概要

デパートの屋上にある駐車場内を歩行中、前方不注意の自動車の衝突を受け、転倒、負傷した。
頭蓋骨骨折、急性硬膜下血腫、外傷性くも膜下出血の診断名、救急搬送後、脳出血への対処の必要から、地元では有名な大学病院?に緊急転送された。

問題点

治療先では、脳出血さえ止まれば、事前の予想通り、痴呆扱いとされる始末で、さらに、この治療先には、大学病院といっても、検査設備やスタッフが整備されていません。

入院先のご本人と面談、話しのやりとりで、認知症ではなく、明らかに高次脳機能障害と判断できたが、高齢者でもあり、認知症との関与だけでなく、今後の介護状態が、年齢相応のものか事故外傷によるものかを立証しなければならない問題を残していた。

他の持病の治療もあり、転院が困難と判断、他の治療先で検査を受け、データを揃えてこの大学病院に持ち帰り、後遺障害診断を受けることを計画した。
ところが、症状固定が近づく頃、主治医が代わり、新任の医師は、高次脳の理解に乏しく、痴呆症によるものと診察する事態となり、この治療先における後遺障害診断を断念するに至った。
治療先の医事課には、正式に診断書記載を断り、次いで、検査を実施した病院に戻って、専門医による正しい後遺障害診断を受けることとした。

立証のポイント

申請後、予想したとおり、自賠責調査事務所からは、「主たる治療先の神経系統の障害に関する医学的意見」 が必要との追加提出依頼がなされた。
大学病院の医師と面談、調査事務所の回答書を示し、「当初から患者を診察しておらず、これらの記載を見送ります。」 旨の記載を受けた。
さらに、連携の弁護士に、この大学病院の特殊性と本件の事情を説明し、調査事務所に対する説得を要請、弁護士によれば、自賠責保険調査事務所も、「あぁ、あの大学病院ですか?」 なにかと問題のあることを承知している様子で、回答書が添付できない事情を了解してくれたとのこと。

技術面では、本件被害者の元々の頭脳明晰さと、障害による低下を切り分ける作業となった。
WaisⅢでは言語性IQ100を超える成績ながら、動作性IQが言語性との比較上、低い点に注目、読み書き・計算にはまったく衰えがないが、記銘力に明らかな低下があることを浮き彫りにした。
この部分では、追加的にお願いした三宅式記銘力検査、リバーミードの結果が有効となった。
易怒性などの性格変化については、以前から家族に克明な記録を促し、緻密な文章を作成した。
申請から5カ月後、当方主張の症状ほぼ全てが反映され、随時介護の2級1号が認定された。

本件は、主治医交代から当初の計画が狂い、大学病院と医師に振り回された。
この大学病院の異常性を承知しており、急性期を脱した時点で、転院させることが安全策ではあったが、被害者の事情もあり、それは断念することになった。
突然、治療先を変更して立証するとなると、如何にも非常識、不自然な流れを形成する。
チーム110としては、主たる治療先で立証することを、第一と考えている。
でも、この大学病院だけは、異例、異常で、このままでは9級10号も困難となり伝家の宝刀を抜いた。

この大学病院の名前を明示できないことが、とても残念です。
神奈川県で高次脳の立証を予定されている被害者は、NPOジコイチのフリーダイアル class="aka"0120-716-110に相談してください。そして、交通事故無料相談会に、しかも、できるだけ早期に参加してください。
治療先による二次被害を防止します。

本件では、後日談があります。
後遺障害診断書の作成をお断りしているのに、この医師から後遺障害診断書が届いたのです。
しかも、内容は、12級もどうかのレベルです。
こんな診断書を添付して申請することはできません。
医師には、再びお断りの連絡を入れたのですが、なんと、診断書を書くと譲らないのです。
仕方なく、他の治療先での神経心理学検査の結果を託し、十分な説明を行って仕上がりを待ちました。
しかし、それから半年以上を経過しても、未記載のまま放置され続けたのです。