上の画像の中央部、白く細長い像は、脳室内出血を抜き取るドレーンチューブです。

脳室とは、脳脊髄液を生産している脳内の腔のことです。
左右に側脳室と、正中に第3脳室、第4脳室、合計4つの脳室が存在しており、これらは相互に連絡し、くも膜下腔へと接続されることで、脳脊髄液は脳室内を循環しているのです。

脳挫傷に伴って脳室の壁が損傷を受け、そこからの出血が脳室内に貯まって脳室内出血に至ります。
脳室内出血によって脳脊髄液の通り道が詰まると、上流の脳室が急速に拡大して、周囲の脳を圧迫することになり、これは、急性水頭症と診断されています。

急性水頭症では、脳室の拡大のために頭蓋骨の内圧が高まり、激しい頭痛、嘔吐、めまい、手足が動きにくい、しびれの出現、意識障害などの症状が出現します。
これを放置し、脳室の拡大による圧迫が脳ヘルニアの状態にまで進行すると死に至ります。
急性水頭症に対しては、局所麻酔をかけて頭蓋骨に小さな孔をあけ、脳室にチューブを挿入し、脳脊髄液と脳室内の出血を取り除く、脳室ドレナージ術が、緊急的に実施されています。

※正常圧水頭症
徐々に脳脊髄液の流れが滞り、脳室が拡大するものは、正常圧水頭症と診断されています。
脳を圧迫しているのに、なにが正常なのでしょうか?

正常圧水頭症には、続発性正常水頭症と、特発性正常圧水頭症の2つがあるのですが、正常圧水頭症の50%は、原因不明の突発性正常圧水頭症です。
高齢者に多く見られる特発性正常圧水頭症では、
①歩行障害、②精神活動の低下、③排尿障害などの症状が現れます。

CT、MRI検査で、脳室の拡大が確認されますが、アルツハイマー型であっても、脳室は大きくなるため、診断が難しく、腰椎から髄液を少し抜き出す髄液タップテストが行われています。
検査により正常圧水頭症と診断されたときは、脳室内に貯留して吸収できなくなった髄液を、シリコンの管を通して別の場所に流れるようにする、V-Pシャント術が行われ、改善が得られています。

突発性正常圧水頭症は、外傷性ではありません。