被告側、損保の尾行調査や隠し撮りは、古典的なスタイルです。
実際には、高次脳の被害者がスーパーの果物売り場でリンゴを選んで買い求めていた映像で、「この被害者は、美味しいリンゴを選び出す能力を有している?」こんな主張がなされたこともあります。

この被害者には、右下腿に麻痺があり、右足を引きずるように歩くことや、重度な失語症で殆ど会話が成立していないのですが、提出されたのはリンゴを選び出している画像のみで、損保に不利となる映像はすべてカットされている、実に不愉快なものでした。
このときは、それらを主張し、損保の主張を退けました。

高次脳2級1号 斜視などで併合2級

信号機のない交差点を原付バイクで直進中、左方から直進の乗用車と衝突、高次脳2級、斜視などで併合2級が認定された19歳の男子アルバイトに対して、

損保の反論

①将来の介護料は、随時介護であり、日額3,000円程度が妥当?
②逸失利益の基礎収入は、被害者がアルバイトだったため相応に下げるべき?
などを主張したのですが、

弁護士の立証

弁護士は、高次脳の被害者に対する見守り監視などの大変さを細かく訴え、家族介護としては、日額8,000円×125日、職業介護では、日額1万2000円×240日を主張した結果、

⇒裁判所は、日額1万円×365日×余命年数の将来介護料を認めました。

慰謝料では、損保が依頼した調査会社が2週間にわたって被害者を尾行調査し、撮影が禁止されている保護施設内で隠し撮りなどを行った悪質な行為に対し、裁判官は、社会通念上許容される限度を超えた不相当な行為と厳しく糾弾し、併合2級の後遺障害としては異例に高額な、本人慰謝料2400万円、近親者の慰謝料300万円を支払えと判決しています。
逸失利益も、当時、被害者は大学進学を目指してアルバイト中であったことを主張し、逸失利益の基礎収入として、賃金センサスの男子全年齢)が採用されました。

今後は、当法律事務所としても、尾行や隠し撮りなどの事実が明らかなときは、これらにより被った被害をシッカリと主張していく方針を立てています。