画像左側に凸レンズ状に白く広がっているのが急性硬膜外血腫です。

頭蓋骨の下には、硬膜と呼ばれる非常にしっかりとした硬く白い膜があり、脳を包み保護しています。
頭蓋骨と、頭蓋骨の内側で脳を包んでいる硬膜の間に出血がたまって血腫になったものです。
硬膜の表面を走行している硬膜動脈もしくは静脈が傷ついて出血し、ゼリー状に固まって血腫となったもので、脳挫傷のように脳の実質部が挫滅したものではありません。

しかし、出血量が多く、血腫が増大していけば、脳を圧迫することで、激しい頭痛、嘔吐に始まり、意識障害をきたし、放置すれば、脳ヘルニアで死に至ります。
そこで、厚さ1~2cm以上の血腫、または20~30ml以上の血腫が認められるとき、意識障害が進行性に悪化するときは、緊急に開頭血腫除去術が行われています。

症状が軽度な頭痛や嘔吐だけで、意識障害もなく、血腫が少量のときは、入院管理下で保存的治療が行われ、頭蓋内圧亢進に対しては、脳圧降下薬=グリセオールの点滴注射が行われています。
少量の血腫は、自然吸収により消失します。

急性硬膜外血腫による後遺障害のキモ?

1)傷病名が急性硬膜外血腫だけで、脳挫傷やびまん性軸索損傷を合併していないときは、血腫除去術で脳の圧迫を取り除くことにより、症状の回復が期待できます。 また、血腫が少量で、保存的治療が行われたものでは、後遺障害を残すことはありません。

2)血腫の増大が急速で、昏睡状態で治療先に搬送されたときは、血腫が除去されても、意識障害に伴う高脳機能障害を残すことがあります。

※吐いたら危険、なぜ、吐くのか?

堅い頭蓋骨に格納されている脳は、脳挫傷や、頭蓋内の出血などにより圧迫されると、逃げ場を失って、脊髄へ向かって圧が掛かるのですが、このとき、脳幹部の嘔吐中枢を刺激し、吐く仕組みです。 脳幹部の嘔吐中枢は、かなり敏感で、ちょっとした脳震盪でも嘔吐することがあります。