14歳、女子中学生が、自転車で交差点横断歩道付近を斜めに横断中に自動車と衝突し、遷延性意識障害で1級1号が認定されました。

損保の反論

①自宅介護は不可能?
②将来介護料は低額でよい?

弁護士の立証

①独立行政法人自動車事故対策機構の療護センターに入院する被害者、両親と面談しています。
両親は、療護センターを退院後は、自宅における介護を強く希望していました。
そこで、両親と協議しながら、被害者を自宅に受け入れるための条件を整備し、それらを主治医に説明して、自宅介護が可能であるとの承諾を得ています。

②裁判では、母親の陳述書、主治医の意見書を提出し、自宅介護におけるメリットを主張しています。 母親の陳述書には、療護センターにおいて、自宅介護のための訓練を積むなど、大変な努力を重ねたことも記載されています。

※自宅介護における3つのメリット
ⅰ)ノーマライゼーションの考え方ですが、事故前と同じく家族と共に過ごすことが被害者にとって最も自然な姿であり、憲法上の住居の自由も守られること、
また、遷延性意識障害者であっても、遠くて深いところに意識はあると考えられており、自宅に帰ることでさまざまな刺激が与えられ、症状が改善に向かうケースが多いこと、
ⅱ)自宅は施設よりも、はるかに衛生的で、感染症の心配が少なく、余命を全うすることができること、
ⅲ)行き届いたケアにより、褥瘡=床ずれ、肺炎など、余病の発生が防止できること、

結論

被害者は事故当時14歳の中学生で未就労であったが、逸失利益の基礎収入については、男女平均賃金、490万円で8800万円を請求、裁判所は、これを認めました。

義務教育を終了するまでの女の子の基礎収入は、男女平均賃金ですよ!

将来の介護料は、1億2200万円、介護機器1000万円、介護雑費1000万円、住宅改造費300万円など、総額3億0500万円の損害額が認められたが、幹線道路の交差点付近を自転車で斜め横断したことで40%の過失相殺がなされ、損害賠償額は1億8300万円となりました。

NPOジコイチのポイント

普通、被害者に40%の過失が認められるときは、損保側も強気です。
経験則の乏しい弁護士であれば、損害賠償交渉では、腰が引ける状況です。
しかし、自宅介護を認めさせたことで、賠償額は跳ね上がったのです。

裁判では、自宅介護となると、住宅の改造費や高額な将来介護料が認められていますが、これらのメリットが明確であっても、自宅介護では、主治医の承諾がなければ実現不可能であることを知っておかなければなりません。

※裁判で、自宅介護が認定される3つの要件
ⅰ住宅環境
自宅が介護に対応できるよう改造され、介護設備が整っていること、
ⅱ介護環境
介護者のマンパワーが十分、介護技術が熟練、褥瘡など余病の発生を防止することができること、
ⅲ医療環境
緊急時には、近隣の病院あるいは医師が対応できること、