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 知っておくべきベーシック

 第 1 章 事故日〜 30 日のチェックポイント

 第 2 章  60 〜 90 日のチェックポイント

 第 3 章  90 〜 180 日のチェックポイント

 ■第 4 章 示談締結、紛セン、訴訟


1 保険屋さんと話し合って解決する?


@自賠内解決?

示談解決とは、損害賠償額の精算です。 
損害額の合計が 120 万円未満の場合は、自賠責保険支払基準で損害を積算、示談額が提示されます。 
この場合、加害者の自賠責保険に対して被害者請求を行っても、同額が振り込まれます。
HP コンテンツ、「支払基準」 で詳細を説明しています。 
自賠責保険支払基準、 Nliro 調査事務所眉をひそめる自賠責保険の徹底研究、戦略的 被害者請求、 これらを熟読して下さい。
治療費を含む損害額が 120 万未満の時は、軽度な交通事故で幸いであったとして見切ります。
自賠責保険の支払基準で納得して下さい。

A 120 万円を超える解決?

損害額の合計が 120 万円以上の場合、保険屋さんは、「自社の基準で積算しました?」 
損害賠償額=示談額を提示します。
ところが、任意保険支払基準? そんなもの、とっくの昔に撤廃されてありません。
平成 10 年、今から 9 年も前のことですが、自動車保険は完全に自由化されたのです。

従来、強制されていた統一保険料率と統一支払基準は、この時点で撤廃されているのです。
ゴミ箱に破棄された筈の支払基準を独自に印刷して、「弊社の支払基準で計算しました?」 大嘘です。
このことは、 HP トピックス、「任意保険基準?」で詳細を説明しています。

現在では、自賠責保険支払基準と地方裁判所支払基準の 2 つしか存在していません。
従って、保険屋さんとの話し合いであっても、地裁基準が交渉のベースとなるのです。


であれば、被害者は地裁基準をマスターしておかなければなりません。
しかし、弁護士に依頼するのでもなく、紛センに協議を移すのでもありません。
保険屋さんと話し合っての解決であれば、地裁基準の 80 %が落とし処であることを理解して下さい。
「 9 年も前に撤廃された基準での解決は非常識、従って、赤い本を基準として話し合います。」
「 私は、契約者ではありませんから、貴方の会社の基準に拘束されません。」 
「しかし、弁護士や紛センに依頼するつもりもなく、貴方と話し合って示談することを決めていますから、
私も階段を降りることにします。ですから、貴方もホンの少し、階段を上がって下さい、これで妥結しましょう!」 

これが殺し文句です。


2 財団法人 交通事故紛争処理センターに協議を移して解決する?


保険屋さんと話し合って解決する! せっかくのプロポーザルも、査定担当者がポンスケでは、頓挫します。
であれば、紛センを選択することになります。

ここで注意です。
紛センに電話を入れると、面談日が指定されます。
キャンセル待ち OK であれば、面談日は必ず繰り上がります。
しかし、予約を入れる前に、ポンスケに紛センを口走ってはなりません。
債務不存在確認請求訴訟を打たれる可能性があるからです。 
私が保険調査員時代、生意気、偉そうで、しかもアホ、こんな被害者に対してはサッサとこの手続きを進めました。
訴訟となれば、被害者も弁護士に依頼して応訴しなければなりません。
お金も人脈もない被害者であれば、お手上げ、ザマーミロの結果となります。
これを行ってきた私が説明しているのですから、間違いはありません。
「相談している弁護士に確認して、 2 、 3 日中に返答します!」 これでお引き取りをいただき、その日の内に予約をするのです。 
予約が入れば、訴訟の提起は出来ません。
先に、紛センを口走らないこと!シッカリ憶えて下さい。

紛センは、正式には、「財団法人 交通事故紛争処理センター」 と呼び、全国の高等裁判所のある 8 ヶ所に設置されています。 
尚、さいたまと金沢には、相談室が設置されています。
いずれも、嘱託弁護士が交通事故に関する相談や示談の斡旋・審査を無料で行っています。
そして紛センでは、地方裁判所支払基準で損害額が積算されます。
被害者にとっては、願ってもない、「駆け込み寺」 なのですが、それ故に誤解も生じています。

@対応される弁護士は、決して貴方の味方ではありません?

紛センは、財団法人ですが、出資は損害保険協会がしており、運営にも深い関わりをもっています。
弁護士は、紛センの嘱託の資格で対応しますが、その費用は、事実上、損保協会の負担です。
貴方が着手金を支払って委任した弁護士ではありませんので、貴方の味方? それは錯覚です。
多くの被害者は、モメにモメて、紛センに辿り着きます。

加害者や保険屋さんに対するクレームを、クドクドと繰り返します。 
弁護士も、儀礼的に付き合いますが、腹の中では、「またか、くどい!」そう思っています。
話しは途中で切り上げられ、「それやこれやで、ここに来られたのでしょう、それなら、一体、幾らを請求されるのですか?」 
被害者は、弁護士を唯一の見方と考えていますから、この質問を予期していません。
せっぱ詰まって、何の根拠も示さずに、「 1000 万円を請求します?」 「計算の仕方を知りませんので、先生に任します?」 
これが代表的な回答です。
これを関西では、「片キンを握られた?」 交渉の主導権が相手の弁護士に移動したことを意味します。


A理想的な交渉方法?

「本来であれば、保険会社と円満解決を行うのが一般的です。 
努力はしたのですが、非常識な対応が繰り返され、頓挫しました。 
ここに至る経緯を繰り返しても、お耳障りなだけです。 
先生には、ご迷惑を掛けますが、どうぞ宜しくお願い申上げます。」 
紳士的にサラリと説明、ここからのスタートです。

前もって本件事故による日常、仕事上の具体的な支障を A4 版 2 枚程度にまとめておきます。
例えば、「市役所に勤務しています!」 だけなら、「ああ、そうなの?」 で終ります。
ところが水道局に勤めていて、各戸別のメーターの検針や、浄水場での作業となると、
簡単には終りませんし、話も生き生きとして来るのです。
相手弁護士も経験のない仕事の内容には、興味を持って耳を傾けてくれます。

この説明に現在の支障を組み込むのです。
必要があれば、ビデオ撮影も実施し、ビジュアルに訴えます。
次に、それに基づいた損害賠償額を地裁基準で積算し、損害賠償額請求書を用意します。
過去の紛センの裁定は、出版社のぎょうせいから、「交通事故裁定例集」 のタイトルで発売されており、
図書館で閲覧が出来ます。 
この裁定例集や裁判判例から類似例をピックアップ、コピーを添付しておけば、立証は、ほぼ完璧です。

紛センでの最初の協議に、
※本件事故による、日常、仕事上の支障、
※それに基づく、損害賠償額の積算明細、
※過去の紛センの類似裁定例、判例

これらの根拠の全てを明らかにして提出するのです。
「書類は口以上に、ものを語る!」 口べたな被害者も大安心です。
これらを具体化した、「紛センで解決するキット」 交通事故 110 番は、 H16-3 から発売しており、ベストセラーとなっています。
必要に応じて、ご利用をご検討下さい。
同じ趣旨の説明を、コンテンツ、「支払基準」地方裁判所支払基準で展開しています。


B紛センにおける解決の流れ?

※第 1 回目
紛センに出掛け、先の要領で、被害者から根拠を明らかにして、全ての資料を提出します。
面談後、保険屋さんが呼ばれ、弁護士は、積算明細書のコピーを渡して、
次回までに保険会社としての積算明細書を提出するように指示をします。

※第 2 回目
保険屋さんの提示額を示し、被害者の意向が確認されます。

※第 3 回目
弁護士から斡旋案が提示されます。
了解点に達すれば示談解決、貴方が納得しても保険屋さんが拒否すれば、遅疑のステップ、裁定となります。

※第 4 回目
裁定では、担当弁護士を除く、複数の弁護士が合議して結論を出します。
担当した弁護士はこれまでの経緯と意見を書面で提出するだけです。
裁定の結果について、保険屋さんは異議の申立てができませんが、
被害者は不服であれば、これに従う必要はありません。 
この場合は、訴訟を提起することになります。
これを片面仲裁と呼び、紛センの最大の特徴となっています。



C被害者としての心得?


例えば、外傷性警部症候群で 12 級 13 号が認定されたとします。

12 級 13 号「局部に頑固な神経症状を残すもの」
他覚的検査により、神経系統の障害が証明されるもの、

 

地方裁判所の判例傾向

任意保険支払基準

期間・地裁名

S53-3-29 東京地裁〜 H16-5-26 大阪高裁

 

訴えの件数

87 件

 

認・否

認 81 件、否 6 件

 

喪失率

5 〜 50 %、最多は 14 %で 42 件

14 %

喪失期間

6 ヶ月〜 49 年、 3 〜 15 年が 60 件、
20 年を認めたものが 4 件

3 〜 4 年

慰謝料

290 万円

100 万円(自賠認定額 224 万円)

地裁の判例では、喪失率 14 %で 20 年を認めたものもあります。 
せっかく獲得した等級ですから、できれば 20 年? 
こけても 7 年は認めて欲しい? 
被害者なら誰でも考えます。

しかし、判例は 3 〜 7 年が最大分布です。 
紛センで解決を期待するのなら、 7 年で請求して 5 年なら良しとしなければなりません。 
保険屋さんとの話し合いであれば、殆ど全てが自賠範囲内、つまり、先に被害者請求で獲得した 224 万円でチャラの提案です。 
ねばり強く交渉を続けても、喪失期間は最大で 4 年、後遺障害慰謝料は 100 万円を超えることはありません。 
紛センでは、後遺障害慰謝料は 290 万円をスンナリ認めます。

この段階で、保険屋さんとの比較で 190 万円アップ、仮に逸失利益が全否定されても、あり得ないことですが、
自賠責保険との差額 66 万円は、被害者の懐に転がり込むのです。
欲をかく? 関西では爪を伸ばすと言いますが、タダで利用して目一杯はあり得ません。


3 有能な弁護士に委任して、訴訟で決着をつける?


私は、弁護士の職場は裁判所である! そのように考えています。
裁判で弁護士が戦う相手は、保険屋さん側の弁護士ではありません。
相手弁護士からは、時に辛辣な表現が用いられることがあり、被害者は、
それらの発言や主張に対して一喜一憂を繰り返すのですが、本当の相手方は、裁判官となります。
裁判は、当事者主義、自由心証主義の考え方が貫かれています。
当事者は、損害を主張し、それを客観的に立証しなければなりません。

裁判所は当事者の主張を法律に照らし合わせて判断をするのですが、
現実問題として裁判官の心証で、その判断は決まるのです。 
緻密な立証活動の積み上げを行い、
当事者の主張が真実であるとの心証を裁判官に植え付けるのが弁護士の仕事となるのです。
さて、医療と交通事故に明るい弁護士の選び方です!
図書館に出掛け、交通事故の判例が掲載された書籍を探します。
判例タイムズ社、 http://www.hanta.co.jp/
ぎょうせい http://www.gyosei.co.jp/
お住まいの地区で、優れた交通事故の判例を探し出すのです。
古いものではなく、ここ 5 年、最近の判例に着目します。
第一審の判決が出された地方裁判所に出掛け、判決日と事件番号を知らせると、
担当した弁護士と事務所の所在地、電話番号を教えてくれます。 これには 150 円の印紙と認印、
身分を証明する運転免許証やパスポートが必要です。 
地方裁判所には直近の 5 年間の判決を保有、それよりも古いものの閲覧は不可能です。
控訴されて高裁で審議された事件でも判決等は、地方裁判所に保管されています。 

図書館で判例を発見出来なかった場合? 
滋賀なら、京都や大阪、三重なら名古屋や大阪と地域を広げて探し出すことになります。
多くの被害者は、親戚、知人の紹介で安易に弁護士を選択しますが、これは最も危険です。 
その弁護士の能力に疑問を感じても、人間関係から解任が困難となるのです。
そして、多くの被害者は、弁護士に委任すれば、もう安心と考えています。
それを理由に、事故直後からの委任を急がれる被害者も珍しくありません。
安易な委任と任せきりは、殆どが大失敗に終わるのです。
常識的には、弁護士の依頼は後遺障害等級が認定されて、総損害額が確定した時点です。
その後の立証作業も、被害者が積極的に参加しなければなりません。
共に戦って、勝利を勝ち取る! この姿勢なくして勝利はあり得ないのです。

@ 裁判は時間が掛かる?
因果関係や過失が争点にならないケースでは、 6 ヶ月で判決が確定します。
さて、 H15-7-9 、裁判迅速化法が参議院本会議で可決、成立しました。
これは全ての裁判の一審判決を、 2 年以内に出すことを目指しているのです。
最高裁判所は長期化した裁判を検証し、その結果を 2 年ごとに公表しなければなりません。
同時に、計画審理を義務付ける民事訴訟法改正法も可決、成立しています。
これにより、裁判所は事前に審理計画を立て判決の時期も含めた審理日程を示さなければなりません。
そして専門委員制度が設けられ、医療過誤や建築紛争等の訴訟に、医師ら専門家を積極的に関与させることになりました。 
つまり、裁判による決着は迅速化の方向にあるのです。

A 結論はやってみないと分からない?
得られる判決は、過去の同種の判例を検索して検討をすればおよその目安がつかめます。

B 高額な弁護士費用や裁判費用を負担しなければならない?
これが最も間違って理解されています。
訴訟に必要な費用は訴訟費用と弁護士費用となります。

民事訴訟費用

範囲

単価

計算

訴訟の目的の価額が 100 万円まで

価額 10 万円ごとに 1000円

1000 × 10 = 1 万円

訴訟の目的の価額が 100 〜 500 万円まで

価額 20 万円ごとに 1000 円

1000 × 20 = 2 万 円

訴訟の目的の価額が 500 〜 1000 万円まで

価額 50 万円ごとに 2000 円

2000 × 10 = 2 万円

訴訟の目的の価額が 1000 〜 10 億円まで

価額 100 万円ごとに 3000 円

3000 ×○=

合計

5 万 5000 円+○

訴訟費用は訴額が 1 億円で 35 万 5000 円の印紙代ですから、高額ではありません。
弁護士費用は着手金と報酬に分かれます。着手金は被害者の負担となりますが、
判決を獲得すれば、弁護士費用は保険屋さんが負担するのです。

更に判決では、事故日起算で単利 5 %の遅延利息が計算されます。 
後遺障害部分についても事故日を起算点に自賠責保険よりの振り込み日までの期間について
単利 5 %の確定遅延利息が計算されます。

例えば判決額 1 億円で事故日から判決まで 2 年であれば、遅延利息は 1000 万円となるのです。
裁判費用や着手金は、これらの遅延利息の一部で間に合う計算となるのです。

 

 第 5 章 結論 「最後のまとめ?」



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