概要

道路を歩行横断中、バイクにはねられ受傷、傷病名は、脳挫傷、腸間膜損傷、恥・坐骨骨折、腓骨骨折、顔面裂傷、歯牙欠損で、腸間膜損傷は緊急オペとなった。
怪我に比して回復が順調で、1カ月で退院したが、退院後、難聴、排便障害、右脚の外反など、いずれも自賠責の障害基準に満たない微妙な症状で苦しんでいた。
通院した治療先は6カ所、受診の診療科は10科にもおよんだ。

問題点

警察、病院とも関係が悪く、相手損保も僅か3カ月で打ち切り、自らが契約の人身傷害保険で通院を続けるも、1年で治療費対応が終了となる。
その後、症状固定することなく、だらだらと治療が続き、さらに2年が経過した。

このような状態で家族は複数の弁護士に相談するも、受任には至らず、たまたま連携の弁護士が、NPOジコイチの八重洲交通事故無料相談会に誘い、参加されたもの。

本件最大の問題は、画像所見が微妙で、脳に器質的変化がないこと、意識障害は、せん妄(性格・行動が荒れる症状)があるものの、意識障害なしと記載されている。
これでは、自賠責の基準上、高次脳の認定は門前払いが濃厚であった。

立証のポイント

事故の終結に向け、連携の弁護士は、人身傷害の保険会社に協力を要請、休業損害の先行払いを認めさせ、その軍資金で、被害者に同行して11回の医師面談を実施した。
どの医師からも敬遠気味の被害者であったが、平身低頭、検査と診断書の記載を依頼した。

意識障害は救急救命の医師に実情を説明し、カルテから、せん妄の追記を得た。
画像所見は微妙であったが、ただ1人、挫傷痕を指摘した医師と面談、主治医とは別に、その所見を診断書にしていただいた。
並行して、リハビリ科の医師には、できる限りの他覚的所見の記載を受け、他科の診断書も歯科も含め6科に依頼、所見の記載を、コツコツと集めた。

さらに、通常よりも、日常生活状況報告書をより緻密に作成、審査側に窮状を切々と訴えた。
複雑に絡んだ事案を整理し、調査期間14カ月を経て弁護士委任による被害者請求まで漕ぎ着けた。

審査は7カ月を要したが、高次脳で3級3号が認定、醜状障害と併合して2級となった。