概要

自動車で直進中、センターラインをオーバーして対向車と衝突、横転した。
同乗していた女性は頭部を強打、前頭葉の脳挫傷と診断される。
記銘力、遂行能力の低下、軽度の情動障害、性格変化が見られた。
また、臭いをまったく感じないとの訴えがなされた。

問題点

山梨県甲府の出張相談会にご両親が参加された。
被害者本人は、都内に下宿し、東京の大学に通学している。
ご両親の委任を受け、都内で、被害者と面談、弁護士とともに対応を開始した。
まず、嗅覚障害を明らかにするためT&Tオルファクトメーター検査を実施した。
結果は、嗅覚脱失であった。
続いて、脳神経外科の主治医と面談し、神経心理学検査の結果を回収する。
いずれも標準値を超えており、いくつか追加検査が必要であったが、学校の成績は上位に保たれており、本人の学習歴からもすべて高得点を予想した。
障害の程度はいずれも軽度なものであり、一見する限り、なんの障害もないように見えた。

立証のポイント

微妙な変化・低下を明らかにするために、家族や友人の観察と日常生活状況報告の作成に重きを置き、都内のキャンパスを訪問、学友から細かく聞き取りを行った。
さらにご両親には、複数回の手紙のやり取りで情報を集めた。
集めた情報を主治医に提示し、障害の全容を把握していただいた。
このプロセスを経た後で、診断書の記載となった。
その後、診断書の細かな修正を粘り強く働きかけた。

結果、細かな変化が評価され、高次脳で7級4号が認定、嗅覚喪失で12級相当が併合され、併合6級が認定された。

続く賠償交渉では、連携弁護士の請求に対し、相手損保は細かな計算の修正を求めたのみで、請求額のほぼ全額を認め、異例の早期解決となった。
立証が強固であると、相手損保の反論を封じ込めることができることを確信した。