脊髄損傷の検討

自転車で直進中の農業に従事する63歳男性に、飲酒の普通乗用車が追突したもので、上肢および体幹麻痺などで併合1級が認定されています。

損保の反論

①農業収入については、妻女の寄与率を認めるべきである?
②介護は、家族介護で十分であり、日額4000円を認めるべき?

弁護士の立証

地裁は、介護料の算定において、妻の介護負担を過小評価し、別世帯の子どもの介護をあてにした内容で5400万円の算定であったので、弁護士は、高裁に控訴することになりました。

①将来介護料では、主治医の意見書と家族の陳述書で、損保の主張を排除し、地裁の判断をも覆して、職業介護と家族介護の併用で7200万円を請求しています。
先の主治医の意見書と家族の陳述書を根拠に、住宅改造費700万円、介護雑費800万円を請求しています。

⇒高裁は、請求の全額を損害として認定しました。

②刑事記録などから、飲酒、スピード違反、運転中の携帯電話使用など、加害者の悪質で一方的な過失であることを立証、主張したことで、制裁的な要素が考慮され、被害者の後遺障害慰謝料が3000万円、妻と成人した子ども2人の慰謝料についても500万円の3500万円が認定されました。

②事故前の農作業の実態を妻と家族、地元の農協関係者の陳述書で立証し、ほとんどが被害者本人によるもので、妻の寄与率は極めて少ないことを主張し、3100万円の逸失利益が認定されました。
63歳農業従事者の男性に対して、遅延損害金2400万円を含んで1億7700万円の損害賠償額が実現しました。

NPOジコイチのコメント

農業で夫婦の寄与率? 立証の難解な領域です。
しかし、本件の弁護士は、農協にまで飛び込んで陳述書をまとめ上げています。
弁護士の諦めない姿勢は、最大限に評価できるものです。