脳挫傷による出血が、くも膜下腔に拡がったものをくも膜下出血と呼んでいます。

通常、くも膜下出血は、先天的な脳動脈瘤の破裂を原因とするものですが、外傷を原因とするときは、外傷性くも膜下出血と診断されています。

頭部CTでは、脳溝、脳裂など、脳のシワ部分の出血が白く、モヤモヤと映ります。
脳挫傷ではなく、びまん性軸索損傷を原因として、少量のくも膜下出血が認められることがあります。

受傷直後から、激しい頭痛や嘔吐、意識障害などの症状が出現します。
脳挫傷を伴うときは、片麻痺、片側の感覚障害、言語障害、痙攣発作なども見られます。

合併している脳挫傷やびまん性軸索損傷により、頭蓋内圧が亢進しているときは、マンニトール、グリセオールなどの利尿剤の点滴投与で内圧を下げる治療が続けられますが、くも膜下出血を手術で取り除く効果はほとんどないので、手術は実施されず、出血は自然に吸収されるのを待ちます。

予後は、合併する脳挫傷やびまん性軸策損傷のレベルで決まります。
脳脊髄液の流れが滞ることで、あとから外傷性正常圧水頭症を来すことがあります。

外傷性くも膜下出血による後遺障害のキモ?

1)この傷病名そのものに、驚くことはありません。
経験則では、軽度の脳挫傷による出血がくも膜下に及んだものが大半で、症状固定段階では、出血痕は消失しており、9級10号を超える後遺障害を残すこともありません。
とは言え、家族からは、事故後の細かな症状を確認して、高次脳機能障害の立証をしています。

2)問題とするのは、びまん性軸索損傷に合併してくも膜下出血が認められるときです。
びまん性軸索損傷は、次のページで説明しています。