自動車の助手席に同乗中の25歳、女性会社員に、前方不注視の大型貨物車が追突したもので、この女性は、遷延性意識障害で1級1号が認定されています。

損保の反論

①自宅介護は不可能である?
②寝たきり者の余命を10年に短縮すべきで、将来介護料も10年で足りる?
③遷延性意識障害者は寝たきりで、健常者のように生活費を必要とせず、生活費は20%控除すべき?

弁護士の立証

立証責任は、被害者側にあるので、損保側は、いつでも、言いたい放題です。
本件でも、一方的に断定し、実に、非人道的な主張を繰り広げています。

損保側に否定された自宅介護について、両親と協議しながら、被害者を受け入れるための条件を整備していき、その上で、入院先の主治医から、自宅介護が可能という承諾を取りつけました。
さらに、裁判では、自宅介護における利点をしっかりと主張し、それらを母親の陳述書、主治医の意見書で立証しています。

②遷延性意識障害者の余命では、すでに、医学的にみて、確たる証明はなされていないとの判例が出ており、平均余命を認める傾向ですが、売られた喧嘩は立証しなければならず、主治医の意見書で反論を行っています。

③遷延性意識障害者の生活費控除については、稀には、控除が認められていますが、障害者であっても、外出の際は、洋服も必要であり、情操教育のためには音楽を聴かせ、読書をしてやり、テレビも見せて、実際に、このような刺激を与えることで感情表現が豊かになり、意思表示が可能になることも報告されているのです。
先に説明のノーマライゼーションの観点からも、控除すべきではないと主張しています。

⇒順序立てた立証により、裁判では、損保側の主張は完全に排除されました。

結論

自宅介護のメリットと介護プランの緻密な立証で、住宅改造費1800万円、将来の介護費用1億1700万円、介護諸費用1900万円、損害総額2億7800万円が認定されました。

本件の被害者は、助手席に同乗中、不可抗力の事故で人生を奪われたのです。
介護にあたる両親の悲しみと苦しみは、計り知れないものがあり、そのことも主張しています。
裁判所は、本人慰謝料3500万円、両親の慰謝料800万円を認めています。

介護諸費用は、自宅介護の実績から、日額1500円であることを立証し、平均余命の61年間について積み上げ計算を行って請求しています。

NPOジコイチのコメント

被害者に重い障害を負わせたのは加害者であるにもかかわらず、損保側が裁判で、余命が短い、長生きしない、早く死ぬなどの主張をすることは言語道断で、放置することはできません。
弁護士たるもの、これらの非人道的な反論は、徹底的に叩き潰し、粉砕しなければなりません。