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保険の約款


 人身傷害

HPを立ち上げた頃に相前後して発売されました。東京海上が口火を切ったのですが、
当時は菅原文太さんがCMに登場し、かなり注目されました。
その後、他の保険屋さんも追随して発売しており、
任意保険契約の60%を超える構成比率となっています。
「事故が発生した時は、貴方の過失分も支払い、示談の代行も行います!」の内容です。
「すごいものが出て来たな!」の印象でしたが、何年かが経過すると、
案の定、強烈な払い渋りが目立つようになって来ました。
最近では「やはり、おやりになるのですね!」の印象に変わりました。その問題点を説明します。

これは良しにつけ悪しきにつけ、
黙っていれば「任意保険支払基準」で完全に固定されて支払いがなされるのです。
当方のHPで学習された被害者の皆様は、
任意保険支払基準こそが唾棄すべきものとお考えのことでしょう。

先ず、払い渋りのテクニックをご披露しておきます。
被害者に後遺障害等級1級1号が認定された場合、

損害の費目
任意保険支払基準
地方裁判所支払基準
後遺障害慰謝料
1400万円
2800万円
逸失利益
将来の介護料
最大で月額15万円
立証次第で月額40万円以上

先ず、元々単価が、全く違うのです。
更に、逸失利益は労働能力喪失率と喪失期間の計算でどうにでもなるのです。

手元の資料です。東京海上のお先棒を担ぐ大阪弁護士会に所属するK弁護士が26才男子で1眼の失明、
同眼の流涙残存、同眼の瞼に著しい運動障害と、
更に顔面 に著しい醜状障害を残し併合7級の後遺障害が認定された被害者側の弁護士に対して
「本件の労働能力喪失は1眼の失明によるものの検討となりますが、
1眼失明例でも健眼視力は良好ですから、外界のものを平面 として見ることに関しては、
不便は全くないと思われ、問題なのは両眼でものを見ることにより組み立てられる立体視など
両眼視機能の消失です。
それ故、平面さえ見えれば十分な(例えばコンピューター画面を見れば事足りる)一般 事務職・管
理職などでは、労働能力喪失は殆どないと言えます。
そこで一般事務作業においては、事故後仕事に復帰したばかりの頃は単眼のため
違和感を覚えるのではないかと推量 されますが、単眼視に慣れてくると像の大きさなどで
大雑把な立体感把握も可能となり、 労働能力喪失率の逓減は十分期待出来ると考えられるところから、
相当喪失期間として10年とさせて頂きました」

こんな馬鹿げたことが現場ではまかり通っているのです。
この被害者は「もう金は要らないからK弁護士の1眼を潰してやる!」ことを
真剣に検討したと語っています。これは犯罪にも等しい「払い渋り」です。
保険屋さんのお先棒を担ぐ弁護士がご丁寧にも文書で回答をしているのです。
言った言わないの弁解は出来ないのです。

先の説明で提示された金額は、逸失利益として515万円×0.45×7.722=1789万5735円です。
後遺障害慰謝料が850万円の提示ですから合計で2639万5735円でした。
私の計算では、515万円×0.56×17.294=4987万5896円です。
後遺障害慰謝料は1030万円となりますから合計で6017万5896円となります。
つまり、等級は併合で7級なのです。であれば、労働能力喪失率は45%ではなく、56%なのです。
そして当然の事ながら、喪失期間は67才までの41年間が認められるのです。
これを10年間、45%で計算しているのです。何度も繰り返しますが、犯罪にも等しい行為なのです。
更にお笑いなのは、シートベルト不着用と好意同乗で30%の過失相殺を行っている事実です。
こんなことは現実の裁判で認められる筈がないのです。

人身傷害では被害者自身が契約している保険屋さんが登場します。
被害者にして見れば「ご迷惑を掛けて、申し訳ありませんね!」の気持ちで対応しています。
専門家でもなければ、2639万円も提示され、
まことしやかな説明がなされれば
「そんなものなのかな?」と納得し署名捺印をしてしまうのです。
先のケースは、何も特別 なものではありません。保険屋さんにとってはこれが日常なのです。

さて、被害者にとっての対抗手段です。
約款の一般条項の第19条に「評価人及び裁定人」の説明がなされています。

「当会社が支払うべき保険金の額の決定について、当会社と被保険者との間で争いが生じた場合は、
当事者双方が書面 によって選定する各1名づつの評価人の判断に任せます。この場合において、
評価人の間で意見が一致しないときは、双方の評価人が選定する1名の裁定人にこれを裁定させます。
当事者は、自己の選定した評価人の費用(報酬を含みます)を各自負担し、
その他の費用(裁定人に対する報酬を含みます)は半額づつこれを負担するものとします。」

と 記載されています。
この場合の評価人は弁護士と、裁定人は裁判長と読替えて下さい。
つまり、弁護士を依頼して裁判で決着をつければ「それには従う!」とわかり難い表現を駆使して
宣言しているのです。保険屋さんの言いなりの示談は大変危険です。
「保険屋さんの説明は必ず疑って掛かる」もはや世間の常識です。



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