3.解決の決め手 労働審判制度

泣き寝入りしないために。

自動車保険の対人・対物保険は賠償保険ですから、損害賠償額は、加害者と被害者の話し合いで決められるのですが、話し合いで決まらないとき、行き着くところは裁判による決着です。
ところが、労災保険は、被災労働者を救済することを目的として、国である厚生労働省が運営する補償保険ですから、支払われる給付金額は、あらかじめ決められているのです。

補償保険の給付に慰謝料の費目はなく、給付額も賠償保険に比較すれば低額です。

では、業務中の被災では、労災保険からの支給額のみで納得しなければならないのか?
会社を安全配慮義務、民法415条、労働契約法5条違反、または不法行為に基づく使用者責任、民法715条で損害賠償責任を問うことはできないか?
そんなときに、あなたが抜く伝家の宝刀が、労働審判制度です。

労働審判制度は、比較的新しく、平成18年4月、労働者と勤務先との間に生じた労働紛争を地方裁判所において、迅速、適正かつ実効的に解決することを目的として設けられました。

地裁で裁判官が審理を行い、調停や審判を行いますので実質的には、裁判です。 しかし、3回の審理で決着がつくので、通常の裁判に比較すると圧倒的に早いのです。 すべての案件に適用できるのではありませんが、労災事故であっても、地裁基準で損害賠償を受ける道は残されているのです。

1)労働審判制度のメリット

審判手続は、裁判官である労働審判官1名と労働関係の専門的知識と経験を有する労働審判員2名の計3名で組織する労働審判委員会が審理を行い、調停を提案します。 調停が不成立のときは、過去の判例なども参考にしつつ、解決のための労働審判が実施されます。
ここまでは、原則として3回以内の期日で進められるのです。

現状は、平均2カ月半の審理期間で、調停の成立により事件が終了することが多く、労働審判が確定したものも含めると、80%の紛争が労働審判の申立てで解決しています。

ともかく、2カ月半、約75日で決着がつく、そのスピードが、最大のメリットです。 なお、労働審判の内容に対する異議申立てがなされたときは、通常訴訟に移行することになります。

2)労働審判で勝利するには?

労働審判では、ほとんどが3回以内、約75日の期日で審理終了となり、決着がつきます。
となると、労働審判の申立で、最も重要なことは、期日の前に、たっぷりと時間をかけて、争点を整理し、完璧な主張を構成すること、それを裏付ける証拠の収集を行うことになります。
この作業が完璧であれば、約75日で勝利を掌中にするのですが、怠れば、転げ落ちます。

したがって、勝利するには、労働審判の経験則を有する有能な弁護士に依頼しなければなりません。
弁護士を選任して、弁護士の指示のもと、綿密な計画を立案、協同で立証作業に邁進するのです。

労働審判であっても、実質的には勤務先の会社を訴えることになり、成り行きでは、会社を退職することも予定しておかなければなりません。
退職すれば、会社に自由に出入りできなくなるので、労働審判申立までは、真面目に勤務し、弁護士の指示にしたがって、密かに写真撮影を行うなど、証拠の収集を続けることになります。

経験則が豊富で有能な弁護士は、交通事故110番が紹介します。

繰り返しますが、
第1回期日:紛争についての争点が整理されます。
第2回期日:証拠調べを行った上で、調停案が提示されます。
第3回期日:調停が行われます。

調停が不成立となったときは、審判が行われます。
調停や審判の確定では、それをもとにして強制執行をすることもできます。

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