58歳の男性会社員が徒歩で道路を横断中、前方不注視の普通乗用車に跳ね飛ばされたもので、脳挫傷、遷延性意識障害で1級1号が認定されています。

損保の反論

①衝突現場が横断歩道上ではなかったため、歩行者にも20%の過失がある?
②自宅介護を認めないとして、県内および近郊の5カ所の介護型病院のリストを提示?
③介護型病院における介護であれば、1カ月22万円を支払うとの条件を提示?

弁護士の立証

①過失については、実況見分記録、供述調書に記載されている、運転中にもかかわらず、テレビやラジオなどの操作に気を取られたという事実を指摘、強く反論しています。

⇒裁判所は、被害者の過失を15%と認定しました。

②被害者側は、自宅介護を前提として住宅改造の準備をしてきたものであり、療護センターの医師から先に、自宅介護可能であるとの意見書を裁判所に提出しました。
その上で、損保提示の介護型病院をすべて訪問、本件のような遷延性意識障害者の受け入れが拒否されたことを立証しています。

⇒裁判所は、自宅介護は可能という前提で、住宅改造費の差額分1260万円、職業介護と家族介護、平均で日額1万7000円の介護費用を認めました。

和解解決でしたが、近親者含め3500万円の慰謝料と、弁護士費用および遅延損害金に相当する調整金として、3200万円が認められました。
58歳の男性で、15%の過失割合でしたが、総額2億0200万円という賠償金が実現しました。

NPOジコイチのコメント

多くの損保は、遷延性意識障害の被害者に対しては、決まって自宅介護を否定し、介護型病院での療養を押しつけてくるのですが、現実には、遷延性意識障害者を受け入れられる病院は少なく、あったとしても長期入院は認められない傾向です。
介護型病院リストなどに、ごまかされてはなりません。