高次脳5級2号 併合4級

19歳、会社員男性が、普通乗用車を運転中、信号機のない交差点で普通貨物車と出合い頭衝突し、高次脳で7級4号、右眼の調節障害で12級、併合6級が認定されていました。

弁護士の立証

実際の症状はもっと重度なもので、専門医を紹介して受診、異議申立を行い、高次脳で5級2号、併合4級が認定されています。

本件事故では、被害者側に一時停止の標示があり、基本過失割合は80:20となり、自賠責保険も減額される重過失事案でした。
損保側は、被害者過失が大であり、任意一括の対応も行わず、無責を主張しています。

弁護士は、すでに事故から8年が経過しており、実際の症状を積み上げて立証し、遅延損害金を考慮すれば、なんとか1000万円に届くとの見通しを立てたのです。

損保は、訴訟を提起した途端、従来の主張を否定し、相手車は運転者の所有車ではなく、第三者の所有する自動車であって、許諾性がないので任意保険は使えないとする無責の主張を展開したのです。
これでは、裁判官の心証は悪くなります。
弁護士は、法廷外で損保に強く抗議、損保もその非を認めることになりました。
立証は被害者側にあるとしても、なんでも主張すれば良いのではありません。

⇒裁判所は高次脳5級2号に対して、将来介護料、日額1500円を認定しました。
過失相殺前の総損害額は1億4600万円となり、併合4級では評価できるものでした。
最終的には、過失相殺が行われ、1000万円で和解が成立しています。

NPOジコイチのコメント

被害者過失大、ましてや自賠責保険の重過失減額となると、多くの弁護士の腰は引けます。
したがって、被害者としても、請求を諦めてしまうことがほとんどです。

本件の弁護士は、重過失事案であることを知った上で、それでも将来介護料の請求と和解調整金で1000万円に届くと判断し、受任しています。

本来の損害額は、1億4600万円ですから、0:100では、弁護士費用も1400万円にはなります。
立証作業は、過失の大小に関係なく、手間の掛かるものです。
それでも、果敢に挑戦された弁護士の熱意に驚きを感じ、高次脳の締めくくりとして紹介しました。