な立証の作業があり、大変苦労します。
当の被害者と精神科の医師だけで立証する?そんな簡単なことではなく、ほとんどは失敗に終わっています。

http://www.jiko110.com/contents/gaisyou/nerve/index.php?pid=16&id=1245056409#1245056409
PTSDについては、立証方法も含め、上記で詳細を明らかにしています。

CRPS、RSD
京都地裁判決H15-5-27
頭部、頚腰部、右肩〜右手指、右下肢の激しい疼痛、関節可動域制限、右上肢知覚異常、右上下肢の筋力の低下、右優位坐骨神経痛、右下肢挙上制限で、移動には車椅子を使用している48歳男性大学教授について、皮膚色の変化、骨萎縮は認められずRSDとの確定的な認定は困難であるが、器質的疾患による神経系統の障害として9級に相当すると判断、19年間について、35%の労働能力喪失を認めています。

関節拘縮が認められること、
骨萎縮が確認できること、
皮膚の変化(皮膚温の変化、皮膚の萎縮)が確認できること、

労災保険は、障害認定必携で、上記の主要な3つの症状を要件とし、健側と比較して明らかに認められる場合に限って、後遺障害を認定するとしています。

ところが、疼痛医学は日進月歩で、現在のカウザルギーの鑑別は、以下の2つで説明されています。
神経損傷の存在が不明確な時には、CRPSタイプ機RSDと診断され、
神経損傷が明らかである場合には、CRPSタイプ供瓮ウザルギーと診断されるのです。

そして、CRPSタイプ気任蓮▲坤妊ック骨萎縮が得られにくいのです。
上記判決でも、RSDを否定していますが、担当した弁護士と裁判所の理解が追いついていないのです。

名古屋地裁判決H16-7-28 頚部挫傷後の発症ですから、CRPSタイプ機RSDです。
頚部挫傷後左上肢RSDを発症、1年半後の症状固定後に左下肢にもRSDが拡大したアルバイト女性27歳について、左上肢は7級4号、左下肢についても独立歩行が困難であることから7級4号を認定、併合5級として50年間、79%の労働能力喪失を認定しています。

京都地裁判決H17-1-20 交通事故による傷病名が不明で、RSD、カウザルギーの判断ができません。
右上肢の疼痛、知覚低下、痺れ等の症状により、労災保険で9級、自賠責保険で14級が認定されたアルバイト男性38歳について、RSDと確定診断をすることは困難であるが、症状と事故との因果関係を肯定して15年間について、30%の労働能力喪失を認定しています。

東京地裁判決H17-2-15 交通事故による傷病名が不明で、RSD、カウザルギーの判断ができません。
右膝痛、右膝の異常知覚を訴えるも、自賠責保険では非該当とされた女性34歳の看護師について、先の症状がRSDであることを認め、局部に頑固な神経症状を残す12級に該当するとして、事故前の年収627万円を基礎として10年間は14%、その後の10年間について10%の労働能力喪失を認めています。

東京地裁判決H19-7-23 交通事故による傷病名が不明で、RSD、カウザルギーの判断ができません。
左上肢のRSDで12級が認定された男性36歳のシステムエンジニアについて、かなりの頻度で治療を受け、1回の治療で5ヵ所に局所麻酔を注射しなければ効果を期待できない状況にあり、軽易な労務以外の労働に常に差し支える程度の疼痛であるとして31年間について、56%の労働能力喪失を認定しています。

ところが、骨折という神経損傷があるのにRSDと診断されている?
ただの神経損傷なのにカウザルギーと呼ばれている?
現在でも、これらの判断すらできないポンスケ医師が治療の最前線にいるのです。
私が心酔している専門医=この領域の第一人者は「整形外科医でCRPSが理解出来るのは、残念ながら20%あるかないかのレベルです?」と、説明しておられます。
なんと、20%、お寒い限りなのです。

http://www.jiko110.com/contents/gaisyou/nerve/index.php?pid=16&id=38#38
交通事故110番では、疼痛性感覚異常に関しても、どこよりも先進しています。
詳細は、上記で確認してください。

ソ性の顔面部の醜状痕
自賠責保険では、女性の外貌に著しい醜状を残した場合、7級12号を認定しています。
7級の労働能力喪失率は56%であり、1眼の失明、神経系統の機能の障害等で7級が認定された被害者は、就労可能年数の全期間について逸失利益が認定されています。
女性の顔面部の醜状痕では、何年の喪失年数と何%の喪失率が認定されているのでしょうか?
判例を検索します。

 
 

神戸地裁判決H3-6-26 7級で49年間について25% 
7級の顔面醜状痕が認められた6歳の女児について、18〜67歳までの49年間、25%の労働能力喪失を認めています。

大阪地裁判決H11-10-15 12級で19年間について14%
18歳短大生の顔面醜状痕について12級に該当するとして、卒業後、航空会社のグランドホステスの就職試験の面接に不合格となったが、その後、他の航空会社のグランドホステスとして就職した場合に、顔の線状痕が採否に影響を与えた可能性があり、年齢、希望する職種、線状痕の形状から就労が制限されていると認められるとし、21〜40歳までの19年間、14%の労働能力喪失を認めています。

東京地裁判決H13-8-7 併合11級で23年間について20% 
顔面醜状、下顎骨折に伴う左顎痛の神経症状、7歯欠損で併合11級が認められた27歳女子会社員について、外貌醜状による接客や対人間関係の障害による就労への悪影響があるとして50歳まで20%の労働能力喪失を認定しています。

岡山地裁判決H12-3-6 併合11級で20年間について20%
1手の拇指の指骨一部の喪失と前額部に3僂料郎を残し併合で11級が認められた車用品店に勤務する19歳の女性に対して、前額部の創痕による外貌醜状は接客業への就業等を制限する要因になるものと見られるとして、1手の拇指の一部喪失と共に労働能力が一部制限されたと認め、女子全年齢平均賃金センサスを基礎に20年間、20%の労働能力喪失を認めています。

 
 

神戸地裁判決H15-8-8 醜状は12級であるも39年間67%
左下腿リンパ浮腫で7級4号、左右の下肢の瘢痕拘縮でそれぞれ12級が認定された28歳女性歯科衛生士について、両下肢の瘢痕の大きさから、本人に生じる精神的負担および仕事に対する萎縮的効果、未婚女性であることを考慮すれば、瘢痕は労働能力に相応に影響するとして、39年間67%の労働能力喪失を認定しています。

東京地裁判決H16-3-23 自賠は非該当で5年間は35%、15年間は20%、7年間は14%
肩甲部痛、上肢の痺れ、頚部痛、三叉神経麻痺、歯牙障害で併合11級が認定され、眼瞼下垂は非該当とされた40歳、主婦兼女優、ホステスについて、頚部痛、眼瞼下垂、右上肢知覚障害は就労先の選択を狭め、職務内容にも制限が伴い、ことに、眼瞼下垂は、女優、ホステスとしての稼働に重大な支障を生じさせるとして、当初の5年間は、日額2万円を基礎に35%、次の15年間は賃金センサス全労働者全年齢平均を基礎に20%、その後の7年間は賃金センサス女性全年齢平均を基礎に14%の労働能力喪失を認めています。

大阪地裁判決H17-9-21 7級で42年間について30%
顔面醜状で7級12号が認定された25歳女性アルバイトについて、左眼瞼下垂により笑ったとき左眼が開くこと、左鼻穴形態が右と異なり6cmの線状痕を残すこと、アルバイトであっても接客業に就いていたことから、賃金センサス全女性全年齢平均を基礎として、42年間、30%の労働能力喪失を認定しています。

長崎地裁大村支部判決H17-10-28 7級で40年間35%
顔面の知覚異常により意思疎通の障害を伴う外貌醜状で7級12号が認定された27歳女性海上自衛官について、現実に収入の不利益が生じていること、自衛官退職後の再就職先への影響、外貌醜状を意思疎通の障害として評価するときは、加齢による労働能力喪失率の減少を認める必要性は乏しいと結論し、40年間について35%の労働能力喪失を認定しています。

大阪高裁判決H18-2-15 7級で49年間20%
右眼上の醜状で7級12号が認定された18歳女性高校生について、職業により収入減少が十分に予想され、本人の努力によりカバーされるとしても、それを当然とすることは不公平として、賃金センサス女性高卒全年齢平均を基礎として49年間、20%の労働能力喪失を認定しています。

名古屋地裁判決H18-10-4 7級で14年間20%
脳挫傷後の頭痛と前額部組織陥没の醜状痕で併合6級が認定された53歳女性、主婦兼新聞配達員について、醜状により集金でも客と顔を合わせる際の支障があり、再就職をする選択肢が狭まることで労働能力を一部喪失したとして、14年間について20%の労働能力喪失を認めています。

名古屋地裁判決H20-2-15 7級で10年間35%、29年間20%
顔面の5個の瘢痕、左眼の下の5cm以上の線状痕で7級12号、併合6級が認定された、大卒後上場企業に就職して母の経営する会社で取締役の28歳女性について、事故前に接客の業務に就いており、後継者として取引先との交渉にあたることも予想され、顔面醜状の影響は軽視できないが、その影響は次第に緩和されることが期待できるとして、賃金センサス女性大卒全年齢平均を基礎に、10年間は35%、その後の29年間は、20%の労働能力喪失を認定しています。

顔面の醜状痕では、受傷後6ヵ月を経過したら、何が何でも後遺障害診断を受けて立証しなければなりません。 この場合、他に治療中の部位があっても、顔面の醜状痕を先行しなければなりません。 
女性の場合、線状痕であれば、5儖幣紊7級、3儖幣紊12級が認定されます。
自賠責保険では、7級12号は1051万円、12級15号は224万円の評価です。

コラム 4.9僂224万円、2.9僂枠鶻催で0評価?
線状痕は、少しずつ収縮してくるのです。
5僂3僉3僂5个砲覆襪海箸呂△蠅泙擦鵑、4.5僂2.5僂砲呂覆襪里任后
保険屋さんは「全部、まとめて?」そのように説明しますが、被害者は治った順に後遺障害の申請をするのです。 

 
 

フローレンス・ジョイナーはハードルを跳び超えて金メダルを取得したのですが、被害者が後遺障害のハードルを跳び越えると、等級は泣きたくなるほど薄まるのです。

顔面の醜状痕は中心的なテーマで、HP「交通事故外傷と後遺障害」 では、受傷後6ヶ月目の早期症状固定を! 「判例の解説」 では、逸失利益の請求を! 声高に主張しています。
保険屋さんはタレント、女優、スーパーモデルを除いて逸失利益が認められることはない! 
一刀両断の主張を展開し、逸失利益を否定します。
主婦が被害者の場合は、この論法で押し切りますが、今は子育てに集中し専業主婦であったとしても将来は分かりません。 将来、接客の仕事を考えていた場合、顔面の醜状痕は決定的な制限要因となります。 
この手の強引な払い渋りに対しては、紛セン、訴訟で活路を切り開くことになります。

γ棒の顔面部の醜状痕
大阪地裁判決H6-4-25  12級で49年間について10%
顔面醜状12級13号と歯牙障害12級3号で併合11級の障害等級の5歳男児に対して、18〜67歳まで10%の労働能力喪失を認定しました。

京都地裁判決H11-6-29  12級で49年間について14%
5歳男児について、顔面醜状が将来の就職や対人折衝について不利益を生じさせ、接客業や人の面前または人目に触れる場所において働くことが要求される職業は困難となる等、選択できる進路や職業の範囲を狭めたり、減収を生じる可能性が想定できるとして、他に12級に該当する開瞼障害も残存していることを斟酌し18〜67歳までの49年間について、14%の労働能力喪失を認めています。

東京地裁判決H13-8-22 併合12級で10年間は10%、その後の10年間は5%
顔面醜状12級13号、頚腰部の神経症状14級10号で併合12級が認められた19歳男子予備校生について、男子と言えども醜状痕によって希望する仕事への就職が制限されたり、就職しても営業成績が上がらなかったり、仕事の能率や意欲を低下させて所得に影響を与えることは十分に考えられるとして症状固定から10年間は10%、その後の10年間は5%の労働能力の喪失を認めています。

東京高裁判決H14-6-18 12級で67歳までの45年間について5%
12級の外貌醜状と12級の歯牙障害で併合11級が認められた22歳男性について、対人的面接が重要な職種によっては就労の機会や就労可能な職種を狭める、労働の意欲を低下させるとして67歳まで5%の労働能力喪失を認めました。

男子の顔面醜状については、保険屋さんは、決定的に逸失利益を全否定しています。
しかし直近の判例を見る限り、裁判所は認める傾向をハッキリと打ち出しています。
12級の労働能力喪失率は14%ですが、5%、10%を逓減方式で認めたもの、その程度によっては、14%をフル期間で認めています。 理屈として、「男は顔ではない!」そんな考えも存在しますが、現実的ではありません。
果敢に訴訟を展開され、実利を勝ち取られた被害者の奮闘努力を賞賛します。
弁護士の中にも、「取れませんよ?」こんな説得する消極論者が多数存在します。
根拠を示さず、消極的な説明を繰り返す弁護士は、自信も能力も持っていません。
ポンスケなら、下駄を持って、逃げるが勝ち!というもので

в務弌μ3个涼失
東京地裁判決S62-10-29 
嗅覚脱失と味覚障害で併合11級が認められた31歳男子調理師につき、67歳までの36年間について10%の労働能力喪失を認めています。

大阪地裁判決H5-1-14 
軽度の聴力障害、頭部外傷後の痙攣の可能性、嗅覚脱失の後遺障害を残す43歳の女性幼稚園教諭について、嗅覚脱失は通常の職に就いている女性と比較し一層の支障を来しているとして67歳までの23年間20%の労働能力喪失を認めています。

水戸地裁判決H10-5-21 
嗅覚脱失で12級、外傷性脳波異常を加えて11級相当の後遺障害を残した15歳女子中学3年生につき、学歴計全年齢平均賃金を基礎に67歳まで20%の労働能力喪失を認めたています。
さらに、外傷性脳波異常がてんかんに移行し精神障害を生じた場合は、別の問題とすると判断を示しています。

東京地裁判決H13-2-28 
嗅覚脱失で12級が認められた59歳男性料理店経営の調理師について、嗅覚は素材の良否や完成した料理の風味如何を見極める等、料理人の技術を発揮する上で重要な感覚の一つであり、これを失ったことは料理人として致命傷に近い状態と評価すべきとして、平均余命の半分の10年につき、20%の労働能力喪失を認めています。

東京地裁判決H18-3-14
嗅覚の脱失、脳挫傷後の神経・精神の障害等で併合11級が認定された30歳女性花店経営について、事故後に花店を閉鎖、花関係のアルバイトをしているが、錯覚臭が続くと体調が悪化すること、嗅覚がなく、仕事上支障があること、料理屋掃除等、家事労働にも影響を受けていることから、10年間は20%、その後の27年間は14%の労働能力喪失を認めています。

名古屋地裁判決H20-1-25
ある種の匂いを嗅ぐと頭痛や吐き気が生じる嗅覚の減退と異常で12級が認定された16歳の男子高校生について、18〜67歳まで14%の労働能力喪失を認定しています。

 
T&Tオルファクトメーター ろ紙ディスク法
 

嗅覚の脱失はT&Tオルファクトメーター、味覚の脱失はろ紙ディスク法や電気味覚検査で立証します。
甘味、塩味、酸味、苦味の全てが認知できないものは脱失で12級、4味質の内、1つ以上を認識できないものは、減退で14級相当となります。
この領域も保険屋さんは「調理師でなければ?」逸失利益を否定します。
確かに判例では調理師が認められていますが、主婦が否定されたのではありません。
嗅覚や味覚の脱失は主婦にとっても致命傷です。
例えば、食品の腐敗は、多くの主婦は臭いを嗅いで判断しています。
これができなければ、被害が小さな子供に及ぶことも十分に考えられるのです。
したがって、諦める訳にはいかないのです!
私のこれまでの経験では、嗅覚・味覚の脱失は頭部外傷を原因としたものばかりです。
この場合は、これらの症状の一つ一つについて等級を認定するのではなく、全対症状として1、2、3、5、7、9級のいずれかを認定することになります。

嗅覚・味覚の脱失だけで逸失利益を議論することがありませんので、これに限定した経験はありませんが、単独症状の場合、裁判でこれを明らかにしたいと考えています。
必ず、認められるものと確信しています。

 

脾臓の摘出

 
 

脾臓は、握り拳大のスポンジ状の軟らかい臓器で、腹部の左上、肋骨のすぐ下に位置しています。
脾動脈を通じて心臓から脾臓へ運ばれた血液は、脾静脈によって脾臓から運び出され、より太い静脈である門脈を通じて肝臓へと運ばれます。
脾臓は、白脾髄と赤脾髄という、それぞれ機能の異なる2種類の組織でできています。
白脾髄は感染を防ぐ免疫系の一部で、抗体=異物の侵入を防ぐタンパク質を産生するリンパ球をつくり、赤脾髄は血液を濾過することにより、不要な物質を取り除きます。

さて、脾臓がなくても、人間は生きていくことができます。
交通事故などで脾臓が回復不能な損傷を受けた場合には、手術で取り除かれています。
脾臓を摘出すると、感染を防御する抗体をつくる能力や、血液から微生物を取り除く能力の一部が失われるため、体の感染防御力が低下します。
脾臓には肺炎球菌など特定の細菌と闘う役割があるため、脾臓を摘出すると、特に肺炎球菌感染症を起こすリスクが高くなりますが、それでも脾臓は、人間の生命に不可欠な臓器ではありません。
脾臓の摘出によって失われた機能は、他の臓器=主として肝臓の感染防御力や、赤血球の状態を監視して、異常な赤血球や古くなったり、傷ついたりした赤血球を除去する能力が高まることが医学的に証明されています。

これを理由として、H18-4-1以降に発生した事故からは、8級11号から13級11号に格下げされました。
ちなみに13級の労働能力喪失率は9%、赤い本の後遺障害慰謝料は180万円です。

横浜地裁判決H4-1-22 
脾臓の摘出と腸管癒着による通過障害等で併合7級の後遺障害が認められた24歳男子会社員につき、事故後、事故前を上回る収入を得ていたが67歳まで35%の労働能力喪失を認めています。

神戸地裁判決H6-3-11 
脾臓摘出と右足関節の著しい機能障害で併合7級が認められた男子37歳の国家公務員について給料が減額されずに支給されているところから、症状固定の40〜60歳の定年までの20年間は5%、60〜67歳までは45%の労働能力喪失を認めています。

大阪地裁判決H5-1-29 
脾臓摘出の48歳主婦について67歳まで20%の労働能力喪失を認めています。

神戸地裁判決H5-8-6 
脾臓摘出の13歳男子中学生について、18〜67歳まで40%の労働能力喪失を認めています。

大阪地裁判決H6-7-21 
脾臓摘出の14歳男子中学生について、18〜67歳まで20%の労働能力喪失を認めています。

岡山地裁判決H9-5-29 
一腎を摘出した20歳大学生について、67歳まで25%の労働能力喪失を認めています。

東京地裁判決H9-12-24 
脾臓の摘出と一腎の喪失で8級11号が認定された18歳男子高校生について、その後大学に進学した場合の逸失利益について22〜67歳まで45%の労働能力喪失を認めています。

横浜地裁判決H19-3-29
18歳男子大学生が脾臓摘出した事案について、腸閉塞発症等への起因と風邪をひきやすい、疲労しやすい等で賃金センサス大卒平均を基礎に30%の労働能力喪失により後遺障害逸失利益を認定しています。

東京地裁判決H19-3-26
29歳女性システムエンジニアが外傷性の脾臓障害を負い、自賠責8級11号認定を受け、労働能力喪失率20%で後遺障害請求する事案で、職場復帰したが風邪を引きやすく、疲れやすい等で転職、減収しているが、労働能力喪失率14%で67歳までの37年間について、逸失利益を認定しています。

判例は、すべて旧基準で8級11号が認定されたもので、13号11級に格下げされてからのものではなく、現時点で13級11号に基づく判例は見当たりません。
先の7つの判例では、いずれも、易疲労性、風邪を引きやすいとの指摘がなされ、これらを理由に逸失利益が認められています。

脾臓や片腎の喪失は、具体的に日常生活や社会生活で、どのような障害を残すのか?立証が困難な領域です。 保険屋さんが提示する金額は、自賠責の範囲内か? 
判例で認められた一番小さい数字?この場合は5%となります。 
勝手に決めた保険屋さんの計算式の説明を受けるほど鬱陶しいことはありません。 
先の判例では喪失率がバラバラとなっています。 
よく言えば、被害者の支障の度合いなのですが、当たり前には、担当した弁護士の立証の努力の結果です。
ポンスケ弁護士の選択は被害者にとって命取りとなるのです。

いずれにしても、13級11号に基づく判例が待ち遠しい状況です。

 

植物状態
横浜地裁判決H5-11-25 
植物状態となった34歳男子会社員につき、定年まで勤務した場合の退職金との差額を加えています。

東京地裁判決H10-3-19 
脳挫傷等により植物状態となった20歳男性大学生につき、推定余命10年の被告主張を排し、22歳男性の推定余命年数を55.43年と認定、22〜67歳までの45年間、100%の労働能力喪失を認め、かつ生活費控除を否認しています。

大阪地裁判決H13-9-10
遷延性意識障害、体幹・四肢の運動麻痺で1級3号が認定された8歳の男子小学生について、生存可能年数を相当範囲に限定すべしとの被告側の主張を斥けて、8歳男子の平均余命を認定、18〜67歳まで100%の労働能力喪失を認め、かつ、生活費控除を否定しています。

植物状態とは、自律神経のみで生存している状況です。
純粋な医学用語ではありませんが、英語でも vegetative stateと表現されています。
自発呼吸をしている点で、脳死とは決定的に異なります。
自律神経は本人の自発的な意思に関係なく、血流や体温の調整を行ないますから、生存が可能です。
植物状態の介護は、以下の3つが中心で、栄養は鎖骨下静脈から点滴投与で補給されています。

2時間毎の体位変換で褥創=床ずれを防止することと、
1日に2回程度、熱いタオルで身体を清拭すること、
おむつの定期的な交換、尿は尿管カテーテルで排出、主体は便の管理

私が保険調査員を初めてまもなく、大阪の救急病院で、この事案に遭遇しました。
対人保険金が5000万円の加入しかなく、7年生存した被害者の今後の対応が保険レベルでできなくなったケースです。保険屋さんの方針としては、「残余の保険金を支払い、後は加害者の対応に任せる!」これを業界では丸投げと呼んでいます。
この説明に被害者宅を訪問、被害者側としても、保険金額を超える対応は望むべくもありません。
当方の説明で了解は得られたのですが、後日、病院を訪問した際、職業家政婦さんの意見は強烈なものでした。

 
 

「私は月に30万円近くの費用を請求、職業として介護に専念しています。 この被害者は心臓が元気ですから、まだまだ生存されると思っています。 受傷当時は、ご家族も頻繁にお見舞いに来られました。
しかし、呼びかけにも反応しない被害者ですから、現在は、全くと言っていいほど、誰もお見えになりません。
私が担当している間は、褥創は絶対に起こしません。 
しかし、ここを退院されて規模の大きい完全看護の病院に移られた場合、1ヵ月以内に褥創を発症、その結果として、感染症による肺炎で、この患者さんは安らかに息を引き取ります。 果たして、どちらが患者にとっていいのか?私は後者と思っています。」

HPでは完全看護とは、「完全ほったらかし!」であると説明しており、これは重みのある言葉でした。

 

後遺障害の認定された被害者が死亡したケース
最高裁第一小法廷判決H8-4-25 
後遺障害等級6級相当が認められた男子44歳の被害者が、当該事故と因果関係のない水難事故で死亡した場合について、死亡の事実は就労可能期間の算定上考慮すべきではないとして、逸失利益は死亡時までに限るとした原審判決、東京高裁判決H4-11-26を破棄しています。

最高裁第二小法廷判決H8-5-31 
後遺障害等級12級が認められた男子高校生が、当該事故とは因果関係のない別件交通事故で死亡した場合で、死亡の事実は就労可能期間の算定上、考慮すべきではないとして、死亡後の逸失利益を認め、死亡後の生活費控除を否定しています。

東京地裁判決H8-7-29
脊髄損傷により、第5胸髄以下が完全麻痺で、症状固定後に交通事故と因果関係の認められる自殺をした21歳男性被害者について、死亡逸失利益の算定では、被害者が独身であることから生活費控除率を50%と認定しています。

東京高裁判決H15-12-10
頭部外傷、脳挫傷となった55歳の専業主婦が症状固定前に自殺をした事案について、原告は、主位的には死亡による損害賠償を、予備的に後遺障害による損害賠償を主張、算出の損害額の多い方を請求するとしたが、事故と自殺との間には相当因果関係が認められるとして、死亡による逸失利益を認め、死亡による損害賠償と後遺障害による損害賠償を併せて請求することは許されないと否定しています。

大阪地裁判決H17-3-10
遷延意識障害等により、1級3号が認定され、症状固定後、約2年で死亡した22歳男性会社員について、事故と死亡に相当因果関係が認められないことから、生活費控除を行うべきとの被告側の主張を斥けて、45年間、100%の労働能力喪失を認定しています。

いずれも画期的な判決です。
人間の将来は見通すことができません。 
裁判中に不幸にも死亡してしまう!は、決して珍しいことではありません。 
その時点で何もかも終わったとして、幕を引くのがこれまでの解決法でした。
最高裁はこの、「幕を引く」の考えに異議を唱えたのです。
今後は、この判例が重みを持って影響しますので、短絡な判決はあり得ません。
事故と死亡の因果関係により、2系統で判断されています。

ただし、最高裁判決H11-12-20
「判決において将来の介護費用の支払を命ずるのは、引き続き被害者の介護を必要とする蓋然性が認められるからであり、被害者が死亡すれば、その時点以降の介護は不要となるのであるから、もはや介護費用の賠償を命ずべき理由はない!」このように説明し、介護費用を否定しています。

急がなければならない事情は厳然と残っているのです。

 

高次脳機能障害
京都地裁判決H16-3-10
9級10号が認定された司法試験勉強中の28歳男性について、びまん性脳損傷により記銘力の低下により1回の刺激で記憶できる量が減少したこと、MRI画像で軽度の脳萎縮が認められるところから、自賠責保険の認定等級9級10号を追認しています。

東京地裁判決H16-9-22
5級2号が認定された18歳高校性について、事故後、親が送迎して復学、大学に進学しており、携帯電話でのメール、ギター、近所での買い物もでき、ある程度の認知、判断および学習能力を備えているが、大学進学は担任教師の配慮が働いていること、初めての場所では、道に迷う、ストーブの火をつけたまま忘れる等の物忘れ症状があり、学習にも大変な時間と労力を要すること、切れやすい状態で、易怒性や易興奮性が認められており、新たな人間関係が構築されている様子が見られないこと等から、自賠責保険の認定等級5級2号を追認しています。

1、2級では、滅多にありませんが、3、5、7、9級では、保険屋さんは法廷で、被害者の日常から、自賠責保険の認定等級を否定する、もしくは薄める意見を必ず、決まって展開します。
被害者を診察したこともない顧問医の意見書、尾行調査=動向調査のビデオ等を証拠申請する手口です。

ここでは、動向調査を説明しておきます。
自宅近辺に見慣れない自動車が駐車してあり、中に2人のクスブリがいれば、尾行調査は確実です。
元警察官のグループで、この調査を得意としている連中がいます。
いずれにしても、垢抜けたカップルではなく、貧相でやや仕事に疲れた連中ですから、クスブリと呼んでいます。
アベックもいますから、安心はできません。

たとえば、被害者がスーパーに一人で買い物に出かけ、野菜や果物を選別して購入している様子等がビデを撮影され、被害者には十分な認知力があるとして証拠提出されます。
24時間の被害者の様子が余すことなく観察、撮影されていれば、異常行動も明らかとなりますが、パーツの証明で、恣意的に正常と主張されていますから、質が悪いのです。

狙われるのは、等級認定後から訴訟提起までのタイミングが圧倒的です。
理想的には、この時期は遠方の親戚に預ける等、被害者を隠してしまうのです。
動向調査では、複数の車両と多人数の調査員を投入しますから、費用も膨大です。
なんど張り込んでも、被害者に遭遇できないでは、調査は早々に切り上げられます。

隠すことができない場合は、必ず、家族の誰かが同行して、被害者一人の外出を許さないことです。
4ヵ月間程度の我慢ですから、間の抜けたビデオ撮影がなされないような注意と配慮が必要です。

名古屋地裁判決H17-6-3
5級2号が認定された19歳男子高校生について、事故後復学をして大学に入学、自動車免許を取得してアルバイトをしているが、脳室拡大の画像所見が認められ、思考障害、遂行機能障害により就労は、単純な繰り返し作業に限定される可能性が高く、治療先の受診と職場の理解、援助が欠かせないとして、自賠責保険の認定等級5級2号を追認しています。

東京地裁判決H17-7-25
記銘力障害、笑い発作等で併合7級が認定された女性36歳大卒会社員について、復職後、収入は増加しているものの、配置転換がなされ、係長職を解かれていること、IQが96であること、仕事が継続できているのは、勤務先の理解と、本人が記憶力の低下を補うため頻繁にメモをとる等の多大な努力による部分が大きいこと、今後の昇進が相当に困難であることから事故前年の年収533、万円を起訴に31年間について56%の労働能力喪失を認めています。

大阪地裁判決H17-7-28
高次脳機能障害で3級、12級相当の言語障害で併合2級が認定された精肉店に勤務する25歳男性について、一時的に元の職場に復帰するも、843日後に退職したおり、復帰は勤務先の社長の好意によるところが大きいとして100%の労働能力喪失を認定しています。

京都地裁判決H17-12-15
高次脳機能障害で5級2号、嗅覚・味覚の脱失で12級相当、併合で4級が認定された、デザインを担当する嘱託社員45歳男性について、事故後復職、デザインの能力は低下しておらず会社も高い評価をしていたが、記憶力、持続力の低下、協調性の問題等の人格変化によりトラブルが発生して退職していること、完全に就労不能とは言えず、嗅覚・味覚障害は労働能力に影響しないとして85%の労働能力喪失を認めています。

名古屋地裁判決H18-1-20
自賠責保険では、高次脳機能障害で7級4号、右動眼神経麻痺等で併合11級、併合6級が認定された31歳女性会社員について、記憶力および記銘力の障害の程度が強いことを理由に、賃金センサス女性大卒全年齢平均を基礎に、6級=67%と5級=79%の中間値である75%の労働ぬ力喪失率を認定しています。

大阪地裁判決H20-1-24
自賠責保険では5級2号が認定された男性43歳、トラック運転手について、日常生活動作、意思疎通能力、問題解決能力、作業負荷に対する持続性・持久性、社会行動能力のほか、労災1級1号、精神障害者肩甲福祉手帳級の認定も考慮して、高次脳機能障害について3級を認定、100%の労働能力喪失を認定しています。

自賠責保険=Nliro調査事務所が等級を認定していても、難癖をつけるのが保険屋さんです。
高次脳機能障害で上位等級が認定されても、
職場復帰ができている?
事故後の給与が増えている?
公務員で減収がない?
こうなると、必ずイチャモンを放り込んできます。
裁判所は、勤務先の理解や好意、被害者本人の不断の努力を高く評価しており、この一点で救われています。

日本は武士道が重んじられる国ですが、保険屋さんには武士道のかけらも感じられません。
そのくせ、ガードは甘く、アメリカのCDS証券等であれば、疑いもなく飛びついて、大きな損失を計上しています。
決まったものは、潔く支払え!これからも主張をし続けます。

大阪地裁判決H20-1-24
自賠責保険では5級2号が認定された男性43歳、トラック運転手について、日常生活動作、意思疎通能力、問題解決能力、作業負荷に対する持続性・持久性、社会行動能力のほか、労災1級1号、精神障害者肩甲福祉手帳級の認定も考慮して、高次脳機能障害について3級を認定、100%の労働能力喪失を認定しています。

 
 
 

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