概要

青信号、交差点を自転車で進行中に、信号無視の自転車に側面から衝突されたもの、

問題点

自転車同士の事故で、自賠責保険がなく、傷害部分と後遺障害部分について、加害者が加入の個人賠償保険に請求せざるを得なかった。
意識障害、画像所見の両方が甘く、このままでは認定要件を満たさない状況であった。

立証のポイント

症状は主として、感情失禁と易怒性であり、記憶などには、問題がなかった。
画像分析では、頭蓋骨骨折、脳挫傷、外傷性くも膜下出血が確認できた。
しかし、くも膜下出血は微小なもので、びまん性損傷は確認できなかった。
まず、意識障害について、ご家族に同行して救命救急センターの医師と面談、外傷後の健忘について追加記載をお願いし、看護記録から克明な追記を受け、意識障害の問題点をクリアーした。
受傷後8カ月を経過した段階で、高次脳の立証に長けた治療先を紹介し、被害者に同行して、神経心理学的検査を受ける。
神経心理学的検査では、注意機能の低下が判明、画像所見の補強のため、T2スターの検査を医師に依頼、微細ながらも右前頭葉に出血痕が確認でき、画像所見の問題点をクリアーする。
結果、後遺障害等級は、9級10号が認定されたもの。
当初、高次脳としての認定はやや難しい予想であったが、苦労の甲斐あって、立証に漕ぎ着けた。
本件は、神経心理学的検査で、注意障害の低下を立証できたことが、1つのポイントであった。

高次脳では、注意機能の低下が土台にあり、それに付随して記憶障害、遂行機能障害などが現れる。つまり、注意障害なくして遂行機能障害、記憶障害は通常考えられないのである。
記憶の低下・障害のみの検査結果だと、審査する側では、不自然な検査結果となる。
本件では、障害の程度は少ないながらも、注意機能が低下していたことが一定の評価に繋がったものと考えられる。