高次脳7級4号 併合6級

24歳会社員の女性が、友人の運転するバイクの後部座席に同乗中、対向右折車の衝突を受けたもので、バイクの運転者は即死しています。

被害者は、左手関節機能障害で12級6号、その他の障害を加えて併合11級の認定を受けていましたが、高次脳については、画像所見が得られないこと、意識障害所見もないことを理由として、非該当とされ、前任の弁護士は2回も異議申立を行いましたが却下され、お手上げ状態でした。

弁護士の立証

新たな弁護士に交代したのですが、すでに、事故から7年が経過していました。
すでに、異議申立は2回も却下されており、自賠責保険に対してさらなる申立を断念、裁判所で等級の認定を目指すとした弁護士は、刑事記録と看護記録に着目しました。

刑事記録の交通事故現場見取図では、被害者が事故の衝撃で14メートルも跳ね飛ばされたことが記載されており、それを裏付けるように、被害者には、顔面を含む多発外傷、歯牙脱臼などの傷病名があり、頭部と顔面部に強いダメージを受けたことが予想されるものでした。
さらに、カルテの看護記録には、意識喪失ではないものの、低レベルの意識障害が少なくとも1カ月間は続いたと思われる、看護師と被害者のやりとりの記載がありました。

現状の被害者には、人格変化や軽度の失語があり、家族や他人とのコミュニケーション能力が低下しており、それらを明らかにするために専門医を受診、神経心理学的検査を受けました。
裁判では、カルテ分析と専門医の診断書、神経心理学的検査のデータ、専門医の意見書を提出、高次脳を否定する損保側医師の意見書に対抗しました。

⇒結果、裁判所は、本件交通事故と高次脳の因果関係を認め、7級、併合6級を認定しました。 7910万円の損害賠償額約7,910万円の賠償に加え、事故から9年8カ月を経過した遅延損害金として3570万円が支払われました。

NPOジコイチのコメント

高次脳機能障害と判定されるには、以下の3要件を満たさなければなりません。
①頭部外傷後の意識障害、もしくは健忘症あるいは軽度意識障害が存在すること、
②頭部外傷の傷病名が確定診断されていること、
③XP・CT・MRIでダメージの痕跡が確認できること、

想定される4つのパターン

  意識障害 傷病名 画像所見 高次脳機能障害
1
2 ×
3 ×
4 × × × ×

1であれば、高次脳機能障害の立証に、苦労はありません。
2でも、なんとか頑張って立証に漕ぎ着けます。
3となれば、高次脳機能障害の認定は極めて困難となります。
4は論外で、高次脳機能障害として審査されることはなく、非該当です。
軽度脳損傷、MTBIは4に該当し、高次脳機能障害として評価されていません。

本件では、①意識障害所見と③画像所見が立証されておらず、高次脳の障害を残しているものの、事故から7年も経過していて、ほぼ絶望的な状況でした。

かねてより、弁護士に求められる資質として、以下の3つを掲げていますが、
①問題を正確に理解するための幅広い知識と経験則
②依頼人から問題点を引き出す対話力、
③勝訴に導く創造力と構成力

本件では、刑事記録や看護記録に着目するなど、担当された弁護士の鋭い感性、高いセンスに敬服しています。

一般論として、人命救助を最優先する救命救急の現場では、まず、出血を伴う外傷の治療が優先され、生命にさほど影響しない軽度な脳外傷は放置気味で、結果として高次脳が見逃されることも少なくない現状があります。
これらの現状にキレて、治療先に感情を爆発させる被害者や家族もおられます。
そうなると、治療先は敵性証人となり、今後の協力が一切、期待できなくなります。

そうなる前に、できるだけ早く、NPOジコイチのフリーダイアル0120-716-110で相談してください。
フリーダイアルで概要をつかめたら、交通事故無料相談会に参加してください。

もちろん、セカンドオピニオンを求めることで、構いません。