27歳、男性会社員が自動二輪車で青信号交差点を直進中、対向右折の被告乗用車と出合い頭衝突したもので、被害者には、遷延意識障害で1級1号が認定されています。

損保の反論

①自宅介護は無理である?
②寝たきり被害者の余命は短いという医師の意見書を提出、逸失利益は余命10年で計算すべき?

③賠償金は、定期金賠償で支払うべき?
つまり、被害者が生存しているかどうかを確認しながら支払うのが相当である?
④自宅介護は不可能なので、職業介護は必要なし?

弁護士の立証

弁護士は、自宅介護を強く希望する被害者家族の陳述書、専門医の余命まで生存するという意見書を入手して、しっかり立証を行いました。

⇒裁判所は、自宅介護を前提に、住宅改造費1400万円、将来介護料については、母親が67歳までは土・日・祝日は、家族介護1万2000円、平日は職業介護2万円、母親が67歳以降は、職業介護2万円×365日を認め、総額2億3000万円で和解が成立しました。

法律家のコメント

損保側が提出の、余命10年を根拠とする非人道的な意見書は、下記医師の作成したものです。
高次脳機能障害、遷延意識障害では、この医師の意見書がちょくちょく登場しています。

吉本 智信 医師
公立学校共済組合 関東中央病院
〒158-8531 東京都世田谷区上用賀6-25-1 03-3429-1171
S53年生まれ、東大医学部卒、脳神経外科医、東京警察病院などを経て現職、
著書に「高次脳機能障害と損害賠償」

遷延性意識障害者の多くが、こうした非人道的な損保の主張に苦しめられています。
被害者が遷延性意識障害では、相手損保は自宅介護を認めず、住宅改造費も不要という主張を展開してくることが珍しくありません。
しかし、最近の判例では、主治医の許可がおりて、かつ、自宅介護の準備が完了していれば、自宅介護を認めることがスタンダードになっています。