バイクと自動車の事故

33歳、男性会社員が原付で交差点を直進中、対向右折車の衝突を受けたもので、頚髄損傷による四肢体幹麻痺で1級1号が認定されています。

本件の問題点

被害者は自賠責保険に被害者請求を行い、4000万円の保険金を取得し、自宅を新築したのですが、自宅における介護の設備を整えるまでには至っていません。
さらに、治療先の病院からは転院を迫られており、受け入れ先の病院が発見できない状況でした。

まず、弁護士は、療養型のリハビリテーション病院を紹介、幸い、空きがあり入所できました。

社会福祉法人中伊豆リハビリテーションセンター
※社会福祉法人中伊豆リハビリテーションセンター
〒410-2507 静岡県伊豆市冷川1523-108
.0558-83-2111

その上で、自宅介護を前提とした訴訟の提起を行いました。
裁判では、過失割合、住宅改造費と将来介護料が争点となりました。

弁護士の立証

①過失については、直進バイクと右折車による典型的な右直事故で、基本過失割合は15:85でしたが、実況見分記録から、加害者に早回り右折の過失が認められ、証人尋問でそれらを立証した結果、被害者側の過失を10%に抑えることができました。

②新築住宅の改造費については、被害者の現在症状を医師の意見書と妻の陳述書で立証し、それらの症状から、必要となる設備などを細かく抜き出して請求しています。

⇒裁判所は、新築住宅の改造費として1300万円、介護設備備品として700万円、車椅子、車両改造費として800万円、合計2800万円を認定しました。

将来の介護料についても、現状の介護の内容を具体的に主張することで、妻が稼動する300日が2万円、妻の休日65日については1万円、合計1億1200万円が認められました。
結果、近親者の慰謝料300万円、和解調整金1800万円を含み、総計2億5500万円の損害賠償額を実現できました。

NPOジコイチのポイント

横断型脊髄損傷は、リハビリで明らかな改善が期待できない不可逆的な損傷です。
それでも、等級を審査する調査事務所は、症状固定時期について、受傷から1年を経過した段階を想定しており、それまでは、治療先に入院し、リハビリ治療を続けなければなりません。
しかし、救急搬送された急性期の治療先は、3カ月しか入院を認めません。

療養型リハビリテーション病院を探し出し、残りの9~13カ月を過ごさなければなりません。
1年を経過した時点で症状固定としても、等級の認定、自賠責保険金の振り込みには、平均的に3カ月間が必要であり、症状固定段階で自宅の介護体制を整えるには、相当の資力が求められます。

遷延性意識障害、高次脳機能障害、脊髄損傷では、療養型リハビリテーション病院を確保しておくことは必須となります。