17歳の長男、高校2年生ですが、通学途上の幹線道路を自転車に乗って斜め横断し、右方からのトラックに跳ね飛ばされました。
脳挫傷、頭蓋骨陥没骨折、急性硬膜下血腫で開頭術を受け、ICUに入院中です。

相手の加入する損保よりは、被害者の過失が55%であり、任意一括対応ができないとして放置されたままの状態ですが、家族としては、どう対応すればいいのでしょうか?

A 自宅に自動車があり、自動車保険に加入されているときは、保険証券の裏面を確認してください。
人身傷害保険に加入のときは、当面の治療費などを人身傷害保険に請求できることがあります。
判断ができないときは、保険証券の表裏を送信してください。
確認の上、10分以内で、請求の可否について回答します。

高次脳2級1号

自転車で通学途上の16歳男子高校生が、道路を斜め横断し、右方からの車に跳ね飛ばされ、高次脳2級が認定されました。

弁護士の立証

本件では、被害者に40%の過失が想定されたため、父親が加入している自動車保険の人身傷害保険から1億円、自賠責保険から3000万円を先行取得した直後に、民事裁判を提起しています。

高次脳2級で、実際には介護に大変な手間がかかることを丁寧に立証し、裁判所は、職業介護として日額2万円、家族介護8,000円を認定しました。

過失は40%であったものの、人身傷害保険から過失分の1億円を填補し、さらに相手損保からの損害賠償金として1億2100万円と近親者慰謝料として240万円、自賠責保険金3000万円、総額2億5340万円で和解することができたものです。

裁判所が認定した総損害額は2億5900万円であり、ほぼ満額の支払いを受けたことになりました。

NPOジコイチのコメント

①人身傷害保険の扱いは、損保により異なります。
本件では、東京海上日動の人身傷害保険であったので、人身傷害保険から先行取得し、裁判所には、訴訟基準差額説を求めたものです。

この仕組みを知らない弁護士が、先に民事訴訟を提起し、判決後に40%の過失相殺分を東京海上に請求していれば、回収できたのは1億円ではなく、せいぜい5000万円となります。
東京海上日動、日新火災、eデザイン、共栄火災、全労済、あいおいニッセイ同和、沖縄の大同火災の7社は、先行取得でないと、地裁基準を実現することができません。
ところが、損保ジャパン日本興亜、セゾン火災、そんぽ24、朝日火災、セコム、ソニーの6社であれば、判決取得後に請求しても1億円が支払われます。

三井住友、三井ダイレクト、AIU、富士火災、JA共済、アクサ、チューリッヒ、SBIの8社となると、あとでも先でも、支払いとなると、

①とりあえず、当社と協議しましょう?
②協議、調停でも納得できないなら、当社と裁判しましょう?
やたらに面倒で、もう、お話になりません。

本件は、弁護士の資質の1つである、幅広い保険約款の知識と経験則が生かされた例です。

Aさて、自動車を保有していないときは、人身傷害保険の適用は不可能ですが、火災保険に付帯の傷害保険、学校単位で加入している高校生総合保険などに請求することができるかも知れません。
急ぎ、手元の保険証券を確認してください。
当面の治療費などは、治療先に健康保険の適用を願い出て、節約することになります。

受傷から1年後に症状固定とし、被告加入の自賠責保険に委任請求による被害者請求とします。

損保の反論

等級が認定され、自賠責保険から保険金が振り込まれた後に、相手の損保と協議することになりますが、先の例、2級1号であれば、逸失利益の基礎収入と随時の介護料を恣意的に低く見積もり、過失相殺を実施すれば、自賠責保険からの3000万円を超えないレベルの賠償額が提示されます。
これが損保の常識なのです。

弁護士の立証

詰まるところは、弁護士に委任して地裁に損害賠償請求訴訟を立ち上げることになります。
弁護士が逸失利益の基礎収入や介護料などの立証に成功すれば、既払い金と自賠責保険金を控除して1億2400万円を手にすることができます。

人身傷害保険の適用がなく、1億円は泣くことになりますが、損保の常識に押し切られれば、3000万円ですから、もっと大泣きすることになります。