バイク事故で脊髄損傷

26歳男性会社員が大型バイクで直進中、左方の駐車場から右折した加害自動車を避ける必要から急ブレーキ操作を行うもスリップ転倒し、加害自動車に衝突したもので、C6頚髄の横断型損傷で対麻痺、排尿・排便障害を残し、併合1級が認定されています。

損保の反論

①被害者のバイクが転倒・滑走して、自車のバンパーに衝突したもので、被害者にも50%の過失?
②本件事故により車椅子生活となったが、元の職場に復帰しており、満額の逸失利益は必要ない?

弁護士の立証

①弁護士は、刑事記録より、事故車の痕跡などを根拠として、加害者を証人尋問、本件の事故原因は加害者の無謀な飛び出しにあることを立証しました。

⇒裁判所は過失50%という損保の主張を却下、本件の過失割合を15:85と認定しました。

②後遺障害については、現在症状を医師の意見書と家族および本人の陳述書を提出して立証、後遺障害の重さや、排尿・排便における日常生活上の問題を詳細に明らかにした上で、被害者はパソコンの操作に習熟しており、勤務先の温情もあって復職はしてはいるが、未来永劫にわたって就労が保証されたものではなく、将来的には職を失う可能性も十分あると主張しています。

⇒裁判所は、弁護士の主張を認め、復職して最初の5年間は年収の50%、5年後からは、職を失う可能性を否定できないとして満額を認める内容の和解案が提示されました。

③将来介護料は、平日の職業介護1万5000円、土日・祝日の家族介護8000円、母親が67歳以降は、全面的に職業介護の1万8000円で、9400万円が認められました。

住宅改造費2600万円、車椅子・介護ベッド、介護者料、介護雑費で1500万円、過失相殺前の総損害額2億9200万円、過失相殺、既払い金の控除後で1億6900万円の損害賠償額が実現できました。

NPOジコイチのコメント

横断型脊髄損傷であっても、本件のように両手に麻痺がなくデスクワークができるときは、復職が可能であり、そうなると損保側は、決まって逸失利益を争点としてきます。

しかし、復帰を果たしていても、定年まで雇用が継続する見通しはありません。
弁護士としては、損保側の主張に屈することなく、いつでも、最悪の事態を想定して立証を続けなければなりません。