弁護士の立証

ここまでに、高次脳機能障害、遷延性意識障害など、重篤で深刻な後遺障害を解説してきましたが、ここで取り上げる脊髄損傷も悲惨な後遺障害です。
とりわけ、上位頚髄損傷で四肢体幹麻痺では、脳は、シッカリと機能しているのに、横断型脊髄損傷により、被害者は身体の自由が利かず、全介護を受けなければ、なにもできません。
かろうじて、首を動かすことはできますが、呼吸麻痺では、人工呼吸器に頼ることになります。
被害者にとっては、生きながらも、地獄の日々が続くのです。

第6頚椎、C6の脱臼骨折に伴う横断型脊髄損傷では、手と手指の機能を残していることもあります。
第11腰椎、T11の脱臼骨折に伴う横断型脊髄損傷では、下肢に対麻痺を残し、歩行はできませんが、上肢の機能は正常で、事故後、就労に復帰している被害者も存在しています。
しかし、ここで忘れてはならないのが、排尿・排便障害です。
パラリンピックでは、車椅子バスケット、チェアスキーによるアルペン競技など、障害を克服して頑張っている映像が流れますが、大半の選手は、見えないところで排尿・排便障害に苦しんでいるのです。

弁護士としては、これらの被害者に向き合い、ご家族と話し合って、どんな方法で原状回復を成し遂げ、被害者救済を行うべきか、真剣に検証しなければなりません。
被害者は、原状回復の請求で、なにも我慢する必要はありません。
そして、これらを合理的に立証して、高額賠償につなげることこそが弁護士の仕事なのです。

それでは、実際の裁判例から、あるべき原状回復と弁護士の立証活動を検証していきます。