高次脳7級4号 紛争処理センター本部

31歳で、実際の収入が平均賃金を下回っている、

建設現場監督の31歳男性がバイクで交差点を青信号で直進中、対向右折車と衝突したもので、高次脳として7級4号が認定されています。
事前認定で7級4号が認定され、損保からは、2400万円の損害賠償額が提示されていました。
本件は、依頼人が迅速な解決を希望されていたので、紛争処理センターでの解決を選択しました。

損保の反論

①被害者にも15%の過失が認められる?
②逸失利益は、被害者は事故時に31歳であり、実収入で計算すべき?
③後遺障害慰謝料については、半額の500万円が妥当?

弁護士の立証

過失割合について、弁護士は刑事記録の矛盾点を指摘し、10%に引き下げることができました。

事故当時31歳の被害者の年収は、男性の平均賃金より150万円低い404万円でした。
30歳以下では、東京・大阪・名古屋地裁の提言にもあるように、将来の可能性と賃金上昇も予想されるところから、賃金センサスを適用することに争いはありません。
しかし、僅か1歳ですが、31歳となると、そこをどう判断すべきかが問題とされるのです。
本件では、同期入社の同僚、同じ職種の先輩社員などの給与明細から、一定の年月を経過するとベースアップがなされ、賃金センサスの年収に近づく事実を掴んで立証しました。

⇒紛争処理センターは、賃金センサスを適用することで、示談の斡旋を行いました。
後遺障害慰謝料についても、500万円は明らかな根拠に乏しく、裁判基準の1000万円を主張、当然のことですが、1000万円が認められました。
高次脳7級4号、過失10%で、自賠責保険を含んで5600万円、当初の損保側の提示額、2400万円の1.9倍の損害賠償額が実現できました。

NPOジコイチのコメント

先の、東京・大阪・名古屋地裁の共同提言は、比較的若年の被害者とは、おおむね30歳未満と規定されているのですが、では、31歳ではどうなるの?
30歳未満では、ほぼ自動的に全年齢平均賃金が適用されるのですが、さすがに31歳となると、生涯を通じて全年齢平均賃金または学歴平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が認められることを立証しなければならず、弁護士の力量が試されているのです。

なんども繰り返していますが、弁護士の資質は、以下の3つです。

①問題を正確に理解するための幅広い知識と経験則
②依頼人から問題点を引き出す対話力、
③勝訴に導く創造力と構成力

創造力と構成力に乏しく、経験則の少ない弁護士では、主張以前に、これでは負けてしまうと消極的な対応に明け暮れるのです。
そんな弁護士に依頼すれば、平均賃金より150万円低い404万円で、逸失利益が計算されます。
404万円×56%×16.547=3743万5000円、
554万円×56%×16.547=5133万5000円、
弁護士の能力次第で、損害賠償額に1390万円の差が生じるのです。

高次脳における損害賠償では、被害者はその後の人生を決定づけられます。 弁護士選びは、慎重でありたいものです。