勝利の方程式、ファイナル

事故から180日目、本件事故の集大成、クライマックスを迎えます。
症状固定、後遺障害診断、被害者請求を検証、決断します。

(1)症状固定?

さて、本件交通事故のクライマックスです。

実際、心臓移植、生体肝移植、胃癌による胃の全摘術であっても、6ヵ月を経過すれば社会復帰しています。

であれば、交通事故でも、受傷から6ヵ月で症状固定とし、後遺障害診断を受けなければなりません。
症状固定は、医師や保険屋さんに指摘されるより先に、貴方が決断することです。

高次脳機能障害、
PTSD=非器質性精神障害、
難治性疼痛障害のCRPSでは、受傷から1年間の治療を続けた後に、症状固定を決断します。
被害者が児童で、高次脳機能障害では、発達障害を確認する必要から、症状固定には、2年以上の経過観察が必要となることがあります。
骨折部の骨癒合が得られず、プレートや髄内釘の除去=抜釘ができない?
なんにでも、例外はあります。

上記以外では、受傷から6ヵ月で症状固定、後遺障害診断を受けることになります。
手足の切断や遷延意識障害、脊髄の横断型損傷では、非可逆性損傷で治療効果が期待できません。
であれば、6ヵ月を待たずに症状固定とすることが可能です。

被害者にとっての実利とは、早期社会復帰と後遺障害の獲得、つまり二兎を追いかけて達成することです。
深刻な障害であっても、人間には自然治癒力があり、時間の経過と共に、少しずつは改善します。
改善しなくても、慣れてくることにより日常生活が楽になることも考えられます。

一方、自賠法別表では、1~14級の140種の後遺障害が35系列に分類されて規定されています。
言い換えれば、後遺障害等級には、ハードルが設定されているのです。
女子の顔面の醜状痕では、5cm以上の線状痕で 7 級 12 号、自賠は1051万円を支払います。
しかし、4.9cmは12級14号、ガクンと落ちて224万円です。
ラストハードルの3cm以上は224万円ですが、2.9cmは非該当で0円となるのです。

「たった1cm、お願い、まけて?」Nliro 調査事務所の爺さんに通用しますか? 「おかしいやんか?」憤慨しても、これは法律=自賠法別表で決められた制度なのです。 これを変えるには、国会議員を巻き込む運動を展開し、何年もかかります。 やっとの思いで法改正が実施されても、貴方の後遺障害には、遡及適用されないのです。

フローレンス・ジョイナーは、ハードルを跳び越えて金メダルを獲得したのですが、被害者がハードルを跳び越えると、等級は泣きたくなるほど薄まるのです。
例外を除けば、症状固定は、受傷後6ヵ月を経過した時点です。
この時期が到来するまでに、主治医を観察、専門医の検索、後遺障害の勉強を続けます。

「保険屋さんより、治療の打ち切りの打診が繰り返されています。私としては、今後も治療を継続しますが、保険屋さんとの関係は、ここらで終止符を打ちたいと考えています。先生、ご面倒ですが後遺障害の診断をお願いします。」
6ヵ月を経過した時点で、爽やかに、後遺障害診断を申し入れるのです。
これなら、医師も大賛成で、後押しをしてくれるのです。

(2)後遺障害診断書には、なにを記載?

診断時の詳細な自覚症状、
XP、MRI等の画像所見、
医学的な所見、それを立証した検査結果、

これらが記載されていれば、十分です。

外傷性頚部症候群なら、最初に自覚症状があって、画像で、自覚症状を説明する異常所見を確認できるか?
神経学的検査で自覚症状を説明できるか? この2点がポイントです。
自覚症状ありきたりな2つ、3つ?
画像所見では異常なし?
神経学的検査一切なされず?
これなら、結果は非該当です。

サラッと流していますが、各論では、どんな検査で立証するのか?
説明したいことは、山ほどあります。
HP、「交通事故外傷と後遺障害」力作ですから、ジックリと検証してください。

医師の多くが、後遺障害診断書の書き方を承知しておらず、熱意もありません。
Nliro調査事務所は、立証せざるもの、後遺障害にあらず! 実にハッキリしたコンセプトですが、肝心の立証方法はガチガチの秘密とされており、一切の情報が開示されていません。

しかし、最大の問題点は、当事者である被害者の多くが、後遺障害診断書を読めない点です。
結果、立証の不十分な後遺障害診断書で、等級は薄められているのです。

後遺障害が損害賠償の85%以上を構成しており、外傷性頚部症候群の14級であっても、認定されれば損害の総額は、300万円を超えているのです。

ですから、学習しなければなりません。
頼れるのは、貴方自身と交通事故110番だけなのです。

コラム 治すのは被害者の責任?

「仕事が忙しく、6ヵ月で36日の通院しかできていませんが、頚部痛、右手の痺れが頑固に続いています。
保険屋さんから治療を打ち切られたのですが、後遺障害は認定されるでしょうか?」

「あまりに治療実日数が少なく、後遺障害の認定は不可能と思われます。 お気の毒ですが、諦めて下さい。」
「ものの道理も分からんのか、後遺障害、欲をかくな!」そうは言いませんが、これが私の本音です。
仕事が忙しい、治療先が遠い、稀には、母の介護が大変で? 様々な理由と弁解ですが、通院が少なければ、症状を訴えても、後遺障害を申請しても、相手にされません。

最近ですが、非該当が何とかならないか?後遺障害診断書の写しを持参され、相談がなされました。
腰椎捻挫でL4/5に大きなヘルニアがあり、被害者は20代前半の女性です。
常識的には、12級13号のはずですが、非該当?なんとも不思議な状況です。
よくよく話を聞いてみると、初診の医師が絶対安静を指示したので、事故受傷から2ヵ月間、会社を休んで家で寝て過ごし、この間、1回も通院をしていないとのことです。
30日の治療の中断でも、因果関係が否定、治療の再開は認められていません。
ところが、本件では60日以上の空白期間ですから、どうすることもできません。

唖然、面談費用をお返しして、お引き取りを願いました。

受傷が、圧倒的な加害者の過失であっても、これを治すのは、被害者の責任です。
医師は、サポートをしているに過ぎません。
どんな弁解をしても、通院実日数が少なければ、大した症状ではなかったと判断されるのです。
上下肢の切断肢でもない限り、治療は真面目に続けなければなりません。

(3)最後のケジメ、被害者請求?

後遺障害診断書+診断書+診療報酬明細書+画像+検査所見を、加害者の加入する自賠責保険に郵送することを被害者請求と説明します。
その手続は、慣れていない被害者にとっては面倒なものです。
関係書類を保険屋さんに手渡して認定を依頼することを事前認定と言いますが、これは簡単な手続です。
しかし、絶対に被害者請求でなければなりません。

事前認定では、保険金が握り込まれ、たやすく騙される?

交通事故の損害賠償は、自賠責保険+任意保険の2階建て構造です。
先の顔面の醜状痕であれば、7級12号は、自賠責保険で 1051 万円と評価され、被害者請求であれば、被害者の指定口座に振り込まれます。
事前認定では、この 1051 万円は保険屋さんが握ったままですから、払い渋りに満ちた示談書に署名・捺印をしない限り、支払われません。

この2階建て構造?大半の被害者は理解できていません。
鎖骨の変形で12級5号が認定されたと想定します。
保険屋さんは「鎖骨の変形の後遺障害分として 224 万円をお支払いします。」
先の醜状痕であれば「誠にお気の毒な傷跡が残ったのですが、これについては、 1051 万円をお支払いさせて頂きます。」
自賠、任意と切り離すことなく上手に説明するのです。

「それは自賠の評価、保険屋さんとしての支払額を提示して下さいな、」 私なら、簡単に切り返しますが、ほとんど被害者は、これでイチコロ、損をしているのに、得した気分で示談するのです。
実に簡単に、騙されてしまうのです。
したがって、事前認定は、保険屋さんの示談の切り札となっているのです。

事前認定では、等級を薄める工作ができる?

保険屋さんは大小とも顧問医という御用医師を抱えています。

最大手の東京海上日動火災保険は、子会社の東京海上メディカルサービス株式会社に専門医を配置、訴訟では、意見書がここから多発されています。
上位等級が予想される後遺障害診断書では、こっそり顧問医の意見書を添付して、等級を薄めにかかるのです。
これは裏工作ですから、被害者が確認できることではありません。
しかも、事前認定の全てに意見書が添付されているのでもありません。
私は、元保険調査員ですから、裏事情に通じており、目撃した事実を公開しているのです。

先日の相談で「被害者請求ではなく、事前認定としても構いませんか?」こんな相談がなされました。
「貴方の決めることですから、どちらでも構いません。しかし、非該当の通知がなされたら、変な意見書が添付されたのではないのか?貴方は猜疑心で悩むことになります。
それでもいいなら、手続きは圧倒的に簡単ですから、事前認定を選択して下さい!」これが私の回答です。
被害者請求でも、自賠と任意保険が同じであれば、意見書の添付は可能です。
しかし、露見すれば、問答無用で解雇、そんな危険は冒さないと私は考えています。
被害者請求は、自賠法16条に基づく、被害者の法律行為、被害者固有の権利行使です。
ともあれ、保険屋さんが事前認定を推進している理由を考えれば分かることです。

これで長かった保険屋さんとのお付き合いは終了します。
等級決定後は、財団法人 交通事故紛争処理センターに示談の斡旋を依頼するか、もしくは有能な弁護士に依頼し訴訟で決着をつけることになります。
ですから、何が何でも、被害者請求でなければなりません。

コラム 医師法20条違反?

交通事故の訴訟では、逸失利益の喪失率と喪失期間が争点となります。
これを減額させる必要から、保険屋さんのお先棒を担ぐポンスケ弁護士は、保険屋さんのバックアップを得て、顧問医の意見書なるものを証拠として提出します。
内容は、以下の通りの言いたい放題で、全てが被害者にとって、不利に作成されています。

自賠責保険では、○等級が認定されているが、そのような後遺障害は、存在していない?
自賠責保険で認定された等級よりも、実際の等級は低いと思われる?
自賠責保険の認定等級は正しいが、労働能力喪失は殆ど発生していない?
治療の長期化は、被害者の心因性、加齢による変性を原因としており、全てが事故によるものではない?

被害者を直接、診察することなく、他院で撮影された画像と他の医師が作成した診断書、診療報酬明細書、カルテ、後遺障害診断書をチェックして作成された代物で、50万円程度の費用が支払われているとのことです。
メスを持つ手も震えるお爺ちゃん医師の、格好のアルバイトになっています。

アルバイトとは言え、保険屋さんの主張に沿ってコソコソ意見書を作成する、東京海上日動メディカルサービス株式会社、保険屋さんの顧問医、いずれも医師としての倫理が問われるところです。

さて、医師法20条では、「医師は自ら診察をしないで診断書を交付してはならない。」と規定しています。

医師法20条全文「医師は自ら診察しないで治療をし、もしくは診断書もしくは処方箋を交付し、自ら出産に立ち会わないで出生証明書もしくは死産証書を交付し、または自ら検案しないで検案書を交付してはならない。ただし、診療中の患者が受診後24時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書については、この限りでない。」

広辞苑によれば、診察とは、医師が病状を判断するために患者に質問したり調べたりすることであり、診断とは、医師が患者を診察して病状を判断すること、診断書は、医師や歯科医師が作成する診断結果を記載した証明書とされています。
意見書?広辞苑に説明はありませんが、裁判所に提出される意見書には、診断結果が記載されていますから、患者を診察しないで作成した診断書が、すなわち意見書となっており、明白な医師法違反を構成しています。

患者を診察したこともない医師の意見書が証拠になるのか?
そもそも、この意見書は医師法20条違反を構成しており、証拠価値は認められない?
この医師は、保険屋さんから、意見書の作成で幾らの報酬を得ているのか?
意見書の骨子となる判断の根拠について?
画像分析の詳細な説明について?
顧問医は、これまでに何本の意見書を裁判所に提出しているのか?
それらの意見書は、常に、保険屋さんに有利な心証となっていないか?

顧問医が見れば、鳥肌が立って寒気が生じる文章を並び立てて、3時間程度の証人尋問を申請するのです。
保険屋さんは意見書をお願いするに当たって、顧問医には、裁判での証言はあり得ないと約束をしています。
つまり、意見書なるものは一方通行の空手形に過ぎないもので、証人尋問の実現はありません。

被害者から依頼を受けた弁護士は、当然に、これを主張しなければなりません。
しかし、これで全てが終わるのではありません。
当然ながら、意見書の中味についても、主治医の診断書で、正面から反論することになります。
意見書の提出は儀式の如く決まっており、訴状提出の時点で予想ができることです。 であれば、訴状を提出する時点で、先回りをして主治医の診断書を添付しておくことも簡単です。

外傷性頚部症候群=TCSでは、素因減額が持ち出される可能性があります。
C4/5の椎間板ヘルニアが年齢変性によるもので、全てが事故によるものではないとして50%減額?
実に、ナンセンスな主張が展開されます。
これに対しては、脊椎の変性は、18歳頃より始まるとの医学文献、年齢相応の変性にとどまるとの主治医の診断書、H8-10-29最高裁小3判決、「被害者が平均的な体格ないし通常の体質と異なる身体的特徴を有していたとしても、それが疾患に当たらない場合は、損害賠償額を定めるに当たり斟酌をすることはできない。」 これらを示すことになります。

H20-11、東京地裁民事27部の裁判官は、外傷性頚部症候群で12級13号が認定された34歳男性の審理で、保険屋さんの弁護士が提案した意見書の証拠申請を一喝で拒否しました。
どのみち、素因減額の意見書であろうが、原告の年齢を考慮すれば、減額対象となる年齢変性が認められることは、ほぼ完璧に、あり得ないこと、さらに、意見書の提出では、いつの場合でも、その期限が守られたことはなく、遅れ気味であること、いたずらに、和解解決を遅らせる意見書を証拠採用することはできないと、正に、コテパンの訴訟指揮です。
保険屋さん? 言わずと知れた損保ヤバン、アホ丸出しです。

恥知らずな顧問医などは、駆逐しなければなりません。
さて、現実は、意見書の提出で、多くの被害者側の弁護士は慌てまくり、対抗すべき意見書の作成に大汗をかきます。これまでに医師との交流がなく、医学にも疎い弁護士が、この期に及んで意見書の作成をお願いしても、裁判、意見書と聞くだけで、アレルギー反応を起こし、殆どの医師は相手になんかしてくれません。 
現に診療を行った主治医に意見書のチェックをお願いすればいいのですが、医学に通じておらず、問題点をピックアップすることすらできません。

裁判所では「専門医の意見書を取り付け、対抗します!」
格好をつけたのですが、期日が迫っても意見書が提出されることはありません。
最後は、青菜に塩で、意見書の提出を断念する結果となり、裁判官の心証は保険屋さん側に大きく傾くのです。

京都のN弁護士も、これと同じ状況で、完膚無きまでに叩き潰され、大コケしました。
被害者を交えた反省会で「意見書が出されれば、もう、どうしようもない!」 情けないことにギブアップ宣言です。
引き受けた時の勢いは何処に行ったの?
7000万円の訴額が430万円では、大コケですから、勝った負けたの議論になりません。
しかも、和解ですから、控訴もできません。
訴訟に打って出て、後半は、依頼人の説得に終始した?なんともお粗末極まりないバカタレ・ポンスケです。
反省会、懺悔をしているのではありません。
依頼した弁護士がポンスケなら、被害者がリードしなければなりません。
こんなとき、被害者が主治医と対立している? 敵性証人では、バンザイ、諦めることになります。
医師と対立しては絶対ダメ、覚えておいてください。

この話にはオチがあります。
保険屋さんは、医師法20条違反となるので診断書の提出はできません。
やむなく、意見書としているのです。
しかし、被害者を担当する弁護士は、主治医に対するアプローチですから、求めるのは意見書ではなく、診断書となります。
ここに至っても意見書を口にする弁護士は、診断書と意見書の区別すらできていないのです。

(4)解決するということ?

解決の物差しは、自賠責保支払基準、任意保険支払基準、地方裁判所支払基準の3つです。
地裁基準が最も有利ですが、決着するまでに多少の時間が掛かります。
そこで、私は、以下の線引きを提案しています。

損害の総額が120万円未満の自賠責保険の範囲内で、後遺障害が認められないケース、

これは多少の不満があっても、自賠責保険支払基準で示談締結とします。
交通事故の解決は金銭です。
初めから金、金では浅ましい?そんな考えもありますが、私は実利の追求を旗印にしていますから、金、金で堂々と請求することになり、他人のやっかみは問答無用、気にすることでもありません。
しかし、自賠範囲内なら、言ってみれば軽傷事案です。
このレベルで地裁基準は、強欲、浅ましい、時間を掛けるのは非効率と申し上げているのです。

損害の総額は120万円を超えているが、後遺障害が認められないケース、

適用されるのは、保険屋さんのショボイ基準ですが、検証して騙しがなければ、示談とします。
時は金なり! こんな格言もあります。
後遺障害を残さない交通事故では、諦めて忘れることも必要です。

損害の総額に関係なく、後遺障害が認定されているケース、

財団法人 交通事故紛争処理センターに示談の斡旋を申し入れます。
日弁連交通事故相談センターも選択肢ですが、紛センに匹敵する拘束力がありません。
やはり、紛センを選択してください。

後遺障害等級が8級以上で、被害者に大きな過失が認められないケース、

有能な弁護士を探し出し、地方裁判所に損害賠償請求訴訟を提起して解決する。
ネットでは、保険屋さんとの話し合い解決を提案している弁護士がいますが、これは選択の対象ではありません。
弁護士の職場は裁判所ですから、訴訟で争って勝利することを最大前提としています。

地方裁判所支払基準
http://www.jiko110.com/contents/siharai/tokio/index.php?pid=3085
弁護士選びと保険屋さんの屁理屈、被害者としての決断、
http://www.jiko110.com/contents/funsen/index.php?pid=10
上記のコンテンツをチェックしてください。