遷延性意識障害は、植物状態、英語でもVegetative stateと言われる最も重度な後遺障害です。

脳の下部にある脳幹の呼吸、循環などの生命維持に必要な機能の損傷は免れたものの、上部脳幹・視床下部・視床・大脳半球の広範囲の不可逆的なダメージにより、受傷後はほぼ寝たきりとなります。

①自力移動が不可能であること、
②たとえ声を出しても、意味のある発語は不可能であること、
③眼を開け、手を握れなどの簡単な命令にはかろうじて応じることはあるが、それ以上の意思疎通は全く不可能であること、
④眼でかろうじて物を追うことがあっても、それを認識することは不可能であること、
⑤自力摂食が不可能であること、
⑥糞尿失禁状態であること、

以上の6項目が、治療にもかかわらず3カ月続いたときは、植物状態とみなします。
自律神経はやや正常に機能しているのに、体性神経の完全、もしくはほとんど欠如した状態を言い、植物状態は、明らかに脳死とは異なります。

※脳死と植物状態の比較

  脳死 植物状態
損傷部位 脳幹部を含む全脳 主として大脳皮質
自発呼吸 なし あり
意識 なし 種々のレベル
脳波 平坦 あり
体動 なし あることが多い

被害者は意識を喪失しており、常時の介護を受けなければ、生命を維持することができません。